あわせて読みたい記事:【スターレット ワークス】KP47トムス137E搭載:スペック
あわせて読みたい記事:【B110型:サニー】 TOMEIレーシングTS仕様のスペック
あわせて読みたい記事:【DR30 スカイラインRS】 RESTOREDのカーボン仕様
ラリー好きであった「久保地理介」氏(後のトヨタ副社長)が「セリカの2T-Gエンジンをカローラに積みたい」と言ったことから開発がスタートしたというTE27型の初代レビン/トレノのヒストリー。
1970年に登場した2代目のカローラとその双子車のスプリンターのクーペモデルに、1972年に追加されたモデルが、「TE27」の型式名で呼ばれる「カローラ レビン/スプリンター トレノ」として1972年3月にデビューしました。「レビン/トレノ」は、カローラクーペの「SL」や「SR」よりスポーティな「ホットモデル」として登場しており、当時としては、エクステリアも大きく変更していました。
「FRP製オーバーフェンダー(生産時期によっては金属製のものもある)」が装着され競技参戦できるっ仕様となっています。しかも、エンジンは上位モデルではあるものの成り立ちはカローラ派生の、セリカ1600GTから移植された2T-G型エンジンが搭載されていました。このエンジンは、排気量:1,600cc DOHCにソレックス製のエンジンが搭載された。レギュラーガソリン仕様の「2T-GR型 (最高出力:110ps)」 と有鉛ハイオクガソリン仕様の「2T-G型(最高出力:115ps:グロス値)」が設定されていました。
さらに、1973年4月のマイナーチェンジの際に追加された「レビンJ」には、ツインキャブの「2T-B型:排気量:1,600cc OHVエンジン(最高出力:105ps:グロス値)」、そのレギュラーガソリン仕様にあたる「2T-BR型:1,600cc OHVエンジン(最高出力:100ps:グロス値)」がそれぞれ搭載されていました。「J」は「ジュニア」の頭文字で、アルファロメオ・ジュリアなどにならったものでしたが、この追加モデルは、スプリンタートレノにも同様のモデルが設定されました。
このようなコンポーネントから「和製フォード・エスコートRS1600」などとも呼ばれていましたが、そのポテンシャルは高く、本家と同様にレースやラリーなどモータースポーツでも活躍することになりました。実際にWRCにはトヨタのワークスラリー活動を統括し、後のトヨタF1の初代代表も務めた故「オベ・アンダーソン」氏が率いる「トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)」から参戦していました。
1974年後半からは、ハイスペックエンジンの16バルブの特製ヘッドを持つ2T-G型エンジンを搭載し、翌75年の1000湖ラリー(現ラリー・フィンランド)で優勝を飾りました。実はこれより前には、1973年のプレス・オン・リガードレス・ラリー(アメリカ)において、トヨタは「カローラ クーペ1600SR(TE25)」でWRC初優勝を飾っていました。だが、これはヨーロッパのチームが参加しない、地元アメリカ勢だけが相手の勝利だったのに対し、1000湖ラリーでの「レビン」はフォードとサーブのワークスを抑えての優勝という素晴らしい結果を残したのでした。