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1986年の映画『フェリスはある朝突然に』に登場した車として有名なのが「フェラーリ・250GT カリフォルニア・スパイダー」です。しかし、撮影用には3台のレプリカが製作されているようです。この映画については下記のような展開で「フェラーリ」が登場します。高校生の青春映画で、快晴のシカゴを舞台にこんな素敵な日に学校へ行くなんて、バカバカしいと「フェリス(マシュー・ブロデリック)」は仮病をつかってズル休みします。人生は短い、楽しまなくっちゃ、損だ。彼の両親、そして姉も外出してしまった。それでフェリスは、学校の全生徒用データバンクの彼の累積欠席日数を、パソコンを使って減らす。これに気づいた「ルーニー校長(ジェフリー・ジョーンズ)」は、フェリスのズルの証拠を何とか入手しようとイライラし出した。一方、フェリスは、病気で休んでいる金持ちの坊っちゃん「キャメロン(アラン・ラック)」を親父さんの1961年型の「フェラーリ250GTカリフォルニア」に乗って迎えに来させるという流れです。しかし、次のように考える方もいるようです。「いや、でも、映画の中ではフェリス・ビューラー(マシュー・ブロデリック)とその友達のキャメロン・フライ(アラン・ラック)が、あのクルマを完全に壊してしまったはずではなかったか?」と。しかし、心配はご無用ということです。このクルマは映画の中で車庫から後向きにガラスを突き破って飛び出したあのクルマではなく、メカム・オークションズによれば、映画の撮影用に製作された3台のうちの1台で、完全にレストアされて実際に動くクルマということだからです。モントレー・カー・ウィークのオークションに出品されるこの「フェリス・ビューラー・フェラーリ」は、映画に登場したという価値に加え、その姿かたちも素晴らしく美しいクルマではあるものの、実は本物のフェラーリではないのです。もし本物なら、メカム社がつけたこのクルマの予想落札価格の「25万~30万ドル(約2,800万~3,300万円)」を大幅に上回ってしまうはずです。参考までに、本物の1961年製の「フェラーリ・250GT SWB カリフォルニア スパイダー」は2016年のオークションで「1,716万ドル(約19億500万円)」という価格が付けられているのです。それに比べれば遙かに安い金額で手に入る可能性が高いというわけです。ただし、ボンネットの下に搭載されているエンジンが素晴らしいサウンドを奏でる「フェラーリ」のV型12気筒ではなく、「フォード」の5.0リッターV型8気筒であることは、忘れてはならないポイントです。もともと、この車両は1985年にカリフォルニアの「モデナ・デザイン&ディベロップメント」という会社が製作したもので、車体は鋼管フレームにグラスファイバー製のボディを組み合わせています。
格子状グリルやクロームのサイドベントなども本物の「フェラーリ」らしく見えるように再現されており、ダッシュボードには「イエーガー」製のメーター類が並んでいます。ワイヤーホイールや木製リムのステアリング・ホイールも、それらしく見えるレプリカです。さらに発売当時を思い出させるAM/FMラジオと、本物の「フェラーリ・250GT カリフォルニア スパイダー」では望め得ないエアコンまで装備されているのです。9カ月に及ぶレストア作業を終えたばかりのこのクルマは、オリジナルの車両識別番号(VIN)が与えられ、走行距離はわずか「1,520マイル(約2,446km)」に過ぎないということです。2018年8月23日から25日にハイアット・リージェンシー・モントレー・ホテル・アンド・スパ・オン・デル・モンティ・ゴルフ・コースで行われるメカム社主催のオークションの中でも、この正式名称「モデナ GT スパイダー カリフォルニア」は、最終日に登場する予定ということです。