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1992年に「ホンダ:CR-X」は第3世代へとフルモデルチェンジをした際にコンセプトを大きく方向転換し、メタルトップを持つオープン2シーターへと大幅なエクステリアデザインの変更となりました。車名にもスペイン語で「太陽の」という意味の「デルソル」がプラスされ「ホンダ:CR-X デルソル」として登場したのです。メタルトップは手動で取り外す仕様のほか、電動で開閉できるトランストップ仕様も用意されており、そちらは約45秒でオープンエアモータリングが楽しめる設計となっていました。
ピラー部分は残るものの、リヤウインドウも開閉できるため、見た目以上の解放感を満喫することが可能でした。ちなみに手動で脱着するタイプのルーフは取り扱いの容易さを考え、アルミルーフを採用しており(トランストップ仕様はスチール)このあたりに「ホンダ」らしさが表われています。エンジンラインアップはSOHCのベーシックなエンジンのほか、先代モデルに引き続き「B16A型:DOHC VTECエンジン」も用意されており、パワフルで高回転まで回るVTECエンジンとオープンエアモータリングを同時に楽しめる稀有な存在として、現在では中古車市場で価格が高騰中です。
今回、カスタムマシンとして登場するのはドラッグチューニングで有名な「ブラックライン」社で製作された「ホンダ:CR-X デルソル」は、まさにNAの最高峰フルチューンと呼べる仕様なのです。パワーユニットとしてチョイスされたエンジンは、「S-MX」などに搭載される「B20B」エンジンの腰下を使い、純正流用のピストンで排気量を2.1Lと大幅に拡大しています。そこにB型エンジン最高峰のDC2用「B18C」のヘッドを組み合わせ、さらに45φの4連スロットルを装備しているのです。排気系もトータルで見直すことで最高出力は、約230psを発揮しているということです。ちなみに、装着されているスロットルは「ブラックライン」社で設計し、アルミからボディを削り出してリンケージまでカスタムメイドされたワンオフなのです。
またレスポンスを徹底追求し、ダイレクトイグニッション化やF-CON Vプロによる制御システムを採用しています。これによって、アクセルワークに対してエンジンはレブリミットに設定した8400rpmまで吹け上がるレスポンスを実現しているということです。足回りは「インテグラタイプR」の5穴ハブやブレーキまわりを移植しています。これには理由もあり「BBS RG-R」が履きたいこともあって「インテグラタイプR」の5穴ハブやブレーキまわりも移植されたとのことです。サスペンションはアラゴスタの車高調を軸に組み立てられているということです。マフラーはNAとしては太めのメイン80φをワンオフ製作。触媒は残され合法で高性能な排気系となっています。
シートはレカロSR3ミレニアムをツインで装備し、インテリアデザインは質感の高いレーシー&ドレッシーな空間に仕上がっています。
■スペック
B20B改2.1L仕様/B18Cヘッド/オリジナル45φ4連スロットル/流用ダイレクトイグニッション/HKS F-CON Vプロ/バキュームタンク新設/80φワンオフマフラー/コーヨーアルミ3層ラジエター/インテグラR足回り流用/MCデザインエアロキット/DC2用リヤスポイラー/レカロSR3ミレニアム/追加メーター用カスタムステー(ミラーマウント)/AT改MT 他