【トヨタ:2T-G型エンジン】チューニングベース用の名機の軌跡

【トヨタ:2T-G型エンジン】チューニングベース用の名機の軌跡

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「トヨタ:2T-G型」:概要

1970年に登場したトヨタの2T-G型エンジン。ルーツを辿ると、“パッションエンジン”と呼ばれたT型エンジン(1.4リッター直列4気筒OHV)から始まっている。その「T型」エンジンをベースに200ccボアアップしたのが、初代カリーナ(TA12)などに搭載された「2T型」エンジンでした。トヨタでは「2Tユニット」をベースに、ヤマハのオールアルミ製DOHCシリンダーヘッドを組み合わせてツインカム(1シリンダー=2バルブ)化したエンジンというのが、「2T-G型」エンジンなのです。ボア×ストロークは85.0mm×70.0mmとツインカムらしく、高回転高出力型のエンジン。圧縮比は9.8でソレックス40ΦPHH型のツインキャブレター(トヨタ純正部品=ミクニ製)を装着。最高出力は115馬力/6400回転、最大トルクは14.5kg・m/5200回転で発揮するスペックでした。


「デビューはTA22型セリカ搭載」

まずは1970年に登場した初代セリカ1600GT(TA22)に搭載されました。「2T-G型」エンジンを搭載したセリカは、最高速190km/h、ゼロヨン16秒5というパフォーマンスを発揮しており、スペシャリティカーとして人気となりました。その性能でも十分速いが、カローラをベースにスポーティーモデルに仕上げた初代モデルの「レビン・トレノ(TE27)」にも搭載しています。レビンの車重は855kg(セリカは940kg)しかないので、もう2リッタークラスも十分カモれる俊足ぶりに仕上げられていました。それだけでは名機とはいえないかもしれないが、トヨタは「2T-G型」エンジンを初代モデルの「カリーナ(TA12)」、2代目の「レビン・トレノ(TE47)」、排ガス規制対策でEFI化された「2T-GEU型」エンジンは3代目の「レビン・トレノ(TE71)」、「カローラGT」などにも搭載し、1983年にその後継エンジンの「4A-G型」エンジンにバトンタッチするまで、30万基を生産していました。高性能なスペシャルエンジンだったツインカムを普及させた功績は大きいといわれます。


「チューニングベースとしての2T-G」

「2T-G」は、頑丈なブロックを採用していたこともあり、ボアアップ(1750cc=イナゴマル)は定番のチューニングメニュー。HKS、トラスト、TRDなどから、豊富にチューニングパーツが出ていて、とくに2T-G型エンジン+ボルトオンターボは圧巻だったということです。今ではツインカム+ターボなんて当たり前かもしれませんが、そのパフォーマンスの高さを最初に広めたのは、2T-Gのターボチューンだったともいわれています。レースの世界でも「2T-G型」エンジンは多用されており、伝説のF1ドライバーである故「アイルトン・セナ」がF3時代にマカオGPで優勝したときのエンジンも「2T-G」でした。イタリアのノバ社が、F3用エンジンとしてチューニングした2リッター仕様の2T-G型が高性能で、当時、世界各国の多くのF3マシンがこのエンジンを搭載していました。また童夢が設計、トムスが製作した「トムス童夢セリカC」(日本初のグループCマシン)の心臓も、2T-G改2リッターターボ(400馬力オーバー)。ラリーでも立ちあがったばかりのチーム・トヨタ・ヨーロッパ(TTE)が、2T-G型を積んだセリカ、TE27型レビン・トレノで参戦しライバルたちと戦いました。

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