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高速道路での交通違反を取り締まるため、愛知県警高速隊が1997年に導入した三菱自動車製のスポーツカー「GTO」のパトカー=写真=が今夏、現場の第一線から「引退」した。車体の老朽化や他の車両の高性能化が進んだためで、廃車にすることも検討されたが、県警の広報・宣伝の顔として、引き続き県内を駆け巡ることになった。
GTOは90~2001年に生産され、若者を中心に人気を誇った。正確な記録は残っていないが、県警によると、スポーツカーブームの90年代、全国で5前後の県警が導入したが、老朽化で廃車が進み、現在保有しているのは愛知、新潟の2県警のみだという。
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愛知県警のGTOは96年式のマニュアル車(四輪駆動)。排気量は2970ccで、屋根にはV字形の赤色灯が載っている。警察庁が購入し、97年2月に配備されて以降、県内の高速道路での取り締まりを担った。
交通違反のドライバーから事情を聞く際に使う後部座席が狭いのが難点だったが、交通安全イベントなどでは記念撮影の子どもたちの列ができ、車好きの人がカメラを手に高速隊を訪ねてきたこともある。横浜市の専門店が実物の43分の1サイズで再現したミニカーも発売された。
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走行距離は約10万キロに及び、8月の車検を機に廃車にする話も出たが、県警広報課が「県警をPRする絶好の素材」と待ったをかけたという。同課の中神一明課長は「幅広い世代に人気のスポーツカーを廃車にしてはもったいない。カレンダーや啓発動画などで露出を増やしていきたい」と話している。