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ロングノーズ・ショートデッキというZの伝統的なコンセプトを引き継ぎながら、空力性能を重視して、エクステリアをシェイプアップした3代目モデルとして「Z31型」が1983年9月に登場。開発当初からヨーロッパ製の名門スポーツカーを凌ぐ、ハイパフォーマンスの追求を目標に掲げ、エンジンは直列6気筒のL型から新世代V型6気筒エンジンであるSOHCターボ2.0LのVG20ETと3.0LのVG30ET (日本国外向けにはNAのVG30Eも存在)全グレードにV6ターボエンジンを搭載。エクステリアデザインでは、通常の軸回転式リトラクタブル・ヘッドランプとは異なり、ランプが上下に平行移動する構造で、消灯時にもレンズの一部が露出するパラレルライズアップヘッドランプを採用。これはボディの一部を削ったかのようにしてのヘッドランプを装備という、従来のデザインを踏襲するためであるものの、別体のパッシングランプを省略するためという実用上の意味合いもあったということです。その後、1985年10月にはの直列6気筒エンジンとなる、DOHCセラミックターボRB20DETを搭載したモデルが追加されました。実はセラミック製のターボはこれが世界初。日産は「セラミック・レスポンス」というキャッチコピーでアピール。エンジンはもともとR31型系 スカイライン用として開発されたもので、インタークーラーが上置き形に変更されたため、ボンネット中央に設けられた大型エアスクープがエクステリアデザイン上の特徴となりました。また専用のスポーツシート、アルミホイール、サスペンション強化、LSDが装備されていました。ノーマルルーフの「200ZR-I」とTバールーフの「200ZR-II」の2種類が設定されていました。
そして、1986年10月のマイナーチェンジで日産の北米でのデザイン拠点である日産デザインインターナショナルが提案したエクステリアデザインを採用し、3Lモデルはキャビン部(含むリアゲート)と左右ドア以外のパネルを全てデザイン変更。北米輸出仕様と同様のワイドフレアーフェンダーの3ナンバー専用ボディ。2.0Lモデルについては前後のスキンチェンジのみでフロントとリアフェンダーは変わっていません。
「フェアレディZ」の歴史の中でも直列6気筒DOHCを搭載したモデルは、初代の「S30型:Z432」と「Z31型:200ZRシリーズ」だけですが、その「Z31型:フェアレディZ」のカスタムマシンを紹介。山梨県の「カーショップポルシェ」社は、JUNオートメカニックから独立して開いているチューニングカーショップ。その代表の「藤本」氏が手がける「PZ31型:フェアレディZ」は、オリジナルはRB20DETエンジンが搭載しれていたモデルです。このエンジンをRB26改2.8L仕様に換装し、サーキットを周回できるようセットアップを進めているカスタムマシンなのです。
代表の「藤本」氏は、「予算の関係から大きく3回に分けてチューニングをしているクルマで、今はまだ2段階目のチューニングが終わったところです。そのため、まだターボはR33GT-RのN1純正ですしインジェクターもノーマル。今後はビッグシングルターボにして、きっちり作り込む予定です」とコメントしていますが非常に高いクオリティで仕上げられているマシンなのです。
カスタマイズの注目箇所はインタークーラー。Z31のラジエターはノーズを低くするためにノーマルでも斜めにマウントされていますが、このラジエターの独特のマウントを利用して、インタークーラーを下側へ水平に取り付けてVマウント化している。また、左右のダクトの奥にはツインオイルクーラーも装備し、ラジエターだけ大容量のものへ交換すれば夏場のサーキットでの水温対策も施す予定ということです。
なお、エンジンは本体からハーネスまでBNR32から移植したRB26がベースとなっており、JUNの2.8Lキットを組み込み、今後、行うビッグシングルターボ化を見据えた強化パーツが各部に組まれています。現時点ではまだインジェクターもノーマルのためパワーは約450psという仕様です。
Z乗りらしいS30型:フェアレディZをオマージュしているような縦デュアルマフラー。横向きのデュアルサイレンサーのテールパイプにひねりを加えています。
アニバーサリー仕様をよりワイドにしたようなフェンダーには、後々ハイパワー化しても対応出来るよう295サイズのタイヤに合わせられているということです。
室内は、オーディオやナビ、エアコンなどの快適装備もフル搭載。デフィの追加メーターもセンス良くインストールされている。エンジンを制御しているコンピュータはF-CON Vプロ。足回りは、ZEALファンクションをベースにしたオリジナル車高調を組み、ブレーキまわりもエンドレスの6ポッドキャリパーで強化済み。そして前後に履くタイヤは295/30R18のアドバンA050。