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日本においても今や「名車」として扱われている「ホンダ・インテグラ タイプR」シリーズ。FFモデルとしては「シビック・タイプR」シリーズと共に公道最強モデルというイメージがあり、中古車としても人気です。実は、この現象は日本国内だけでなくアメリカでも同様のようです。しかも、ネオクラシックと呼ばれている1990年代以降の日本車は、値上がりが激しいというのです。この事情には、ある大人気映画が影響していると考えられているようです。それは映画「ワイルド・スピード」です。この映画の影響というのは、アメリカの子供たちが日本車が多く登場する「ワイルド・スピード」の初期作品を見て育った結果、成長して大人になって、車の免許を取り、自分の車のためのお金を持った現在、記憶に残っている、そして影響を受けたために日本車を購入しているのがその理由だといわれています。
そして、今回「バレット・ジャクソン」開催のオークションにおいて、「DC2型」の「アキュラ(ホンダ)」の「インテグラ・タイプR」が登場していました。年式は1997、そして1997年にアメリカへと輸入された「インテグラ・タイプR」の合計320台のうち37番目に若い車台番号を持っています。ボディカラーは定番の「チャンピオンシップホワイト」で、走行距離はわずか1916kmとなっています。通常価格は、走行距離数や程度によるものですが、それにしても「インテグラ・タイプR」が驚くことに「約727万円(63,800ドル)」で落札されたいうことで話題となっているようです。
この「インテグラ・タイプR」については、「インテグラ」シリーズとしては「3代目モデル」に相当する個体です。振り返ってみると3代目モデルの「インテグラ」のエクステリアは、初代モデル~二代目モデルにおいて特徴となっていたリトラクタブルヘッドライトを採用するのではなく、丸目4灯ヘッドライトを採用したモデルとなっています。ちなみに日本国内仕様では、「インテグラ・タイプR」の丸目4灯は販売されていません。そして、1995年に「インテグラ」は、マイナーチェンジを受けて丸目4灯を廃止し、横長ヘッドライトを採用することになります。しかし、輸出仕様の「インテグラ」では3代目のモデルライフ通じ、「丸目4灯」を採用しており、横長ヘッドライトの「インテグラ」が販売されていません。日本国内では、「丸目4灯」は人気がなかったように思いますが、アメリカでは「丸目4灯」仕様の人気が高かったのかもしれません。
国内仕様のエンジンやエクステリア、インテグラの変更点として、まず搭載されたエンジンは、B18C Spec-R 直4 1.8L DOHC VTECで、ベースモデルの「Si-VTEC」のものに対して、ピストン、カムシャフト、インテークマニホールド/エキゾーストマニホールド、ECUなどの変更により最高出力を200PS/8,000rpmとして20PSの向上を実現しています。しかも、初期型はエンジンのポート研磨を手作業で行っていたというから凄い。またカムカバーには赤の結晶塗装がなされているのが特徴です。トランスミッションは、エンジンの高回転化に合わせて2−5速がローレシオ化されクロスレシオとなった5速MTで、トラクション性能の向上のためヘリカルLSDが装着されていました。エクステリアは、タイプRの専用車体色であるチャンピオンシップホワイトのほか、軽量アルミホイール、フロントのリップスポイラーおよびリアの大型スポイラーを標準装備し、インテリアでは、モモ社製 360mm径ステアリング、チタン削り出しシフトノブ、フルスケール10,000rpmのタコメーターを備えたイエロー指針のメータ群(NSXタイプRと近似)およびレカロ社製バケットシートが採用されていました。まさに、走りに徹したモデルだったのです。*写真はオークションで落札された輸出モデル
「DC2型」世代の「インテグラ・タイプR」は、1995年登場なので、2020年になればアメリカの「25年ルール」対象となり、そうなるとおそらく日本の在庫が海外に流出される可能性が高いようです。25年ルールというのは、「アメリカで新車時に販売されなかったクルマは、その後25年アメリカに輸入できない」というもので、日本仕様のインテグラ・タイプRが「ハンドル方向違い」等で形式がアメリカにて販売されていたものと異なり、このルールに縛られているのであれば、1995年以降は自由にアメリカへと輸入できる、ということになるわけです。そう考えると「DC2型」の「インテグラ・タイプR」の程度の良い個体は、手に入りづらくなっていくことでしょう。