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【S30フェアレディZ】KBCスーパーチャージャー仕様スペック
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世界的な日本の国産名車として知られる「ダットサン(日産):フェアレディZ」は、1969年に先代モデルとなるオープンボディの「ダットサン:フェアレディ(SR311/SP310)」の後継モデルとしてデビューしました。デビューに至るまでの開発は、1960年代当時、アメリカ日産の社長であった「片山豊」氏でした。「ダットサン・フェアレディ(SR311)」でモータースポーツでは成功を収めていたものの、市場では年々厳しくなる北米の安全基準に適合できなくなると考え開発がスタートしました。自身はインタビューで「ジャガー・Eタイプのような車を造ってくれ」と要望を出したと述べており、初代モデル「フェアレディZ」のエクステリアデザインは優雅で美しいボディシルエットが描かれました。さらに「フェアレディZ」のシャシーポテンシャルは高度なもので、軽量なモノコックボディに、前後輪ともストラット式サスペンションによる四輪独立懸架を備え、市場で先行する「ジャガー・Eタイプ」や「ポルシェ・911」などと競えるほどに仕上げられました。
「ダットサン(日産):フェアレディZ(S30)」:スペック
- 年式:1972年モデル
- 型式:HS30H型
- 全長 × 全幅 × 全高:4,305mm × 1,690mm × 1,285mm
- ホイールベース:2,305mm
- トレッド(F/R):1,355mm / 1,345mm
- 車両重量:1,010kg
- エンジン型式:L24(240Z/240ZG) / L20(Z/Z-L) / S20(Z432)
- エンジン形式:直列6気筒 SOHC SUツインキャブ / 直列6気筒 DOHC ソレックス製3連キャブ(Z432)
- 排気量:2,393cc(L24)/ 1,998cc(L20) / 1,989cc(S20)
- ボア×ストローク:87.0mm×73.7mm(L24)/ 78.0mm×69.7mm(L20)/ 82.0mm×62.8mm(S20)
- 圧縮比:8.8(L24)/ 9.5(L20/S20)
- 最高出力:150PS / 5,600rpm (L24)130PS / 6.000rpm(L20) / 160PS / 7,000rpm(S20)
- 最大トルク:21.0kgm / 4,800rpm(L24)17.5kgm / 4.400rpm(L20) / 18.0kgm / 5.600rpm(S20)
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:5MT
- サスペンション(F/R):マクファーソンストラット / マクファーソンストラット
- ブレーキ(F/R):ディスク / LTドラム
- タイヤ(F/R):175HR14
- 最高速度:210km/h
- 0-400km/h加速:15.8秒
- 0-100km/h加速:8.5秒
「S31型:フェアレディZ スーパーチャージャー仕様」:スペック
今回のカスタムマシンとして登場するモデルは、1976年モデルの「S31型:フェアレディZ」です。1976年のマイナーチェンジ以降のモデルは、当時まだ制御技術が確立されていなかったとも言える稚拙なインジェクションと、やはり性能が低く排気抵抗の塊であったペレット式触媒によって、スポーツカーとして出力やレスポンスの低下など最悪の進化を辿った経緯はあります。それでもオーナーやマニアの間では、「サンマル/サンイチ」と区別されることも多いものの、広い意味では1976年から1978年までの「S31型」もサンマルの愛称で親しまれており、装備の高級化など時代に合わせたアップデートも行われ、時間が経った現在となっては、ボディの良さで選ぶなら各部が強化され改良された最終型がベストと言うマニアもいる状況です。
インジェクション仕様である「S31型:フェアレディZ」というものの、多くのユーザーはL28改のチューニングエンジンに換装してしまうため、チューニング前提であれば機関系のポテンシャルに関して大きな問題はありません。そのような「S30Z/S31Z」事情であるものの、この車両のオーナーの場合はちょっと考え方が違い「この車両に搭載されているエンジンをそのまま活かす」ということに拘ってチューニング計画を熟考、そして出した答えは、HKS製のGTスーパーチャージャーをボルトオンすることでした。そして、従来のチューニング手法にはまったく拘らないというオーナーが、このプランを実現すべく持ち込んだのがワンオフでのスーパーチャージャー装着の実績を多数持つ、茨城県のチューニングショップ「KBC」でした。
チューニングを施す「KBC」社では、まずはエンジンの基本パーツはそのままに制御系をアップデートしています。制御系パーツを「RB」エンジンから総移植し、F-CON Vプロ用にハーネスを製作したことや、広そうでいて余裕のないエンジンルームにブラケットを装着し、スーパーチャージャーや補機類、配管のレイアウトをまとめ上げることなど製作は苦労の連続だったということです。
また、現時点でエンジンを開けることはせずにスーパーチャージャーを装着したいというオーナーの希望に対し、どこまでエンジンが負担に耐えられるか? という回答のない課題を抱えたまま気を使いながらセッティングを行っています。こうして完成したスーパーチャージャー仕様は、エンジン強度を考慮して低ブースト設定ではあるものの、高速道路での移動も楽しめるパワーを持った高完成度のチューンドZに仕上げられています。製作したショップ側としては、スーパーチャージャーの性能をフル発揮させるハイブースト仕様へのステップアップを願っているが、オーナー的には十分オーダーに沿った内容に仕上げてもらえたという満足感を持っているそうです。
オリジナルのL20型エンジンのサージタンクやスロットルなど基本構成パーツはノーマルのままスーパーチャージャーがボルトオン装着されています。
ブラケットやプーリーなどは「KBC」社により製作されたワンオフパーツとなっています。スーパーチャージャー本体はHKS製のGTS8550が装着されています。
システム制御はHKS製のF-CON Vプロによるもので、「RB26」のクランク角センサーや点火パーツ、スロットルポジションセンサー、アイドルコントロールバルブなどを使用。
マフラーは「S30/S31型:フェアレディZ」といえば、縦デュアルマフラーが装着されています。エキマニ後に触媒を装着し、車検にもしっかり対応しているということです。
皮巻きにリビルトされたグラントのステアリングには旧車らしさも感じるものの、実は電動パワーステアリングを装備、車庫入れもスマートにこなせる仕様です。
ヘッドライトはHID化されています。輸出用のクリアウインカーにはLED球がセットされ目元もシャープに引き締められています。
サスペンションシステムはスターロード製の全長調整式車高調を装着しています。ストリート用としても乗り心地がよいサスペンションシステムとなっています。
ホイールはボルクレーシングTE37Vの17インチをチョイス。軽量高剛性の鍛造ホイールは今時の旧車メイクに向けて開発されたものであり、タイヤサイズは225/50-17を履かせています。
コブラ製のシートは現行の一般的なバケットシートより作りが小さく、室内がタイトなS30系フェアレディZでもドアへの干渉なく装備ができ着座感もいいシートです。3連メーターはオートメーター製のカーボンフェイスに置き換えられています。
サイドミラーは1969年のカマロタイプ。ルームミラーはムーンアイズのデイ&ナイトクロームミラーとなっています。北米輸出仕様のグリルやウインカー、グラントのステアリングと相まって嫌みのない程度のアメリカンテイストに外観は仕上げられています。
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