【ル・マン】ポルシェ911RSRのGT出走は伝説のカラーを復刻
あわせて読みたい記事:【ニスモ GT-R LM】ルマン公認のため唯一製作されたR33
あわせて読みたい記事:【シュパン・ポルシェ962CR】悲運な生産6台のスペックと価格
あわせて読みたい記事:【BMW・M1 PROCAR】 グループ5仕様のスペックと軌跡
モータースポーツ界において常にトップチームとして活躍する「ポルシェ」社は「ポルシェ・919ハイブリッド」にて戦っていたル・マン24時間耐久レースのトップカテゴリー、「LMP1」からの撤退を表明しましたが、2018年はまだその下位の「GT」クラスに出場するようで、その参戦車両となる、「ポルシェ・911RSR」を公開しました。一台は1971年に走行した「ポルシェ・917/20」の「ピンク・ピッグ」と呼ばれるモデルで、もう一台は「ポルシェ・956」や「ポルシェ・962」、「ポルシェ・956」に採用されたロスマンズ・カラーとなっており、いずれも「ポルシェ」社のレーシングヒストリーを代表するカラーリングということで注目されそうです。やはりロスマンズカラーというと思い出すのは「ポルシェ・962」ですが、パリ・ダカール・ラリーを走った「ポルシェ・959」も有名なので思い起こす方も多いでしょう。その際には「サポートカー」として「ポルシェ」社がチューンした「メルセデス・ベンツGクラス(ロスマンズカラー)」も同行したことも知られています。
なお、現行の「ポルシェ・911RSR」はリアエンジンではなく「ミドシップ」となっています。これによって車体後半の設計自由度が増したとされており(もちろん運動性能も向上)、とくにリアディフューザー大型化によるダウンフォース向上が大きい、とされています(リアエンジンだとこのサイズのディフューザーはエンジンと干渉して取り付けできない)。
そして、下記は伝説のグループCカーの「ポルシェ・956C」です。カラーリングの「ロスマンズ」というのは、「タバコ」「ビール」の製造を行っていたメーカー(イギリス)で、1999年に「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」に併合されたことで消滅しています。※そのためか、今回の「ポルシェ・911RSR」にはロスマンズ(Rothmans)のロゴが入っていないようです。
「ポルシェ・911RSR(ピンク・ピッグ)」
そして、もう一台のマシン、「ポルシェ・917/20」同様のカラーリングが施された「ピンク・ピッグ」カラーを身にまとう「ポルシェ・911RSR」です。
1971年以降、このカラーで「ポルシェ」社がレーシングカーを走らせたことは無いかもしれません。当時の「シェル」だったスポンサーは「エッソ」「モービル1」へと変更されています。
そしてこちらが1971年のル・マン24時間耐久レースに参戦した「ポルシェ・917/20(ピンクピッグ)」モデルです。
実に「ポルシェ・917」というとル・マン24時間耐久レースで大活躍したレーシングカーというイメージがあり、その多くは「ガルフ」やマルティニ」というスポンサーのカラーやロゴを身にまとっています。では、なぜこの「ピンクピッグ」は、そういったスポンサーカラーではないのかということになりますが、これにはストーリーがあるようです。この「ポルシェ・917/20」は「917」と名がつくものの、それまでの「ポルシェ・917」とは異なって「丸っこい」ボディを持っており、いかにも鈍重そうなこのクルマを見たときにスポンサーの「マルティニ」が「この豚みたいなクルマにはマルティニカラーやロゴを用いることはまかりならぬ」と「ポルシェ」社に通達し、例によって皮肉屋の「ポルシェ」社は「ポルシェ・917/20」に「豚」と誰が見てもわかるカラーリングを施してしまったというのが事の真相だとされています。
この記事へのコメントはありません。