【日産・S12型シルビア】WRC・シルエットフォーミュラで活躍

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【日産・S12型シルビア】WRC・シルエットフォーミュラで活躍

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「世界ラリー選手権(WRC)」に参戦してた「日産・240RS」やスーパーシルエットフォーミュラなどのモータースポーツで活躍した3代目の「S110型:シルビア」の後継として4代目「シルビア(S12型)」は、1983年8月に登場しました。この世代からドアミラーが標準となり、3代目「シルビア(S110型)」角型4灯ヘッドライトに対して、開閉式のリトラクタブルライトを採用し、ノーズを低く長くしエクステリアデザインは大きく変わりました。ボディ形状は、クーペとハッチバックが用意され、ライバル車を意識してよりスタイリッシュなデザインになりました。「シルビア(S12型)」スペシャルティカーから、いわゆる「デートカー」への移行の過渡期でもありました。「トヨタ・スプリンタートレノ(AE86型)」にも似ているデザインとも感じられます。

さらに先代モデルの「シルビア」と同様にエンジンラインナップは多く、トップグレードには「日産・スカイラインRS」に搭載されていた4気筒2.0リッターDOHCエンジンの「FJ20E型」エンジンに加え、「スカイラインRS-X」と同じくターボを装着した「FJ20ET型」エンジンも搭載していました。その最高出力は190PSと、メーカー間のパワー競争に対抗しました。この「FJ20ET型」エンジンは全高が大きかったためにフロントに押し込むためにボンネットを開口しインテークダクトを取り付けることで解消しています。後期型になると、「FJ20ET型」エンジンは「CA18ET型」に変更されることとなりインテークダクトはなくなっています。また日本初のチルトアップ機構付き電動ガラスサンルーフが搭載されています。そして、先代と同じく姉妹車「ガゼール」を用意。基本的なスタイルは、変わりませんがフロントグリルやリアのテールライトのデザインなどが異なります。

デビュー当初のエンジンは、SOHCの1.8Lとなる「CA18S型エンジン(キャブレター式)」、「CA18E型エンジン(電子制御式・EGI)」、「CA18ET型エンジン(ターボ付き電子制御式・ECCS)」の3種類が新たに用意されました。また先代では一部上級グレードで搭載されたエンジンを継承したDOHCの2.0Lエンジンの「FJ20E型エンジン(NAタイプ電子制御式・ECCS)最高出力:150ps」や、「FJ20ET型エンジン(ターボ付き電子制御式・ECCS)最高出力:190ps」の2種類も加え、トータル5種類のエンジンが用意されました。1986年のマイナーチェンジでは、「FJ20E型エンジン」「FJ20ET型エンジン」は廃止され、従来の「CA18型エンジン3種類」と、新たなエンジンとなる「CA18DET型エンジン(ツインカムターボ)」が用意されました。

ポテンシャルは前期モデルの「FJ20ET型」と後期型の「CA18ET型」搭載モデルでは大きく異なり、前期型はエンジン性能がインタークーラーなしでインマニの長さが短いということもありターボの立ち上がりが同じ「FJ20ET型」搭載の「スカイラインRSターボ」よりも急激で扱いにくいとされています。それに比べて後期型は、フロントの車軸よりもバルクヘッドよりにエンジンを搭載できエンジンも軽いために重量バランスが向上し、コーナリング性能が向上していたようです。


「スーパーシルエットフォーミュラでの活躍」

「シルビア」は、「S110型」と「S12型」の2世代に渡って、当時のモータースポーツの人気カテゴリーである「スーパーシルエットフォーミュラ(FIAのグループ5)」やラリーマシンとして活用されました。先代モデルは1981~1983年に日産のレース部隊が手がけたエアロパーツを装着した「S110型:シルビア・ターボ(1981年仕様は市販車の大幅改造版。1982年以降の仕様はパイプフレームシャシーで、異例のサイドラジエター方式)」が、「星野一義」選手のドライブによって大活躍しました。その活躍は1981年と1982年開催の富士300キロスピードレースや1983年開催の富士グラン250kmレースなどで優勝するというものでした。その後、「スーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボ」は、1983年後半になると「S12型」のボディシェルに変更し、9月開催の富士インター200マイルでは2位に、10月開催のスーパーカップレースではSSクラス優勝を果たすこととなりました。現在、日産自動車が保管するカーナンバー23の「スーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボ」は、この「S12型:シルビア」のボディシェルのマシンです。


「世界ラリー選手権(WRC)で優勝した最後のFRマシン」

「S110型:シルビア」がスペシャルマシンとして「日産・240RS」として「WRC(FIA 世界ラリー選手権)」に参戦しましたが、その後継モデルとして「S12型:シルビア」も継続参戦しています。市販車をベースに改造した車両で戦う「グループAクラス」は、もはや4WD車でないと勝てない時代になっていましたが、後輪駆動(FR車)の「シルビア」はその中でも活躍していました。1988年には、コートジボアールで開催されたアイボリーコースト・ラリーで優勝しています。その後、現在まで続く「WRC」の歴史のなかで、後輪駆動(FR車)の優勝はこのときの4代目「シルビア」が最後となっており貴重な勝利となっています。


「日産・シルビアRS-X(S12型)」:スペック

  • 型式:S12型
  • 全長 × 全幅 × 全高:4,330mm × 1,660mm × 1,330mm
  • ホイールベース:2,425mm
  • エンジン型式:FJ20ET型
  • エンジン形式:水冷 直列4気筒DOHCターボ
  • 排気量:1,990cc
  • 最高出力:190ps / 6,400rpm
  • 最大トルク:23.0kgm / 4,800rpm
  • トランスミッション:5MT
  • 駆動方式:FR
  • サスペンションシステム(F/R):ストラット / セミトレーリングアーム
  • ブレーキシステム(F/R):ベンチレーテッドディスク / ディスク
  • 車両重量:1,170kg
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