【BHオークション】ハコスカGT-Rレーシングのスペック・価値

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【BHオークション】ハコスカGT-Rレーシングのスペック・価値

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「ハコスカ(C10系)」は、1968年8月のフルモデルチェンジでデビューしています。日産との合併後初めて新規発売されたモデルとなっています。「羊の皮を被った狼」として「スカイライン神話」となった「S54B:スカイライン 2000GT-B」の後継として登場し、「GT-R」においては、レーシングエンジン直系の「S20」エンジン搭載、モータースポーツにおいては49連勝という金字塔を打ち立ました。ネーミングとしては、当時のツーリングカーのことをハコと呼んでいたことから「ハコスカ」と呼ばれるようになりました。


「スカイライン 2000 4ドア GT-R(PGC10:ハコスカ)」:スペック

  • 年式:1969年
  • 型式:PGC10
  • 全長:4,395mm
  • 全幅:1,610mm
  • 全高:1,385mm
  • ホイールベース:2,640mm
  • 車両重量:1,120kg
  • エンジン型式:S20
  • エンジン形式:直列6気筒 DOHC 24バルブ
  • 排気量:1,989cc
  • ボア × ストローク:82.0mm × 62.8mm
  • 圧縮比:9.5
  • 最高出力:160ps / 7,000rpm
  • 最大トルク:18.0kgf-m / 5,600rpm
  • 燃料供給装置:ミクニ製ソレックス N40PHHキャブレター ×3
  • トランスミッション:5MT
  • 駆動方式:FR
  • サスペンションシステム:F ストラット / R セミトレーリングアーム
  • ブレーキシステム(F/R):ディスク / ドラム
  • 最高速度:200km/h
  • 0-400m加速:16.1秒

「スカイラインHT 2000 GT-R(KPGC10:ハコスカ)」:スペック

  • 年式:1971年
  • 型式:KPGC10
  • 全長:4,330mm
  • 全幅:1,655mm
  • 全高:1,370mm
  • ホイールベース:2,570mm
  • トレッド(F/R):1,370mm / 1,365mm
  • 車両重量:1,100kg
  • エンジン型式:S20
  • エンジン形式:直列6気筒 DOHC 24バルブ
  • 排気量:1,989cc
  • ボア × ストローク:82.0mm × 62.8mm
  • 圧縮比:9.5
  • 最高出力:160ps / 7,000rpm
  • 最大トルク:18.0kgf-m / 5,600rpm
  • 燃料供給装置:ミクニ製ソレックス N40PHHキャブレター ×3
  • トランスミッション:5MT
  • 駆動方式:FR
  • サスペンションシステム:F ストラット / R セミトレーリングアーム
  • ブレーキシステム(F/R):ディスク / ドラム

「ハコスカ・レーシングGT-R(PGC10/KPGC10)のデビュー」

1968年の10月に開催された東京モーターショ ーで、レーシング・マシンである「R380」用のGR8型 エンジンをディチューンした2リッター直6 DOHCの「S20」ユニットを搭載した「スカイライ ンGTレーシング仕様」を参考出品として公開しました。そして、1969年2月にその市販バージョンである「スカイライン GT-R(PGC10型)」がデビューしています。

レースデビューは1969年5月に開催された「JAFグランプリTSレース」となっています。日産村山工場で製作された4台のワー クスマシンがレースに参戦しましたが、結果は、当初は2位というものでした。しかしその後トップでゴールした「トヨタ1600GT」の失格裁定(走路妨害)という裁定がくだされ繰り上げによる優勝という形にはなったものの、それ以降 のレースでは圧倒的なエンジンパワーでライバルを圧倒し、前述の通り連戦連勝を飾っていくことになりました。

さらに1970年にスカイラインに2ドア・ハード トップが追加されると、GT-Rも2ドアの KPGC10型へとアップグレードされます。4ドアに比べ70mm短いホイールベースと20kg軽くなった車体の効果でコーナリング性能が向上し格段に速さが増しています。同時にレース仕様もさらなる進化を遂げ、エンジンもチューニングがルーカス製機械式イン ジェクションを装着しドライサンプ化され、排気量:1,989cc 直列6気筒 DOHC 24バルブの「S20」ユニットは、最終的に最高出力264ps/8,400rpm、最大トルク21.0kg-m/6,800rpmを発生したといわれています。そして1972年1月の「富士300キロスピード レース・スーパーツーリングレース」で、「高橋国光」氏がスカイラインGT-Rの国内レース通算50勝を達成。 最終的には国内レースで57勝を飾り、現代にまで続くGT-R神話を作り上げたのでした。


「ハコスカGT-Rのレース終焉」

「最強最速のマシン」とされ、国内のレースシーンを圧倒してきた「ハコスカGT-Rレーシング」でしたが、マツダが小型軽量でハイパワーを誇るロータリーエンジンを搭載した「マツダ・サバンナRX-3」を投入すると、大柄で前面投影面積の大きなボディ、エンジン単体で200kg、車両全体で1,020kgという重量が足かせとなり、「ハコスカGT-R」は次第に苦戦を強いられるようになっていきます。

それでも1972年後半に足回りのアップデートとしてブレーキをフロント・ソリッドディスク&リヤ・ドラムから、フロント・ベンチレーテッド・ディスク&リ ヤ・ソリッドディスクへブレーキへと変更するなど細かな改良が加えられていきました。しかし、1972年10月の「富士マスターズ250キロレース・スーパーツーリング・チャンピオン・レース」をもってワー クス活動を終了することになりました。その後を引き継いだプライ ベーターたちも1973年シーズンをもってビッグレースから姿を消していったのでした。ちなみに4ドアモデルのGT-R(PGC10)は、2ドアハードトップ(KPGC10)よりも多い36勝を挙げています。総生産台数は「PGC10型:4ドアモデル」が832台、「KPGC10型:2ドアモデル」が1,197台となっています。


「ハコスカGT-Rレーシング」:スペック

今回、「BHオークション」に登場する出品車は、東京・大森にあったメーカー直系のレーシングサービス&チューナーというべき「日産プリンス・スポーツコーナー」で製作された個体です。年式は1972年の「KPGC10型:スカイラインGT-R」のレーシングモデルとなっています。

オーナーは後に佐賀県伊万里市で GTRサービスワタナベを開き“GT-Rの神様”と 慕われた「渡辺茂」氏。「スカイラインGT-R」に心酔するがあまり、会社勤めを辞め、一時は「日産プリンス・スポー ツコーナー」でメカニック修行をしていたという経歴の持ち主。

「渡辺茂」氏は、「スカイラインGT-R」のホワイトボディから、当時のレーシング・スペックに準じて仕立てられた「KPGC10」で、いくつかのレースに参戦しています。確認できる範囲ではビッグレースの出走歴はないものの、下記のレース参戦記録が残っています。

  • 1975年5月「中国九州地区選手権厚 保グランド200レース」:12位
  • 1975年8月「マスタリーシルバーカップレースNo1」:10位
  • 1976年11月「’76西日本500キロレース(南部誠司とコンビを)」:7位

特筆すべきは、この「KPGC10:スカイラインGT-Rレーシング」が新車時からずっと「渡辺茂」氏の手元に保管されてきたワンオーナーカーであることです。

もちろんレーシングカーゆえ、レースを重ねていく中で渡辺自身の 手で改良を施された部分もあるものの、そもそも当時レーシング・スペックでデリバリーされ た「KPGC10:スカイラインGT-R」の現存車がほとんど存在しない中で、これだけのオリジナリティを残し、しかもレディ toレース状態で保存されているのは驚異的ともいえます。

そうした意味でも今回「BHオークション」に登場した「KPGC10:スカイラインGT-R」は、日本の レース史、そしてスカイライン史を語る上で 貴重な存在と言えるでしょう。


「落札価格」

落札価格:2900万円

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