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【日産・S30型フェアレディZ】RB30搭載フルチューン仕様
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初代モデル「フェアレディZ」のエクステリアデザインは優雅で美しいボディシルエットが描かれました。さらに「フェアレディZ」のシャシーポテンシャルは高度なもので、軽量なモノコックボディに、前後輪ともストラット式サスペンションによる四輪独立懸架を備え、市場で先行する「ジャガー・Eタイプ」や「ポルシェ・911」などと競えるほどに仕上げられました。「フェアレディZ」に搭載されたL型直列6気筒エンジンは、SOHC動弁機構を備えた2000ccクラスの最新式ではあったものの、素性は鋳鉄シリンダーブロックにターンフロー燃焼室を組み合わせた手堅い実用型エンジンでした。またアメリカ仕様は2.400ccへの排気量拡大でトルクを太らせたL24型エンジン採用でパワー対策していました。シャシーについては、大きく分類すると「初期モデル(1969年〜1970年)」、「中期モデル(1971年〜1973年)」、「後期モデル(1974年〜1978年)」の3種類に分けることが出来ます。ちなみに1975年中盤からは、当時の排気ガス規制などに対応したことで「S31」と型式が更新されている。また1974年よりシャシーに加えてテールランプのデザインなどが変更されたため、このタイミングで前期/後期と分類する人も多いようです。
「ダットサン(日産):フェアレディZ(S30)」:スペック
- 年式:1972年モデル
- 型式:HS30H型
- 全長 × 全幅 × 全高:4,305mm × 1,690mm × 1,285mm
- ホイールベース:2,305mm
- トレッド(F/R):1,355mm / 1,345mm
- 車両重量:1,010kg
- エンジン型式:L24(240Z/240ZG) / L20(Z/Z-L) / S20(Z432)
- エンジン形式:直列6気筒 SOHC SUツインキャブ / 直列6気筒 DOHC ソレックス製3連キャブ(Z432)
- 排気量:2,393cc(L24)/ 1,998cc(L20) / 1,989cc(S20)
- ボア×ストローク:87.0mm×73.7mm(L24)/ 78.0mm×69.7mm(L20)/ 82.0mm×62.8mm(S20)
- 圧縮比:8.8(L24)/ 9.5(L20/S20)
- 最高出力:150PS / 5,600rpm (L24)130PS / 6.000rpm(L20) / 160PS / 7,000rpm(S20)
- 最大トルク:21.0kgm / 4,800rpm(L24)17.5kgm / 4.400rpm(L20) / 18.0kgm / 5.600rpm(S20)
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:5MT
- サスペンション(F/R):マクファーソンストラット / マクファーソンストラット
- ブレーキ(F/R):ディスク / LTドラム
- タイヤ(F/R):175HR14
- 最高速度:210km/h
- 0-400km/h加速:15.8秒
- 0-100km/h加速:8.5秒
「S30型:フェアレディZ・RB30改仕様」:スペック
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今回のカスタムマシンは、いわゆる後期モデルとなる「S31型:フェアレディZ」となります。旧車ファンの中でも走り屋に人気のモデルとなっているのは車重の軽い1973年までのワンテールモデルですが、この車両の製作にあたってはあえて最終モデルが選ばれています。
その理由としては、後期モデルになるほど剛性が高い上、ボディの腐蝕も少なく装備も良いということが挙げられています。カスタマイズコンセプトは「ストリートマシンとして今の技術で快適に、それでいて十分な動力性能を」というもの。
「パワーユニット:RB30改」
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注目すべきはパワーユニットとなるエンジンです。輸出用の「スカイライン(R31型)」やオーストラリアのホールデン社に供給・搭載されていた「RB30型」エンジンを換装しているのです。しかし、ベースエンジンの「RB30型」はシングルカム仕様であるため、ヘッドにはRBシリーズ最高峰エンジンの「RB26型」用を加工流用してツインカム化しています。フィーリングを優先し、NA仕様で作りこまれたエンジンは、オーバーサイズピストン&ハイカムを組み込んだ3.1L仕様で仕上げられています。
なお、スロットルはナプレック製のRB26DETT用50φスロットルを使い、100mmのロングファンネルを装着しています点。排気系はS20用の等長エキマニ改+音質重視で選んだフルデュアルマフラーを装備するなどしており、「RB30改」のポテンシャルを引き出す仕上げが施されています。
駆動系もチューニングされており、ドライブシャフトは「Z31型:フェアレディZ」用を加工した等速ジョイントタイプで、デフもR200化されています。リヤスタビは定番の2by2用を流用し、強化ブッシュで剛性もアップされています。ミッションはシンクロの進化した「71C(R32型:スカイライン用5速)」を亀有製マウントキットを使って搭載しています。
リヤブレーキもポイントの一つです。「S30型:フェアレディZ」のストラット式サスペンションを活かしつつ、インナーシュー式サイドブレーキごと「BCNR33型:スカイライン」のブレンボキャリパーを移植しているのです。ノーマルボディ&ハブのままで、ホイールのオフセット選択幅を狭めずにこの移植を行うのは高度な技術が求められるカスタマイズで、現物合わせの加工も多く、コストには換算できないほど手間がかかっているということです。
「インテリア:オリジナル重視のカスタマイズ」
純正エアコンのコントロールパネルを利用しつつ軽自動車のエアコンをシステムごと移植したり、同様に電動パワーステアリングを投入するなど快適性も重視しています。
メーターまわりでは、デフィの90φタコメーター装着に合わせてスピードメーターにもベゼルを追加し、さらにオフセットも変更するなどディテールを拘って製作されています。
「エクステリアデザイン:輸出仕様」
エクステリアは、当時流行した輸出仕様のスタイルに仕上げられています。「BNR34型:スカイライン」のニュルスペック専用色であるミレニアムジェイドにオールペンされています。
また拘りのチューニングとしては、デフやマフラーがチラリと見える前期モデルのようなリヤビューを作るために、わざわざ「BNR32:スカイライン」用樹脂製燃料タンクを移植していることです。この移植でスペアタイヤスペースは失われるものの、インタンクのフューエルポンプが使えるなどメリットも大きいということです。
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