【DR30スカイライン】職人が手組みしたFJエンジンが搭載のRS

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日本はもとより最近海外からも熱い視線を集めているスカイライン。特にR32型以降のGT-Rに関しては、おいそれと手出しができないレベルにまで高騰してしまっている。そんなスカイラインシリーズの中でも、昔から特に根強いファンがいるのが、1981年に登場した6代目スカイラインに後から設定された(1983年2月)ターボRSである。

特に前期型のターボRSはあの往年の刑事ドラマ「西部警察」のマシンRS-1及びRS-2としても活躍しており(マシンRS-3及び旧マシンRSはNAモデル)当時を知るアラフォー世代以上には、未だに強烈なインパクトを残している。


「前期型RSターボ」:生産期間は半年

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昭和58年2月にR30型スカイラインRSに「FJ20E型エンジン」にターボチャージャーを追加した、「FJ20ET型エンジン(190PS/6,400rpm)」を搭載した「2000ターボRS」(DR30JFT型)が登場することになります。そして、この登場は歴代スカイラインのどのモデルよりもハイパワーであったことから「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが採用されることになりました。しかし、前期型の「RSターボ」は、1983年8月マイナーチェンジにより後期型になります。前後のデザイン変更、大型バンパーの採用等を行う。ヘッドライトやサイドのウインカー、テールランプにスリットが入るなどクールなデザインとなります。ちなみに「RS」の後期型は薄型ヘッドランプ、ラジエーターグリルレスのデザインにより「鉄仮面」と呼ばれました。パワーランバーサポート・パワーステアリング・パワーウインド・カセットコンポを装備した豪華仕様「2000ターボRS-X」(DR30XFT型)も追加されました。後期型はインタークーラーが装着され最終的に「RSターボC」となり最高出力は205PSまで向上しました。こうした経緯から前期型の「RSターボ」は、わずかに半年程しか生産されていません。しかも、当時は後期型の「鉄仮面」仕様がカスタムとしても流行り、オリジナルの前期型「RSターボ」は減少しています。

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「DR30型:スカイライン 2000RSターボC」:スペック

  • 年式:1984年
  • 型式:KDR30型
  • 全長 × 全幅 × 全高:4,620mm × 1,675mm × 1,385mm
  • ホイールベース:2,615mm
  • トレッド(F/R):1,420mm / 1,410mm
  • エンジン型式:FJ20ET
  • エンジン形式:直列4気筒 DOHC ICターボ
  • 排気量:1,990cc
  • 最高出力:205PS / 6.400rpm
  • 最大トルク:25.0kgm / 4.400rpm
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:5MT
  • サスペンション(F/R):ストラット / セミトレーリングアーム
  • ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク / ディスク
  • タイヤサイズ(F/R):205-60-R15

「後期型の鉄仮面」

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また83年8月のマイナーチェンジ後は、薄型ヘッドライトとラジエータグリルを省いたフロントマスクから「鉄仮面」の愛称で知られ、後期顔のスカイラインスーパーシルエットもまたアラフォー世代以上の記憶に残っていることだろう。このように、R30型スカイラインのターボRSが未だに根強い人気を誇っている理由のひとつには西部警察やスーパーシルエットでの強烈なイメージがひとつ挙げられるハズだ。


「手作業で組み上げたFJ20型エンジン」

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それ以外の点でも、1973年にオイルショックや排出ガス規制の影響で生産中止を余儀なくされたGT-Rに匹敵するポテンシャルを持つ車両として開発されたRSシリーズには、FJ20型エンジンが採用されているが、これはスカイラインRSシリーズ用に開発されたものであった(のちにシルビア/ガゼールにも搭載)。このFJ型エンジンは量産車に搭載されるものであるにも関わらず、熟練工が1機ずつ手作業で組み上げており、各部品の製造公差も極力小さい部品を選んで組み込むなど、現在のGT-R専用エンジンのような手の込みようだったのである。

また、エンジンに使われた材質も高度なチューニングに耐えうるレーシングエンジンに近いものを潤沢に使用しており、かなりコストのかかったエンジンとなっていた。その結果、NA仕様であるFJ20E型で150馬力、のちに追加されたインタークーラーターボ仕様では205馬力というパワーを実現していたのだ。

残念ながら4気筒エンジンということでGT-Rの名を冠することは叶わなかったが、メカニズムも開発陣の想いもGT-Rに匹敵するものがあったというのがR30スカイラインRSシリーズというわけなのである。

なお、FJエンジンは前述したように製造コストがあまりにもかさんでしまうことから、R30型1世代限りの搭載となってしまったが、そんなストイックな点もファンの心を掴んで離さない要因のひとつなのかもしれない。

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