【1980年代~1990年代】過熱した1,6Lエンジンヒストリー

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【1980年代~1990年代】過熱した1,6Lエンジンヒストリー

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「日産:フェアレディZ」、「日産:スカイライン」、「トヨタ:スープラ」、「三菱:GTO」、「ホンダ:NSX」など大排気量のマシンたちは、1989年の280ps自主馬力規制によって国内においてリミッター装着を余儀なくされていました。最終的には2リッタークラスまでがその上限に到達していましたが、その下の1.6リッター(以下テンロク)クラスは、1997年まで激しい馬力合戦が続いたというヒストリーがあります。テンロククラスの馬力競争は1984年にホンダがシビック/バラードスポーツCR-Xに1.6リットル直4DOHCのZC型エンジンを搭載したことが発端でした。

それまでこのクラスのツインカムエンジンといえばトヨタしかなかったからです。長年続いた2T−GEU型に変わり、1983年に登場した「カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)」に搭載された新生代の4A-GEU(以下4A-G)型エンジンは、1気筒当たり4バルブとなりグロス(エンジン単体測定)130馬力/15.2kg-mを発揮し、同クラスのライバルを一気に引き離したのでした。

それターゲットとして翌年登場したのが、ホンダのZC型エンジンでした。S800以来14年振りに復活したDOHC16バルブエンジンは4A-Gを上まわるグロス135馬力/15.5kg-mで王者トヨタの度肝を抜きました。これを皮切りに他社もターボ路線からツインカム路線に舵を切り直し、トヨタvsホンダを軸として過激なパワー競争が繰り広げられることになったのです。

まず1985年にはマツダの6代目ファミリアが日本初のフルタイム4WDにB6型ツインカムエンジンにターボをドッキング。ネット(車体搭載時に測定)140馬力/19.0kg−mと一歩抜きん出るが、1986年にモデルチェンジしたレビン/トレノは、4A-Gにスーパーチャージャーを搭載した4A-GZを追加。145馬力/19.0kg−mと再び王者に返り咲いた。一方ホンダは1987年にシビック/CR-Xもモデルチェンジ。ZC型エンジンはネット130馬力/14.7kg-mまで向上させたが、過給器付きにはかなわず後塵を拝す。

この争いに割り込んだのが三菱ミラージュです。3代目のモデルチェンジンと同時に登場した4G61型エンジンはNAこそ125p馬力/14.7kg−mであったが、同ターボは145馬力/21kg−mとパワーで4A-GZに並び、トルクではトップに立つスペックでした。

NAエンジンでは1988年にいすゞの2代目ジェミニが新開発の4XE1型で135馬力/14.3kg-mを絞り出し、 ZCを上まわるなど、5メーカーを交えた大戦争となったのです。

その争いに終止符を打つべく、ホンダが投入したのが2代目インテグラでした。初の可変バルブタイミング機構「VTEC」を搭載するB16A型は、なんとNAでリッター100psを超える160馬力/15.5kg-mと一気に15psもライバルを引き離したのです。

これを見たトヨタは「打倒!VTEC」とし4A-GZのスーパーチャージャーのプーリー拡大で165馬力/21.0kg-mと再びホンダを上まわるスペックを誇りました。

1990年には3代目にチェンジしたジェミニが満を持して投入したツインカムターボはなんと180馬力/21.2kg-mというスペックでした。

ここで最高出力争いに一旦は終止符が打たれましたが、今度はNAによる馬力競争が過熱化していきます。1991年5月にレビン/トレノが4A-Gを5バルブ化し、160馬力/16.5kg−mに進化すれば、同年9月ホンダが5代目シビックで170馬力/16.0kg-mと突き放すエンジンへと進化します。翌年にはミラージュが可変バルブタイミング機構のMIVECを投入した新開発の4G92型で175馬力/17.0kg−mと、もはや技術力だけでなく、執念さえ感じた争いでした。そして、1997年8月、7年間止まっていたテンロク最高出力争いを更新したのはホンダでした。SiRのB16A型を進化させたB16B型はNAながら185馬力/16.3kg−m。ついにジェミニを抜きトップに返り咲くが、わずか1カ月後、それを抜き去ったのが日産のパルサーに搭載されたSR16VE型ツインカムでした。

標準モデルは175馬力/16.5kg-mであったが、オーテック・ジャパンでチューニングされた限定のN1モデル(馬力があり過ぎて運輸省の認可降りなかったので限定になったとか)はなんと200馬力/18.5kg-mという数値でした。

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