あわせて読みたい記事:【フェアレディZ・S30/S31】悪魔のZのベースは初代モデル
あわせて読みたい記事:【C10型ハコスカ】スカイラインGT-R伝説を築いたヒストリー
あわせて読みたい記事:【AE86:カローラレビン】 4A-GZ改テクノスピリッツ仕様
初代モデル「フェアレディZ」のエクステリアデザインは優雅で美しいボディシルエットが描かれました。さらに「フェアレディZ」のシャシーポテンシャルは高度なもので、軽量なモノコックボディに、前後輪ともストラット式サスペンションによる四輪独立懸架を備え、市場で先行する「ジャガー・Eタイプ」や「ポルシェ・911」などと競えるほどに仕上げられました。「フェアレディZ」に搭載されたL型直列6気筒エンジンは、SOHC動弁機構を備えた2000ccクラスの最新式ではあったものの、素性は鋳鉄シリンダーブロックにターンフロー燃焼室を組み合わせた手堅い実用型エンジンでした。またアメリカ仕様は2.400ccへの排気量拡大でトルクを太らせたL24型エンジン採用でパワー対策していました。
日産の「SR20型」エンジンは、ボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。そして「SR20VE型」エンジンは、可変バルブタイミングシステムが搭載されたモデルで、「SR20DE型」では高回転を常用するとロッカーアームが破損するというトラブルの不安があったものを軸固定としたローラーロッカーアームの採用することで問題を解決したエンジンです。エンジンモデルとしては自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種としては、1996/01から発売された10代目モデルの「ブルーバード (HU14型|1998/09)」、最も新しい車種は2001/01から発売された3代目モデルの「プリメーラ (HP12型|2001/08)」となっています。そして「プリメーラ」の「SR20VE」は、直列4気筒、排気量1,998cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7,200回転のとき最高出力204馬力を、7200回転のとき最大トルク21.0kgmを発生させます。
今回のカスタムマシンとして登場する「S30型:フェアレディZ・SR20VE搭載仕様」のS30Zに換装されたエンジンは、SR系エンジンの最終進化系といえる「SR20VE」エンジンです。「NEO VVL」と「日産」が命名した高回転・高出力型の可変バルタイ&リフト機構を搭載し、リッターあたり100psオーバーとなる204psを発生しているパワーユニットです。このカスタムマシンの場合、オーバーホールをかねてヘッド周辺までファインチューンを施したことで、さらにスペックが向上していると推測されています。実際、暫定セッティングの段階にも関わらず、4500rpmでハイカムに切り替わる設定でレブリミットの8000rpmまでイッキに吹け上がるということです。
しかし、「S30Z」といえば、L型エンジン搭載車であり定番と言えば、排気量2,800ccの「L28型」エンジンの換装&チューンです。排気量から考えると、排気量2.0Lの「SR20VE」型エンジンではスペックダウンになりそうですが、その性能は「L28型」の吸排気チューンより遥かに上のポテンシャルを発揮するということです。また、重量が重たい6気筒のL型エンジンを降ろして、アルミシリンダーの4気筒エンジンへと換装したことによる軽量化や、重量バランスの改善も車両の特性改善に大きく貢献しているということです。
実際にパワーユニットの搭載としてエンジンの重心は車軸の内側に収まるフロントミッド化を実現させています。重量配分もフロント530kg/リヤ540Kgと、ほぼ50:50の理想的な状態に仕上げられています。
「SR20VE型」エンジンには「日産:エクストレイル」に搭載されるターボモデル「SR20VET型」もあるが、このマシンはあえてNAを選択しています。これは、パワーよりもフィーリングを追求したハンドリング仕様のほうが普段から楽しく乗れるという理由です。制御システムは最新のF-CON Vプロが装着されています。
搭載される「SR20VE型」エンジンは、「プリメーラ」よりスワップされています。インテークはトルク向上のためにロング化して途中にチャンバーを設置しています。エキマニは「S15型:シルビア・オーテックバージョン」のものを加工して装着しているということです。
もともとデスビ式だったがピックアップを移植してダイレクトイグニッション化しています。
オイルクーラーは装着していないものの、フィルターを走行風のあたる位置に移設し冷却効果を得られるようにしているということです。
トランスミッションは、「S14型:シルビア」用の「FS5W71C」タイプを流用しています。FF用の「SR型」エンジンにはFR用ミッションハウジング搭載用のボスがなく、アルミブロックを加工して装着したということです。FF用をFRとして搭載するにあたり、オイルパンはアルミの削り出しで製作しています。
マフラーはワンオフのチタン製で超軽量で排気量にあわせてメインパイプは70φとしています。触媒もしっかりと装備し、構造変更も受けた合法仕様です。
赤いカーペットは、オーナー自らが製作したものです。ウッドを取り入れたステアリングと合わせています。
純正のセンターコンソールはあえて装着せず、ステンレスのパネルを製作しています。
フロアは補修と補強をかねて、ファイバーマットを敷き樹脂で硬められています。
ホイールはレイズのTE37Vを装着しています。車高調製システムは、純正ストラットを加工して製作したものの、その際“車高が下げすぎずに性能を高める”ということを意識して製作されているということです。