【Clubhouse・クラブハウス】SNS人気の理由や注意点、株価に注目

最近、音声SNSの「Clubhouse（クラブハウス）」が日本でも人気となり一気に拡大しています。ちなみにこの「Clubhouse」の運営会社は「Alpha Exploration Co.（アルファエクスプロレーション株式会社）」です。「Clubhouse」はアメリカのベンチャー企業により、2020年3月にローンチされたアプリです。2020年5月時点での会員数はまだ3,500人、その後シリコンバレーを中心にアメリカで火がつき、2021年に日本上陸し日本でも注目となっています。しかし、未だアプリは全て英語です。そして、今はまだiPhoneでしか参加できませんが、Androidでも使えるようになると発表されています。アメリカのメディア『The Information』の1月22日の報道によると、「Clubhouse」の時価総額は1000億円を超えたとされ、これでアジアにも広まっていくのであれば、「Twitter」や「Facebook」のような定番SNSの仲間入りも時間の問題のようです。また、こうした注目から「Clubhouse」の人気を受け「Alpha Exploration Co.の株を購入したい」「株価はいくら？」と情報を求める動きも多くなっているようです。そこで「Clubhouse」の注意事項や「Alpha Exploration Co.」は株式上場や予定、またSNSにおける株式上場の「Facebook」と「Twitter」などとの比較を見てみましょう。

「Clubhouse」とは

簡単に「音声版ツイッター」と説明する人もいます。確かに音声のみのSNSで、自分の意見を話すことができますが、「Twitter」と決定的に違う点は何も後に残らない、残せないことです。リツイートして拡散しよう、というような「Twitter」のような醍醐味はありません。「Clubhouse」で話した内容は基本的にオフレコです。しっかりと規定には録音禁止の旨も書いてあります。録音禁止どころか、「Clubhouse」で得られた情報を書き起こしたり、記録したり、複製、共有も禁止です。音声で流した内容はその時だけ、顔も映らないし、リスナーでいる分には、他のSNSに比べかなり気楽かもしれません。誰かが話しているルームに入って話を聞く、もしくは自分がルームを始めてスピーカーになる。興味がなくなれば誰にも通知せず静かにルームから退室できます。そして「Clubhouse」の特徴の一つが「招待制」アプリであるということです。しかもメンバーが招待できるのはたった2人です。FOMO (Fear of Missing Out=疎外感、見逃すことを恐れる) 心理がくすぐられ、どうしても参加したくなってしまうというものです。そうゆうわけで、フリマアプリでも招待権が転売されているほどです。しかし、注意が必要なポイントですが日本語では「招待」と使われることが多いですが、実際に使ってみると自分のClubhouseのマイページ上に残されている英語表記は「nomination」となっていることから「招待」よりは「推薦」というもの。誰かに招待されて「Clubhouse」の会員になった場合、誰に招待されたか、推薦されたかが永久的に自分のページに記録されるということです。保証人ということです。

「使い方における注意点」

「Clubhouse」で今後何か問題が起きるとすれば、パトロール機能が甘い点。「Twitter」のように書いた内容があとに残れば、それに対して運営チーム側のパトロールが入り、忠告をされたり、重ければアカウントを凍結されたり、ペナルティーボックスにしばらく入ったり(バン、知らされていなかったらシャドウバン)します。完全にオフレコで音声が流れるだけのSNSをパトロールすることはなかなか難しく、誰かが規則違反を報告したとしても「言った・言わない」の議論になるだけです。下品、わいせつ、誹謗中傷を語ることはNGとされている中、この規則を今後ユーザーが数億人になった場合にパトロールすることはできないでしょう。そこでこの「nomination」制度が役立つようです。あるユーザーが「Clubhouse」内で問題発言をした場合、この人を招待した人のアカウントも凍結または削除され、同じ電話番号での再登録は不可という話です。もしこれが本当であれば、要するに変な発言をする人を招待した人は連帯責任ということで、保証人のような扱いとなるということです。ですから全く知らない人を「Clubhouse」に招待するべきではなく、自分がこのメンバーに推薦してもいいと思う人を推薦するべきなのです。招待をする一番早い方法は電話番号から。つまり電話番号を知っているくらいの間柄で広めていきましょう、の意図なのかもしれません。そして推薦者に迷惑をかけるなら、ある程度の違反は未然に防げるというものです。

「Clubhouse」人気の秘密

「Clubhouse」の人気の秘密とはどこにあるのか。「1：井戸端会議ラジオ」、「2：セレブ対それ以外」、「3：音を使ったエンターテイメント」といった利用方法かもしれません。

1：井戸端会議ラジオは現状通り、知り合いとたわいもないことを話す。

2：セレブ対それ以外はアメリカで大流行している理由で、自分の憧れのスーパースターが他のスターと会話をしているのが聞ける、運が良ければ自分もその会話に入れてしまう。これは政治家や大企業のCEO、インフルエンサーやお笑いの方の座談会にも利用できるでしょう。

3：音を使ったエンタメをClubhouseで広める、ここが本当にブルーオーシャン、いくらでも広がりを見せる可能性があります。例えばピアニストがリクエストを聞いて生演奏をする、歌手が家で鼻歌を口ずさむ、声優たちがトークをする、寝る時刻になったら歌のお姉さんが子守唄を歌う、その他にも落語、漫才、インディーズバンド、ニュース、天気予報、英会話レッスン、瞑想など音声だけだからこそかけ流しておくこともできます。

この「2」と「3」に対しては、間違いなく収益を生むことができます。サブスクで入れる部屋を作るか、投げ銭できるようにするか、課金制にするか、チケットを売るなど。良くも悪くも後に残せないのでまるでコンサートに行っているかのようなライブ感を味わうにはもってこいのシステムかと思います。

2021年1月後半から日本の芸能界も一気に「Clubhouse」に参加し始めました。誰もが知るような芸能人でさえ、フォロワーがまだ数人という状態を見ると、「Clubhouse」がどれほど新しいSNSかがわかります。例えば渡辺直美、藤田ニコル、エハラマサヒロ、元AKBメンバー、ふわちゃん、金子貴俊、つるの剛士、メンタリストDaiGo など…様々な有名人が「Clubhouse」を使っています。日本では始まったばかりの「Clubhouse」、可能性は無限大です。

「ClubhouseのAlpha Exploration Co.」の株式上場について

これについては2021年2月1日現在のところ株式上場していないようです。ちなみに「Alpha Exploration Co.」は2020年2月に創業ということなので、新しい会社です。創業後、2020年3月にサービス開始後、2020年アメリカのベンチャーキャピタルである「Andreessen Horowitz」が1200万ドル（約12億5,000万円）を投資し、2021年1月にはシリーズBラウンドの資金調達を発表（調達総額不明）しています。そして現在のところ180もの投資家がいると公表されています。さらに時価総額1億ドル(約104億円）。こうした経緯のために音声SNSの「Clubhouse」に注目が集まっている現在、運営会社である「Alpha Exploration Co.」の株式上場があるのかということにも注目が集まっているようです。しかし、2021年1月現在、「Clubhouse」の上場の話については何も発表がありません。現在のところは一般的にシリーズCラウンドの資金調達でIPOやM&Aを意識する段階と言われます。「Alpha Exploration Co.」は現在シリーズBラウンドの資金調達と報道されていますので、今後技術開発に力を入れて、事業としてさらなる成功を得たのちにシリーズCラウンドに進み、株式上場するということは考えられるということです。

株式上場の「Facebook」と「Twitter」の比較

「Facebook」株式上場について：「Facebook」は2004年2月に創業後、「Alpha Exploration」と同様に数々の投資ラウンドを経て、2005年に1270万ドル、2006年に2750万ドルの資金を得ています。そして、創業から8年後の2012年5月12日に、新規株式公開（IPO）を行ってナスダック市場に上場しています。

「Twitter」株式上場について：「 Twitter」は2006年3月に創業後、同じく数回の投資ラウンドを経て「Spark Capital」社などの投資会社から資金調達。そして創業から7年半後の2013年11月に、IPOを実施してニューヨーク証券取引所に上場を果たしています。

「Facebook」と「Twitter」の株式上場について比較すると「ClubhouseのAlpha Exploration Co.」の株式上場については、今後事業が安定し、シリーズCラウンド以降に進むまでは株式公開は難しいと判断されています。「Facebook」や「Twitter」のどちらも創業から8年近く経ってからの上場となっており、その事例から考えると少なくともあと数年は株式上場することはないようです。

「Facebook」と「Twitter」の株価を比較

「Facebook」と「Twitter」の上場来の株価の推移を見て比較してみましょう。

「Facebook」社の上場からの株式チャート（NASDAQ）

「Twitter」社の上場からの株式チャート（NYSE）

両社を比較してみると「Facebook」の株価が右肩上がりなのに対して、「Twitter」はそうではありません。2020年10月時点での全世界でのユーザー数は「Facebook」が27億4000万人。それに対して「Twitter」はの全世界でのユーザー数は3億5,300万人。「Clubhouse」のCEOである「Paul Davison」が1月に発表したメッセージによると、「Clubhouse」は招待制であるににもかかわらず現在毎週約200万人のアクティブユーザーがいるとされています。そのことを考慮すると「Clubhouse」のユーザーが、「Facebook」に追従し迫れるのか注目していく必要がありそうです。今後の「Clubhouse」の成長は、アプリが提供されているのが現在iOS版だけなので、今後Android版が提供されることで益々の成長が期待できそうです。