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日産自動車の設立より古く、戦前から続く自動車ブランド「ダットサン」は、その後の日産の輸出車用ブランドとして、そして国内でも「サニー」や「フェアレディ」、「ブルーバード」、「ダットサントラック」などのブランドとして1980年代まで使い続けられたブランド名です。そんなダットサンブランドの名車の1台が、今回のカスタムマシンとして登場する3代目モデルの「510型:ブルーバード」です。デビューは、1967年で1972年まで製造されたモデルです。
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ベース車両は当時新開発だった4気筒L型エンジン(L14、L16、L18)をFRレイアウトで搭載していました。当時の乗用車としては先鋭的とも言える独立懸架式サスペンションを採用し、高い走行性能を実現していました。そして、サファリラリーで日本車初優勝を飾るなど、性能に加え耐久性の高さを実証。「ラリーの日産」の立役者となったモデルです。海外においてもアメリカでは「BRE」のレーシングマシンが活躍していました。また、エアコン未装着時代の象徴でもあった三角窓を換気機能の強化により廃止したことや、直線基調のシャープなボディライン(スーパーソニックライン)を採用したことも好評で、国内外で大ヒットとなったモデルです。
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この「510型:ブルーバード」の中でも現在でも人気が高いモデルが、1600cc&1800ccエンジンを搭載したクーペモデルです。ハイチューンを施せば900kg台前半という軽さも武器に、現行スポーツモデルでも侮れないほどのマシンに仕上げることが可能なほどポテンシャルを秘めた車両なのです。
軽量FRボディの利点を活かしてサーキット走行を楽しむべく、次世代のエンジンやサスペンションをドッキングしたのがこのブルーバード。エンジンばかりに目を向けてしまいそうだが、単にエンジン換装を施しただけではなく、その進化を受け止めるためにサスペンションやブレーキ一式までもアップデートされています。
搭載されたエンジンはN2シルビアを彷彿とさせる「S13型:シルビア」用の「SR20DE」エンジンのフルチューンを搭載しています。東名パワードの4連スロットルなどでレスポンスを追求しています。その出力はOS技研の3速クロスミッションを介し、「S14型:シルビア」から丸ごと移植した足まわりを通して路面へと伝えられるカスタマイズが施されています。そして、ボディ自体は軽量化とともに徹底的に補強が施されています。現代のような衝突安全基準が無いことが軽量&コンパクトにつながる旧車ではあるが、現在のハイグリップタイヤに対応して性能を発揮するには、剛性アップが必要不可欠だからです。
なお、この車両の特徴とも言えるフォルム、オールドBMWを彷彿とさせるエアロスタイルは完全にワンオフされたものです。リヤマルチリンクの移植にともなうトレッドの拡大に合わせる意味もあり、スタイルにも大幅なモディファイが加えられているのです。その方向性は「510型:ブルーバード」のイメージを壊さず、そして往年のワークスマシンをイメージさせるものですが、ミラーやウイングなど最新のエアロチューンからのフィードバックも少なくない仕様です。
エンジンは「SR20DE」エンジンをベースに、IN/EXともに東名280度ハイカム、86φピストン、H断面コンロッドを組み込んだハイチューンNA仕様となっています。バルクヘッドの加工も施して後方にマウントしている。最高出力は200psを発揮するスペックです。ECUは「ミューオン」というレース用のフルコンを採用しています。マカオGPのツーリングカーレース車両で使用されていたものとのことです。スロットルは東名パワード製。タコ足はこのマシンのために製作されたスペシャルとなります。
サイドフロー3層アルミ製ラジエターで、サーキットユースに対応させています。その下に見える補強バーはテンションロッドの付け根に接続されています。
トランクには安全タンクを埋め込み、燃料系を美しくレイアウトしています。
サイドバーやガゼットなど、当時は使われていなかった手法で剛性アップされているのがわかるインテリアとなっています。センターにタコメーターが配置されたインテリアは、オールドレーサーとも言えるこの「510型:ブルーバード」の雰囲気も高めたデザインとなっています。
ミッショントンネルなど、ボディ各部はシルビア用などのパーツ移植のため大きく加工されています。
サスペンションなど足まわりは前後ともに「S14型:シルビア」から移植しています。ワイドボディ化によりコーナリング性能も大幅に向上しているということです。アッパーマウントはキャスター角を付けるように装着方向を変更し、フロントには「R33型:スカイライン」のブレーキを移植しています。