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数々の名車が登場し、高額で取り引きされることで注目を集めるBHオークション。今回は、TOKYO Terrada Januaryに登場する日本国産旧車の名車たちに注目。
1966年に登場したS800は、S600の後継と なるSシリーズの第3弾。ケイヒン製の4連キ ャブや等長エキマニで武装した精緻な高回転 型エンジンは、排気量をS600の606ccから 791ccに拡大。最高出力は70ps /8000rpmま で引き上げられた。
ボディはS600から用意されたクーペとロ ードスターに2タイプだが、S800ではエンジ ンフード上にデザイン的アイコンとしてパワ ーバルジが追加。また、当初こそS500からの 特長であったチェーンドライブによる独立懸 架のリヤサスを受け継いでいたが、発売からほどなくして4リンク+パナールロッド/コイ ルのリジッド(ライブアクスル方式)に改め てられている。なお出品車は1966年式の最初 期型ロードスターで、リヤサスは希少なチェ ーンドライブによる独立懸架式である。
ホンダSシリーズのスペシャリストである「ガレージイワサ」の手で、オリジナルに忠 実に徹底したレストアレーションが施されて おり、現オーナーはヒストリック・レーシン グ界の大家である久保田克昭氏で、内外の多 数の名車をコレクションする氏として「最高 の1台」と言わしめた完璧な仕上がりを見せる。
落札価格:610万円
1969年にデビューした初代フェアレディ Zは、当時日産の輸出モデルに使用されていた 「DUTSUN(ダットサン、ダッツン)」の名を 世界的なものとした功労者的存在。手頃な価 格ながら、ヨーロッパ産のGTにひけを取らな いパフォーマンスとスタイリングを実現した ことから北米を中心に大ヒット。モデルライ フは10年におよび、当時のスポーツカーとし ては異例といえる55万台もの総生産台数を記録している。
ボディは当初2人乗りのファストバックの みだったが、後にホイールベースを延長して 4人乗りとした「2by2」を追加。古典的なロ ングノーズを強調するFRP製のエクステンシ ョン、通称「Gノーズ」も好評を博した。
搭載エンジンは主要マーケットだった北米 向けが2.4l、日本では2lの直列6気筒SOHC が主力。しかし、国内向けZには特別なスポ ーツエンジンも用意された。それが第1世代 のスカイラインGT-Rと同じ2l DOHCのS20 型だ。このユニットは、日産と合併する前の プリンス自動車が開発したレーシングマシン 用(R380)を源流としたもので、スカイラ イン用は当時のモータースポーツ界で常勝を 誇った。あいにくZでは目立った戦績を残す ことはできなかったが、車名にはS20型の1気 筒あたり4バルブ、3キャブレーター(ミクニ 製ソレックス3連装)、DOHCの2カムシャフ トにちなんだ432という数字を組み合わせて 特別なモデルであることをアピール。排ガス規制のあおりをうけて生産台数が419台にと どまったことも手伝い、エクスクルーシブな Zという評価は現役当時より強固なものとな っている。
出品車は2013年に日本国内でレストア後 に米国カリフォルニア州へと輸出され、2019 年に再び日本へと戻ってきた1台。1972年 の第41回モンテカルロ・ラリーで活躍した 240Zのカラースキーム(オレンジの車体に つや消しブラックのエンジンフード)に、オ リジナルのGotti製ワークスホイールを再現し たCentral20製のキャストホイールを装着す るなど通好みな仕上がりで、機関系も好調を 保っている。
落札価格:1480万円
第1世代のスカイラインGT-Rと同じ2l DOHCのS20型ユニットを搭載したS30型フ ェアレディ Zの高性能モデルとしてラインナ ップされた「Z432」。その432をベースにレ ース参戦用のベースモデルとしてごく少数
(30台から50台といわれる)製造されたのが 「Z432R」である。
ベースとなったZ432から実に100kg以上も の軽量化が施されているのが特徴で、ボンネ ットはFRP製、ボディ外板にはS30の標準車 よりも0.2mm薄い鉄板が用いられたほか、サ イド&リヤウインドウも軽量なアクリル製が 装備されている。なお燃料タンクは耐久レー スへの参戦を想定した100l容量(標準は60 l)の専用品が装備された。
エンジンは基本的にはZ432と共通だが、レースベースとしてチューニングが施されるこ とが前提とされたためエアクリーナーは取り 外されており、キャブレターのファンネンル が剥き出しにされている。エンジンの最高出 力 自 体 は160ps/18kgmとZ432か ら の 変 化 は ない。内装も簡素化されておりラジオやヒー ターといった快適装備は一切省かれているほ か、シートもリクライニング機構の付かない フルバケットタイプが採用されている。あと はロールケージさえ装備すればすぐさまレー ス参戦可能というスパルタンな仕様である。
S 3 0 の フ ェ ア レ デ ィ Z を ベ ー ス と し た「 4 3 2 R仕様」も多数存在する中、この出品車は 「PS30-00289」の車体番号を持つ正真正銘の 「R」であり、そのコンディションも非常に良好な極めてコレクタブルな1台である。
落札価格:8050万円
1970年に登場した後期型の2ドアボディ のGT-R(KPGC10)。トータルで1,197台が生産されているが、現在はコンディションの良い個体が年々減少する傾向で、なかなか極上の個体を探し当てることは難しい状況となっている。出品車はそうした状況において、まさしく“超極上”という表現がふさわしい完璧なクオリティを備えた1台である。
数年前に内外のクラシックカーのスペシャリストとして知られる「永遠ボディ」にてフルレストレーションが施されており、ボディはもちろん、シャシー、足回り、さらにメッキ類に至るまで、もはや「新車以上」ともいうべき美しい仕上がりを見せる。そのこだわりは徹底しており、例えば前後の窓ガラスや、当時プリンス・スポーツコーナーから販売されたワークス用バケットシートなどはデッドストックの新品を探し出して装着するなど、とにかく「本物」「新品」が数多くレストア時に投入されている。
エンジンも当然フルオーバーホール済みであり、キャブレターこそオーナーの好みでファンネルタイプの44φゴールドソレックスが取り付けられているが、エアクリーナーはじめ純正のパーツもすべてスペアとして揃えられており、その他にも当時ものの純正スチールホイールやオリジナルシートなど多数のスペアパーツも付属する。
ボディカラーは“いなりシルバー”という辺りも実に通好みな、まさに“極上の中の極上”と呼ぶべき1台だと言えるだろう。
落札価格:3080万円
初代GT-Rといえばシルバーのボディカラ ーを連想する人は多いことだろう。特に2ド アのKPGC10となればなおさらそのイメージ は強く、1197台が生産されたKPGC10の5割 近くがシルバーのボディカラーを纏っていた という。
出品車はKPGC10の中の3割程度だったと されるホワイトのボディカラーを纏った個 体。セミバケット形状のフロントシートをは じめ、全体的に良好なコンディションを保っ ており、ドアの内張りには新車当時から残されたままだという保護用のビニールカバーも 付いている。走行距離計は5万2000kmを示し ており、ボディの塗装も経年によるひび割れ は一部で確認できるものの錆や腐食などは一 切認められない。フロントフェンダーはトレ ッドの広いタイヤを装着するためにアーチが ノーマルより幅広く叩き出されているが、そ れ以外はオリジナルのコンディションを保つ。 ラジオやヒーター、ヘッドレストなどロード ゴーイングGTとして必要最低限な装備が新 車時にオプション装着されている1台である。
予想落札価格:1200万円〜1600万円
落札価格:流札
当時の広告キャンペーン、「ケンとメリー のスカイライン」にちなんだ「ケンメリ」の 愛称でも知られる4代目は、現在に至るス カイラインのキャラクターを決定付けたモデ ル。そのスポーティにしてラグジュアリーな 風情も漂わせるエクステリアは、往年の日本 車らしくアメリカ車の影響も感じさせる佇ま いだが、サーフィンラインと呼ばれたボディ サイド下部の特徴的キャラクターラインは先 代から継承している。
2ドアハードトップと4ドアのGTモデル で初採用となった丸型4灯のテールランプデ ザインは、実に10代目まで引き継がれるスカ イラインのアイコンにもなった。しかし、そんなC110型をベースとしたKPGC110型、2 代目GT-Rは不遇な存在として名を残すこと になる。GT-Rといえば初代、あるいは1989 年に復活した3代目に代表されるモータース ポーツ界での華々しい活躍をイメージするク ルマ好きは多いはず。だが、この2代目に関 しては発売の前年に開催された東京モーター ショーでレーシング仕様のコンセプトカーが 出展されたのみ。実戦に投入されることはつ いぞなかった。
そればかりか、市販モデルの販売も発売さ れた1973年のうちの数ヶ月のみ。公称の総生 産台数も、わずか197台とされている。その理由は販売の目的が先代から受け継いだ2l直列6気筒エンジン、S20型の在庫処分だっ たというものや、エンジンに装着するキャブ レターが197台分しかなかった等、諸説ある ようだが結果として2代目はGT-Rというよ り極めて希少な量産車としてクルマ好きの記 憶に刻まれることとなった。
出品車は全体的にオリジナルの状態をきち んと維持しており、定番のワタナベ製ホイー ルとサスペンションが社外品に変更されてい る以外は大きな改造箇所は認められない。走 行距離計も4万3460kmを示す低走行車であ る。希少性という意味では2000GTにも負け ず劣らずのケンメリGT-R。その価値は今後さ らに上昇していくことだろう。
予想落札価格:4300万円〜4600万円
落札価格:流札