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サーキットレースをはじめ、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアルなど活躍した「トヨタ:パブリカ・スターレット(KP47型)」は、特に富士スピードウェイのマイナーツーリングレース(TSレース)で「日産:サニー(B110型)」、「ホンダ:シビック(SB1型)」との熾烈なバトルが印象に残る走り屋マシンです。その市販モデルの登場は、1973年(昭和48年)4月で2代目モデルの「パブリカ」のスポーティーな上級シリーズとして、「パブリカ・スターレット」の名でデビューしています。搭載エンジンは、パブリカと共通の2K型エンジンで1,000cc(KP45型)と3K型エンジンは、1,200cc(KP47型)の2種で、1,200ccはシングルキャブ(68馬力)とツインキャブ(74馬力)の2種が用意されていました。
そして、この「トヨタ:パブリカ・スターレット」は、スポーティさをウリにするため、当時人気の高かったマイナーツーリングレース(TSレース)にデビューすることになりました。市販モデルに搭載されていたOHVの3K型エンジンをベースに、ボアを4mm広げて79.0mmとし、ストロークは66.0mmのままで排気量を1166ccから1293ccにアップさせたチューニングでした。
そして、そのブロックにヤマハ発動機が専用開発した4バルブDOHCヘッドを載せた「3K-R(137Eとも呼ばれる)」エンジンで必勝を期したのでした。日本電装製のインジェクションやドライサンプ方式、そして各部にマグネシウム素材も採用していましたが、これらのパーツは、当時は50台生産すればオプション部品として公認されたのでした。また当初の最高出力は180馬力でしたが、のちに205馬力までパワーアップさせています。
このDOHCスターレットはトヨタワークスの再来といえ、73年11月の富士ビクトリー200kmレースに参戦。3位以下に20秒以上もの大差をつけて1-2フィニッシュを遂げたという記録を残しています。