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「日産:スカイラインGT-R(R32型)」がツインターボエンジン(RB26DETT)に4WDという当時最強のメカニズムでモータースポーツで活躍し、金字塔を打ち立てていましたが、「三菱」も同様にツインターボエンジンに4WD、電子制御満載のスポーツカーを登場させるということで注目されていました。それが、「三菱:GTO」であり、そのクーペモデルをコンバーチブルにしてしまったのが今回、紹介する「三菱:3000GTスパイダーVR-4」でした。
1990年に発表された「三菱」のスポーツカーである「GTO」は、エクステリアデザインが独特のクーペスタイルでした。コークボトルラインのボディに絞り込まれたサイドへ描かれる美しいZラインの綾線はデザイン上のハイライトとなっており、Cd値0.33というスペックです。全幅は1,840mmと当時のライバル達の中で随一の全幅を持っていました。
そしてデザイン上の特徴として良く取り上げられるサイドエアダムのエアインテークについては、モーターショー出展時のコンセプトカー「HSX」ではブレーキ冷却ダクトだったのですが、「HSX」は2シーターであったため、市販化にあたり後部座席を設置しなければならなくなり、後部座席周りの設計上の都合により市販車ではダミーとなってしまったという経緯がありました。
そして輸出仕様は「ミツビシ 3000GT」という名称でしたが、アメリカの特装車メーカー、「ASC」社では北米仕様の「GTO」をベースにコンバーチブルを作り上げていました。それが、「ミツビシ・スパイダーVR-4」というモデルです。
耐候性の高いハードトップをコンピュータ・コントロールで完全自動開閉するシステムは、いわゆるリトラクタブルハードトップというもので、シフトレバーの奥にあるスイッチを押すだけで、トップは約30秒で開閉できるシステムでした。ただし、パーキングブレーキが作動していることが前提なので、開閉は停車中のみでの操作となっています。
クローズド時にはトランクスペースとなる後方のリッドが開き、ハードトップは二つ折りにされて収納されるように設計されており、オープン時の後方視界はクローズド時より格段に良くなっています。オープン化に伴うボディ補強のため車重は増加しているものの、残念ながら正確な車重は不明(ノーマルのGTOは1,765kg)です。
それでも、「三菱:GTO / 3000GT」における日本仕様では3LのV6 DOHCツインターボ+フルタイム4WDという当時としては豪華なメカニズムを採用されていましたが、「ミツビシ・スパイダーVR-4」も基本的にまったく同じ仕様でした。
北米仕様では最高出力:320psと最大トルク:43.5kgmのパワースペックでしたので、ストリートからハイウエイまで、その豪快な走りにまったく遜色はないものでした。