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様々なカスタムマシンが出品され世界的に注目されている「東京オートサロン」ですが、今回のカスタムマシンは、かつてカーマガジン誌のOPTION誌が企画した0-300キロチャレンジで頂点を極めるために「HKS」社が開発した「BCNR33型:スカイライン GT-R」ベースのスーパーチューンドマシンです。
全国のトップチューナーたちがしのぎを削るなか、この「T-002」と呼ばれるカスタムマシンは、最高出力を920psまで高めた2.7L+GT3037Sツインターボ仕様の「RB26」型エンジンを武器に、当時カベと言われていた20秒を大きく上まわる17秒64を記録(1997年3月号)したマシンなのです。
以後、終焉までの2年間、70台近いチューンドが“打倒HKS!”を誓ってアタックを敢行するも、その高みに近づけたのは「フェニックスパワー」社のワークスR(RX6BTCW77ツインターボ仕様のBCNR33:17秒76)1台だけだったというヒストリーを持っています。こういったヒストリーを持つ「BCNR33型:スカイライン GT-R T-002」ですが、開発終了後は「HKS」社の敷地(駐車場!?)に放置され、他のデモカー製作時にパーツを剥ぎ取られたりしながら徐々にスクラップ化しており、いつしかHKS社員すらもその存在を忘れてしまうという可哀想な状態になっていました。
しかし、月日は流れ2018年末となり、第二世代GT-Rの世界的ブームに対応するべく、「HKS」社の新しい開発車両として「T-002」の復活プロジェクトが突如として始動したということです。もちろんただ復活させるだけでは意味がないということで、「HKS」社の最新パーツをフル投入し、現代のチューニングテクノロジーで「T-002」の2019年スペックを創出しました。それは新しいチューニングカーを生み出すことに等しく、時間との勝負だったということです。それでも「東京オートサロン2019」に現れた「T-002」は、まさにニューマシンと呼ぶにふさわしいクオリティでした。
心臓部の「RB26DETT」型エンジンは、ステップ3の2.8Lキットを投入して排気量を底上げし、そこにHKS最新のGTIII-5Rタービンをセットされており、その他、補機類も最新のパーツで構成されています。
排気パートは凄まじいチューニングで最高効率を求めた結果、エキゾーストはタービン直後から上方向に伸びた「ボンネット出し」を採用しているのです。そしてウエストゲートの大気開放口も同じようにレイアウトされています。エンジンの本格的なセッティングはこれからだが、使用パーツを見る限り、F-CON Vプロ3.4制御で1000psは超えてくるということでです。
コクピットも完全に作り直されており、ダッシュボードはドライカーボンパネルでリメイクされ、内装類は全撤去。各種情報はレースパックのデータロガーで集中管理する。まさにレーシングカーの手法でカスタマイズされています。
前後重量配分を最適化するために、ステアリングシャフトを伸ばしてペダルもオルガン化し、ブリッド製のシート位置を後方へオフセットさせています。
ホイールはアドバンレーシングのGTでサイズは前後18×11J。タイヤにはアドバンA052(295/35-18)を組み合わせている。ブレーキはエンドレスのモノブロックをセットしています。