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【日産:バイオレット】WRCで活躍したLZ型エンジン搭載モデル
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1973年1月に新発売された「バイオレット」は、ボディタイプは当初4ドアセダン、2ドアセダン、2ドアハードトップの3種類とし、サスペンションシステムは、フロントにはマクファーソンストラット式独立懸架が全車に採用され、リアには、スポーツグレードの「SSS」にのみ「510型:ブルーバード」と同様のセミトレーリングアーム式独立懸架、その他の車種はリーフ式車軸懸架が採用されました。モータースポーツでは「510型:ブルーバード」譲りのスポーツグレードである「SSS(スリーエス)」がラリー活躍しました。ヒストリーとしては1963年に初めてサファリラリーに挑戦した日産は、その後もラリーに参戦を継続しました。
「1977年:Nissan Violet Type KP711 the 12th Southern Cross Rally Overall-winner」
1971年に4代目の610系、
そして1977年にはツインカム16バルブ・ヘッドのスペシャルエンジンである「LZ18」エンジンを搭載したグループ4仕様がサザンクロスラリーで総合優勝を飾っています。
「1977年サザンクロス優勝車:日産・バイオレット(710型)」:スペック
- 年式:1977年
- 型式:KP711
- 全長 × 全幅 × 全高(mm):4,120 × 1,780 × 1,400
- ホイールベース(mm):2,450mm
- トレッド(F/R):1,310mm / 1,320mm
- 車両重量(kg):1,115
- エンジン型式:LZ18
- エンジン形式: 直列4気筒DOHC16バルブ
- 総排気量(cc):1,991cc
- 最高出力:200ps以上 / 7,200rpm
- 最大トルク:21.5kgm / 5,200pm
- トランスミッション:5MT
- 駆動方式:FR
- サスペンションシステム(F/R):ストラット / セミトレーリングアーム
- ブレーキシステム(F/R):ディスク / ディスク
「1981年:Nissan Violet GT Type PA10 the 29th Safari Rally Overall-winner」
710系がフルモデルチェンジを経て「バイオレット」の2代目モデル、A10系に進化したのは1977年のことでした。
「1981年サファリラリー優勝車:日産・バイオレットGT(A10型)」:スペック
- 年式:1981年
- 型式:PA10型
- 全長 × 全幅 × 全高(mm):4,080 × 1,600 × 1,390
- ホイールベース(mm):2,400mm
- トレッド(F/R):1,335mm / 1,330mm
- 車両重量(kg):1,080
- エンジン型式:LZ20B
- エンジン形式: 直列4気筒DOHC16バルブ
- 総排気量(cc):1,975cc
- 最高出力:210ps / 7,400rpm
- 最大トルク:22.0kgm / 5,600pm
- トランスミッション:5MT
- 駆動方式:FR
- サスペンションシステム(F/R):ストラット / 4リンクリジット
- ブレーキシステム(F/R):ディスク / ディスク
「1982年:Nissan Violet GT Type PA10 the 30th Marlboro Safari Rally Overall-winner」
白地に赤と水色の日産ワークス・
「1982年サファリラリー優勝車:日産・バイオレットGT(A10型)」:スペック
- 年式:1982年
- 型式:PA10型
- 全長 × 全幅 × 全高(mm):4,080 × 1,600 × 1,390
- ホイールベース(mm):2,400mm
- トレッド(F/R):1,335mm / 1,330mm
- 車両重量(kg):1,080
- エンジン型式:LZ20B
- エンジン形式: 直列4気筒DOHC16バルブ
- 総排気量(cc):1,975cc
- 最高出力:230ps / 7,200rpm
- 最大トルク:25.0kgm/5,200pm
- トランスミッション:5MT
- 駆動方式:FR
- サスペンションシステム(F/R):ストラット / 5リンクリジット
- ブレーキシステム(F/R):ベンチレーテッドディスク / ディスク
「初代モデル:710型系」
- 1977年:第12回サザンクロスラリーに直列4気筒DOHC・16バルブの競技用エンジン、LZ18型を搭載する2ドアハードトップがラウノ・アルトーネンのドライブで参戦、総合優勝を飾っています。この車両は現在、日産の座間事業所内にある座間記念車庫に保管されています。
「2代目モデル:A10型系」
- A10/A11型は日産のWRC参戦の主力マシンとなり、1979年-1982年の「サファリラリーで4大会連続総合優勝」を達成しました(ちなみに、1979年と1980年は2バルブヘッドエンジン搭載のグループ2マシン、1981年と1982年は4バルブヘッドエンジン搭載のグループ4マシンでの参戦)。
- この4連覇は全て元FIA評議委員長でケニア在住の「シェカー・メッタ」氏が日産ワークス時代にドライブしたもので、WRC史上初の「同一ドライバーで同一イベント4連覇」を記録しています。PA10型のサファリラリー歴代優勝マシンは現在、メッタのマールボロ・カラーマシンも含めて全てが日産の座間事業所内にある座間記念車庫に保管されています。
- 1980年:第28回サファリラリーで総合優勝(連覇)。
- 1981年:第29回サファリラリーで総合優勝(3連覇)。
- 1982年:第30回サファリラリーで総合優勝(4連覇)。この年は後継ラリーマシンとしてS110型シルビアベースの新型グループ4マシンが用意されていたが、信頼性などの問題を抱えていたため、サファリラリー4連覇目が掛かっていた「シェカー・メッタ」氏は、すでに生産終了していた前年型のPA10型グループ4マシンを選択しました。これを快く思わなかった日産はワークス・バックアップを拒否。このため「シェカー・メッタ」氏は、プライベーターとして参戦することになってしまいました。参戦した「シェカー・メッタ」氏のマシンは前年までの日産トリコロールカラーではなく、白いボディにマールボロ・レッドがペイントされていました。結果としてS110型シルビアベースの新型マシンは信頼性不足によるマシントラブルによって徐々に遅れ、最高位は3位だったものの「シェカー・メッタ」氏の「バイオレット」は総合優勝し、4連覇を達成しました。勝負を優先した「シェカー・メッタ」氏はラリー史に名を残しましたが、この一件以降日産とのワークス契約がかわされることはなかったのでした。
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