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ロータリーエンジン搭載の「マツダ」の名車「RX-7」は、1978年に発表され初代:「マツダ・サバンナRX-7(SA22C型)」としてデビューしました。実は、この初代モデルは「マツダ SA22C サバンナ RX-7 Evo Group.B」として1981年から「WRC(世界ラリー選手権)」に参戦していました。そして、1984年には、WRCトップカテゴリであるグループBに参戦するために「12A型ロータリーエンジン」から「13B型ロータリーエンジン」に変更して参戦しました。
ちなみにヨーロッパへの輸出仕様のSA22C型には、国内仕様の12A型ではなく、13B型のロータリーエンジンが塔載されたモデルが存在していました。そして、この輸出仕様の13B型エンジンをベースにチューニングを施し、ポテンシャルは最高出力:300psオーバーを発揮したとされています。
当時のグループBでのライバルモデルとなっていたのは、「アウディ スポーツクワトロ」、「ランチア ラリー037」、「プジョー 205T16」、日本車では「日産 240RS(S110型:シルビアのFJ24エンジン搭載モデル)」、そして「トヨタ・セリカターボ(TA60系)」などでした。どのライバルモデルも高出力であったり、4WDシステムなどの戦闘力の高いモデルが矢継ぎ早に投入される時代でした。
「マツダ SA22C サバンナ RX-7 Evo Group.B」は、FRにNAロータリーエンジン搭載というパワー不足をハンドリングで補うも苦戦を強いられることとなりました。そのために、1985年のアクロポリスラリーで3位と6位に入賞するのみにとどまっています。初代モデルの「RX-7(SA22C型)」のWRCは、その後、撤退しています。
グループB終了後、この個体は、製作されなかったグループBラリー仕様モデルの部品とともに長らくMRTEの倉庫に保存されたあと、1990年代前半にスイスの「マツダ・インポーター」に譲渡され、最終的に現在のオーナーであるコレクターの手に渡ったというヒストリーがあります。
現オーナーは6カ月かけてレストアを行い、生産当時のコンディションを取り戻したということです。「マツダ SA22C サバンナ RX-7 Evo Group.B」の「シャシーナンバーMRTE 019」の個体は、1985年に製造されたものです。
車体ナンバーの「MRTE」というのは、「マツダ・ラリーチーム・ヨーロッパ」の略となっており、当時ベルギーに拠点を置いて活動していたようです。
グループB参戦当初、マツダ・ラリーチーム・ヨーロッパでは、20台ぶんのシャシーやパーツを用意していたのですが、完成されたボディは7台のみで、しかも、6台は実戦に投入され、このシャシーナンバー「MRTE 019」のみ実戦に使われず大切に保管されてきました。ちなみに現存するグループBカーのなかで、唯一WRCで走行しなかったモデルでもあるようです。
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