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数々の国産名車が存在する中、「510型:ブルーバード」は硬派な印象のあるモデルで、「ラリーの日産」を確立しポテンシャルも伴った貴重なモデルでした。そのヒストリーを辿ってみたいと思います。
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1967年8月にデビューした「510型:ブルーバード」。「スーパーソニックライン」と呼ばれた、直線的で彫りの深いシャープなラインが特徴的なエクステリアデザインとなった「510型:ブルーバード」は、「ハコブル」、「ゴーイチマルブル」、「ファイブテン」などの愛称で呼ばれており、日本国内だけでなく北米でもモータースポーツでの活躍などから多くのファンが存在しているモデルです。エクステリアデザインとして先代モデルに存在していたフロントドアガラスの三角窓が換気装置の強化により省略されたり、テールライトも「流れるテール」が採用されたり、初期モデルは「喧嘩ワイパー」が特徴的です。
開発された経緯としては、1966年に「ダットサン」のエントリーモデルとして、1.0Lクラスの大衆車、「ダットサン・サニー」が発売されていたことから、「ブルーバード」は、排気量:1,300cc以上の中級モデルとして上位移行し、ボディは大型化され、当初のボディタイプは2ドア / 4ドアセダン、4ドアワゴン / 4ドアバンの4種類がラインナップされていました。
1968年11月には「トヨタ:コロナハードトップ」に対抗した2ドアクーペを追加しています。本車種のクーペとしては最初で最後の3連リレー式ウインカー(流れるテール)が採用されました。さらに1970年9月には、直列4気筒SOHC L18型 (1770cc) を搭載した1800SSSモデルを発売しています。
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パワートレインにおいては、イギリスの「オースチン」社の影響が強かった、先代モデルの「410型」系までに比べて一新されています。例えば、後に「スカイライン(C10型)」や「フェアレディZ(S30型)」に搭載されるようになる「L型」と呼ばれる新開発のエンジンが搭載されました。「510型:ブルーバード」には、水冷直列4気筒 SOHCのL型が搭載されており、量販モデルである排気量:1,300ccの「L13型エンジン」と、上級モデルとして排気量:1,600ccの「L16型エンジン」を積んだ「SSS(スーパー・スポーツ・セダン)」のラインアップされました。
サスペンションシステムは日産初の四輪独立懸架(フロント:マクファーソン・ストラット、リア:セミトレーリングアーム)を採用しており、セミトレーリングアームのドライブシャフト伸縮には直前に「日産」と合併されていた「プリンス自動車」が「グロリア」後輪のドディオンアクスルに使用していました。これは「ボール・スプライン」と呼ばれる技術を利用しているということです。
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1969年:「メキシカン1000マイルラリー(現行のラリー「バハ1000」の前身)」でピート・ブロック/ボブ・ライアン組の「510型:ブルーバード」が総合4位入賞しています。ゼッケン89の同車はラリー終盤で右前輪ストラットのショックアブソーバーがボンネット上へ突き抜けるアクシデントがあったものの、上位完走してタフネスさを証明しました。
1970年:「第18回東アフリカサファリラリー」において総合・チーム優勝の2冠達成しています。この優勝で「ラリーの日産」のイメージを確立しました。また「石原プロモーション」により映画『栄光への5000キロ』が制作されることとなり、この映画の撮影は1969年の17回サファリの際に行われ、ゼッケン90番のロケ車が実際のラリーに出走、総合5位に入賞しました。ドライバーは18,19回優勝者のハーマン/シュラー組でした。これは、このロケ車での活躍を「日産ワークス」が評価して起用したものでもあります。仕様としては前後のトレッド拡大、L16エンジンをチューニングしソレックス製44ツインキャブレターで最高出力:160psを発生させていました。
1971年・1972年:「SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)」のトランザム2.5シリーズで、1971年、72年と2年連続で王座に輝いた本家BREのマシンは、北米では人気があったが、日本では廉価グレードのみだった2ドアセダンがベースでした。
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「510型:ブルーバード」も現在では希少なモデルであり、150万円~ASKとなっており、平均相場としては250万円くらいです。
今後、「ラリーの日産」やアメリカでの「BRE」の活躍などのヒストリーやポテンシャル、「スーパーソニックライン」など直線基調のエクステリアデザインなど人気は上がっていくことでしょう。