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名車の中でも「TSレース(マイナーツーリング)」で活躍したマシンとして外すことのできないマシンが、「KB110型:サニー」です。この個体は1998年、オートサロン出展において「TOMEI」社の30周年の企画として「B110東名サニー」を復刻製作したものです。 その後も企画時に協力を頂いた車両オーナーである「自動車工房ヒロタ」社の元、 「TOMEI」社がエンジンメンテナンスをサポートという体制で現在もJCCA主催のF レースに参戦しているマシンなのです。
ちなみに「B110型・東名サニー」のヒストリーとしては、「B110型:サニー」が発売されて間もなく、「日産自動車」からは何一つパーツがリリースされていなかった頃に、「鈴木誠一」氏が運営する「東名自動車(現:東名パワード)」が独自のノウハウで「A12型:直列4気筒OHV」エンジンと車体をチューンし、マルゼンテクニカ東名サニーを完成させたことに始まります。
1970年11月に開催されたストックカー富士200マイルレースでのデビュー戦では、圧倒的優勢と見られたワークスカローラ勢を「鈴木誠一」氏のドライビングで一瞬で抜き去り華麗なる優勝を果たしたことは伝説となっています。この当時にしてプライベートチームが大企業の巨大ワークスチームを打ち破るという事は前例の無い快挙であり、全国のプライベーター達に大きな希望を与えたのでした。「日産自動車」もこの快挙により「サニー」用レーシングパーツを積極的にリリースし、それと合わせて「TSレース(マイナーツーリング)」は「B110型:サニー」一色になるほどの人気になったのでした。
後に「TSレース」には、「B110型:サニー」のライバルとして、圧倒的エンジンパワーで上回るが車体が重いDOHCエンジンの「トヨタ・スターレット(KP47)」と、低~中速域の加速が鋭く車体も軽いが空力的に不利でコントロールが難しい「ホンダ・シビック」が登場して、これら個性的な役者が人気を牽引していくことになりました。前座レースであるはずの「TSレース」は本レースを食う程の人気となったのでした。
この「TSレース」と「B110型:サニー」は多くのドライバーとチューナーを育て、日本のレース界に多大なる影響を与えることとなっていきました。そして、現代にリメイクされた「TOMEI × HIROTA 東名サニー」は、現役のレーシングマシンとして現在活躍しています。