【ランチャ・ベータ Gr.5仕様】シリーズタイトル獲得した素性
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このベースモデルとなった「ランチャ・ベータ・モンテカルロ・ターボ」は、当初「フィアット・X1/20」として、「フィアット・X1/9」の上級モデルとして「フィアット」社が開発していましたが、最終段階でより高級でスポーティなイメージの「ランチア」ブランドが与えられることになり、1975年のジュネーブ・モーターショーで、「ランチャ・ベータ」シリーズのスポーツモデルとしてデビューしました。デザインと車体製造は「ピニンファリーナ」社が行っています。同じ「ランチア」のミッドシップ・スポーツカー、「ランチャ・ストラトス」がラリー競技向けのスパルタンなスーパースポーツカーであったのに対し、「モンテカルロ」は豪華な内装、広い視界、強固なバンパーやサイドプロテクトモールなど実用性に十分配慮されたエレガントなスポーツカーでした。その分エンジン出力は最高出力:120ps、最高速度は190km/hと性能は控え目で、特に排気ガス対策を施され、「ランチア・スコーピオン」の名で発売されました。
- (出典:webcartop.jp)
そして、シルエットフォーミュラにおいてはシリーズ前半期を、ラリーマシンからコンバートした「ランチャ・ストラトス」で戦ってきた「ランチャ」が、後半期に向けて開発し、1979年にデビューさせたシルエットフォーミュラが「ランチャ・ベータ・モンテカルロ・ターボ Gr.5」です。実に1979年5月のジロ・デ・イタリアで「ランチャ・ストラトス」のGr.5仕様と入れ替わるようにして登場しました。このレーシングマシンはベースモデルのキャビン部分を流用、前後にパイプでサブフレームを組んだシャシーに、2リッター直列4気筒から、換算して2リッター以下となるよう1.45リッターまで排気量を縮小した直列4気筒DOHCターボをミッドシップにマウントし、「アバルト」社のチューンによりKKK製ターボを搭載し最高出力:360PSを発揮し、「ダラーラ」社によってシャーシ開発されました。
- (出典:webcartop.jp)
F1GPにおいて活躍していた「ジル・ヴィルニューヴ」や「リカルド・パトレーゼ」、ラリーフィールドからは「ヴァルター・ロール」、「マルク・アレン」らがドライブを担当し、ニュルブルクリンク1000km、ル・マン24時間耐久レースといったサーキット耐久レースに参戦しました。「ランチア・LC1」、「ランチア・LC2」の登場までマシンの熟成を重ねていく事となりましたが、耐久レースがGr.Cに移行していくことになります。2リッター以下のクラスではもちろん、オーバーオールでも最強とされた「ポルシェ」と時には互角な戦いを展開し、デビューシーズンにクラスタイトルを獲得すると、1980~1981年には2年連続総合優勝を飾っています。
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