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【トヨタ・セリカ1600GTV】 TA22型TS仕様のスペック
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「TA22型:セリカ」:コンセプト
初代モデルの「トヨタ・セリカ」は1970年(昭和45年)12月に発売。ベースとなったのは前年の第16回東京モーターショーに出品されたエクスペリメンタルモデルの「TOYOTA EX-1」です。 「国産初の本格的なスペシャルティーカー」と謳われました。因みに、後年1981年(昭和56年)に発売された「ソアラ」は今までの技術を超えた最高級スペシャリティーカーと表現されています。「セリカ」は、「未来からやってきた車セリカ」でカタログでは「セリカは、いままでの車とはまったくちがいます。タイヤが4つあり、ガソリンエンジンで動くのは同じでも実は根本的に違います 。未 来 か ら やってきた車。一言でいえば、 セリカは真のパーソナルカー、真のスペシャル ティーカー。トヨタの先進技術のシンボルです。」と記されました。
「TA22型:セリカ」:開発ストーリー
エクステリアデザインは車体の中心の低位置にドライバーズシートをセットする「MIDDLE&LOW」が合言葉で、「ラミナー・フローライン」(空気抵抗の少ない成層圏ジェット機の層流翼の形が生み出す乱れのない美しい流線)が起きるようなデザインとされました。
天空を駆ける「龍」のイメージをテーマにしたセリカのシンボルマーク。リア・タイヤハウジング前方に飾られるセリカ(CELICA)というネーミングは、 スペイン語の形容詞で「 天上の 、聖なる 、神々しい」という意味をあらわしています。「これこそ宇宙時代にふさわしく、輝かしい 未来をめざし無限の空間を駆け巡るこの車のすべてを象徴」していました。クラウン、 コロナ 、カローラに続き 、「 C 」で始まるトヨタの伝統を踏襲した車名ともなっています。 また、セリカのシンボルマークは「龍」で す。神秘的な美しさをもちながら天空を駆ける「龍」のイメージはまさにセリカにぴったりだったのでしょう。セリカの最も大きな特徴は 、受注方式「セリカ・フルチョイス・システム」の採用でした。 4種類のエンジン、3種類のトランスミッシ ョ ン 、5種類の外観 、4種類のシート 、 10種類のインストルメントパネルなどを可能な限りユーザーの嗜好に合わせて選ぶことができ、したがって下は57万円台から上は約100万円までの極めて幅広い価格帯をカバーし 、理論的には数百万種類のバリエーションができることになりました。 その主要コンポーネント部分はおよそ以下の通りです。
<エンジン>
1400cc(T型)86ps 1600cc(2T型)100ps
1600cc ツインキャブ(2T-B型)105ps 1600cc DOHC(2T-G型)115ps <トランスミッション>
4段フロア
5段フロア
3速フロア トヨグライド(AT)
<外観>
ET(エキストラ・ツーリング) LT(ラグジャリー・ツーリング) ST(スポーツ・ツーリング) GT(グランド・ツーリング) GTV(Vは勝利のVICTORYの略) ※GTVは1972年のマイナーチェンジで追加設定
このうちセリカ・シリーズ最高の車格を有する1600GT/GTVだけは2T-G型エンジンと5段マニュアルトランスミッションを搭載、「セリカ・フルチョイス・システム」の対象外とされ、内装、外装も他車とは異なる豪華さを誇っていました。外観的にはサイドのストライプが特徴です。
「TA22型:セリカ1600GT」
全長×全幅×全高(mm):4215×1620×1280
ホイールベース(mm):2425
車両重量(kg):1040
エンジン型式・仕様:2T-G型 直列4気筒DOHC
排気量(cc):1588
最大出力:115ps/6400rpm
最大トルク:14.5kg-m/5200rpm
トランスミッション:5MT
「TSレースでの活躍」
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1970年10月にデビューしたセリカ1600GTは、開発段階からレース仕様の開発が進められていました。コンピュータと風洞実験で形状が決められたフロ ントスポイラーやリアスポイラー、ヘッドランプカバーやオーバーフェンダーを追加しています。2T-G型エンジンはドライサンプ化などによりパワーアップ し、サスペンションアームは全面的に作り直されるなどライバルに対抗できる強いツーリングカーに育てるという目的で開発されました。
セリカ1600GTが初めてレースに出場したのは1971年11月、富士で開催された日本オールスターレースです。3台出場したTS-bクラスで1〜3位を独占する鮮烈なデビューでした。
1972年に入るとセリカの快進撃は続き、3月の全日本鈴鹿自動車レースでツーリングカークラスで優勝。同年4月、富士で開催のレース・ド・ニッポンにおいてスカイランGT-Rやフェアレディ240Zを押さえ総合優勝を果たすなど上位を押さえるポテンシャルを発揮しました。5月3日富士で開催された日本GPではセリカが1位、2位と4位の上位をほぼ独占、3位にもカローラ・レビンが入りトヨタは圧倒的な強さを見せつけました。
「セリカ1600GTV・TS仕様」:概要
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TSレース仕様に仕上げられた「TA22:セリカ1600GTV」。それは、エクステリアだけにとどまっておらず、エンジン内部にまで手が加わったフルチューンとなっている。では、どのようなカスタマイズが施されているのか。
TRANS-AMキットを装着したエアロ。ホイールはハヤシストリート。
レーシングジャケットはTRD製の当時物。グリルにピッタリとフィットするので、前ヒンジのボンネットを開けたときに干渉しないように、ワンアクションで前方へスライド。
パワーユニットとなる2T-G型エンジン。3Tクランクを使った2L仕様へとチューニングが施されています。今載っているエンジンは仕様を変えた2基目で、1750㏄仕様(イナゴマル)となっている。
最大の特徴はギアトレーン化していることで、当時多くの人が憧れたトムス製パーツを使用。トムス製ピストン、TRD製ハイカムを組んだ1750cc仕様の2T-G型。トムス製ギアトレーンを組み込み、高回転も狙える仕様になっている。ラジエーターは3層コア増しで、オイルクーラーも追加している。
キャブレターはソレックス44PHHの2連装。ギアトレーンならではの甲高いギアノイズは、このレーシーなルックスのセリカにさらに迫力を与えている。
タコ足は4-1集合のフジツボ製の当時物パーツ。当時4-2集合の物は緑色だったそうで、赤い4-1集合の物は競技専用品としての意味合いが強かったそうです。
ステアリングのホーンボタンにはTRDの前身であるトスコのロゴが入っている。シートはオートルック製バケットを2脚セット。
「セリカ1600GTV・TS仕様」:スペック
- 74年式 トヨタ セリカ 1600 GTV(TA22)
- エクステリア:TRANS-AMキット、TRD製レーシングジャケット、オーバーフェンダー、トムス製輸出用コーナーランプ、ナポレオン・バッカミラー、トヨタワークス風ワイパー
- インテリア:オートルック製バケットシート、MOMO製ステアリング、大森メーター(タコ、水温、油圧、油温)
- エンジン:2T-G型改1750cc、トムス製ギアトレーン、TRD製ハイカム、トムス製ピストン、
- 吸気系:ソレックス44PHH
- 排気系:フジツボ製4-1タコ足、フジツボ製φ50mmマフラー
- 冷却系:コア増し3層ラジエーター、オイルクーラー
- 駆動系:クロモリフライホイール、TRD製強化クラッチ、ノンスリップデフ
- 足まわり:(F)AE86ストラット流用車高調、AE92用ショック (R)ジムカーナ用強化スプリング
- ブレーキ:(R)コロナ1600GT用アルフィンドラム
- ホイール:ハヤシ・ストリート(F)13×9J -28 (R)13×10J -31
- タイヤ:ADVANフォーミュラ用レイン(F)185/50VR13 (R)200/50VR13
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