【トヨタ2000GT SCCA】3台のシェルビーレーシング仕様
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日本の名車の代表作ともいえる「トヨタ 2000GT」は、1967年の市販車発売の以前より大きな話題となっていました。それもそのはずで、開発の一環としてアメリカのモータースポーツに参戦してもいたのでした。アメリカのレースには、1968年にSCCAクラスCシリーズ(全13戦と最終戦)に参加しています。レースのマネジメントは「キャロル・シェルビー」に委託したものの戦績は、あまりよくなかったようです。
というのもライバルは、「ポルシェ・911」、「トライアンフTR」、「ダットサン・SR311」などでした。そういった経緯もあり、「キャロル・シェルビー」はシーズン中に、元レーサーでレーシングモデルの製作にも通じており、「シボレー・コルベット」の開発チーフでもあったGM幹部の「ゾーラ・ダントフ(Zora Arkus Duntov 、1910-1996年)」に極秘アドバイスを求めています。
それでも「ゾーラ・ダントフ」によれば、「手を尽くしたものの肝心のエンジンが駄目だったため、性能向上の打開策を得られず、成績挽回には至らなかった」と1995年のインタビューにコメントしています。それでも、1968年のSCCAシリーズにおいて、ワンツー・フィニッシュを3回も飾っています。そして最終戦には各ブロック(トヨタ 2000GT Class C)で勝ち抜いた21台がエントリーし、Dプロダクション・クラスで年間ランキング4位の戦績を残しました。
「1968年:SCCAシリーズ戦(アメリカ)結果」
- 第1戦:2月25日 ⇒ 2位・4位
- 第2戦:3月10日 ⇒ 失格
- 第3戦:3月31日 ⇒ 3位・4位
- 第4戦:4月21日 ⇒ 1位・2位
- 第5戦:6月24日 ⇒ 2位
- 第6戦:7月7日 ⇒ 2位・3位
- 第7戦:7月21日 ⇒ 3位・5位
- 第8戦:8月4日 ⇒ 3位
- 第9戦:8月26日 ⇒ 失格
- 第10戦:8月31日 ⇒ 1位・2位
- 第11戦:9月9日 ⇒ 1位・2位
- 第12戦:9月15日 ⇒ 2位・5位
- 第13戦:10月13日 ⇒ 2位
- 最終戦:11月23日 ⇒ 4位
- ※最終成績=4位
- ドライバー:デイブ・ジョーダン(23番、シャシーNo.10001)、スクーター・パトリック(33番、シャシーNo.10005)なおシャシーNo.10006は日本国内に戻り、スピードトライアル仕様のレプリカとして作り直されています。このスピードトライアルレプリカの車両は現在、トヨタ博物館で保管されています。シャシーNo.10001およびNo.10005は、アメリカで個人のコレクターが所有しているようです。
「トヨタ 2000GT SCCA」:スペック
- (出典:supercars.net)
- 【スペック】:ベースモデル
- 年式:1967年
- 型式:MF10
- 全長 × 全幅 × 全高:4,175mm × 1,600mm × 1,160mm
- ホイールベース:2,330mm
- トレッド(F/R):1,300mm / 1,300mm
- 車両重量:1,120kg
- サスペンションシステム(F/R):ダブルウィッシュボーン
- ブレーキシステム(F/R):ディスク
- タイヤ(F/R):165HR15
- エンジン:3M型 水冷式直列6気筒 DOHC ソレックス型キャブレター ×3
- ボア × ストローク:75.0mm × 75.0mm
- 排気量:1,988cc
- 圧縮比:8.4
- 最大出力:150ps / 6,600rpm
- 最大トルク:18.0kgm / 5.000rpm
- トランスミッション:フロア式5速マニュアル
- 駆動方式:FR
- 最高速度:220km/h
- 0-400m加速:15,9秒
- 0-100加速:8,6秒