【フォード・シエラRS500】貴重なシャシーナンバー1が競売に

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【フォード・シエラRS500】貴重なシャシーナンバー1が競売に

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「フォード・シエラRS500」というモデルは、エンジンの排気量は変わらないものの、強化されたブロックと、改良型ピストンが採用され、容量をアップした吸気系とインタークーラーや、ギャレットのT31/T04ターボが取り付けられた過激な車でした。公道仕様の出力は、最高出力:227psであったものの、重要なのはこのエンジンがレース用スペックに改良できることでした。なんと、ECUを交換すれば補助用のフューエル・レールとインジェクターを使うことができ、ウエスト・ゲートの設定と燃料の供給方法に手を加えれば、レース仕様の最高出力:506psまで強化できるようになっていたのでした。

そして、その「フォード・シエラRS500」がオークションに登場とのことです。1980-1990年代のラリーカーで、フォードUKは1986-1992年の間にまず「フォード・シエラRS」を5500台生産(この時点でコスワース製エンジンを積む、という驚きのクルマでした)、その後にはエボリューションモデルとして、さらに大きなターボを搭載し、そのうえで過激なチューンを施した「シエラRS500」を発売しています。このモデルは最高出力:222ps仕様。それでもベースモデルの「フォード・シエラRS」の最高出力:204psよりは大きな数字で、当時の「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(137ps)」よりずっとパワフルなスペックです。

この「フォード・シエラRS500」は「500台」のみが限定生産され、その生産に先駆けて製造された「プリプロダクションモデル」が今回オークションへ登場する個体そのもの(当時フォードが個人のコレクターに売却したとされる)。シャシーナンバーは「1」となり、「フォード」のコレクターにとってはこれ以上ないというレア度を誇っていて、そのため予想落札価格は1800万円という高値が予想されています。

ちなみに「フォード・シエラ」のスポーツモデルである「シエラ・コスワース」「シエラRS500」は、ツーリングカーレースで世界的に活躍しました。日本では1987年に「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」クラス1にプライベーターの手で登場しています。同年に「長坂尚樹」氏がドライバーズタイトルを獲得したほか、翌1988年も「横島久」氏がドライバーズタイトルを獲得しています。

  • (出典:www.autocar.jp)

1989年は「日産・スカイラインGTS-R(R31型)」を駆る「長谷見昌弘」氏にドライバーズタイトルを奪われるものの、メイクスタイトルは死守しました。ただ1990年に「スカイラインGT-R(R32型)」が登場すると事実上勝負権を失い、1991年にプライベーターへの「スカイラインGT-R」の供給が始まるとシエラユーザーは次々とGT-Rに乗り換え、同年中に姿を消していきました。ヨーロッパでは1987年に世界ツーリングカー選手権に登場、ドライバーズタイトルは逃したもののマニュファクチャラーズタイトルを獲得しています。JTCとのダブル開催となった同年のインターTEC(富士スピードウェイ)でも優勝を飾っています。

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