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「ナイジェル・マンセル」が1992年のF1世界選手権を制した、ウイリアムズの歴史的なマシンである「ウィリアムズ・FW14B」が、2019年夏にグッドウッドで開催のフェスティバル・オブ・スピードにおいて、競売会社のボナムス社によってオークションにかけられることになりました。天才F1デザイナーと称される「エイドリアン・ニューウェイ」氏が設計した「ウィリアムズ・FW14B」は、F1の歴史上最も象徴的かつ優れたマシンのひとつだと言われるマシンです。それは戦績だけでなく、有名で画期的なアクティブサスペンションシステムによるところが大きいでしょう。このシステムによってコーナーではマシンが沈み込んでグリップが増す一方、ストレートでは車高が若干高くなりドラッグが減少するというシステムです。今回出品される「ウイリアムズ・FW14B」は、1992年シーズンの世界選手権のうち13戦を戦った個体です。このうちの7戦を「ナイジェル・マンセル」氏が走り、優勝5回、2位1回という成績をあげました。
V型10気筒3.5Lのルノー製エンジンを搭載し、一般には「レッド5(レッド・ファイブ)」の名で知られているこのマシンは、ボナムス社によれば「当初ウイリアムズ・グランプリ・エンジニアリングが保有した後、個人所有者の手に渡った。入念に管理されていて保存状態は良好」だということです。この「ウィリアムズ・FW14B」は今も完璧な状態での走行が可能で、実際に最近走行を行なっているということです。だが、次のオーナーになる資産家が誰であれ、実際に走行を楽しむためにはウイリアムズのソフトウェア・エンジニアの手を借りなければならないでしょう。ボナムス社のモータースポーツ担当ディレクターである「マーク・オズボーン」氏は「若く、自分の気持ちが国とともにあった私は、華麗さに満ちたウイリアムズの英国製マシン、なかでも“レッド5”を愛国心を持って畏敬の眼差しで見ていた」とコメントしています。「(今回出品される)シャシーナンバー8は大いなる讃美を浴びてきた、(FW14Bのなかでも)最高の1台だ。マンセルはこれを走らせてシーズン最初の5戦を連勝した。FW14Bは当時も今も、最も高機能なF1マシンのひとつであり、我々ボナムス社がモータースポーツにおけるこれほど伝説的なマシンの競売を委託されたことを名誉に思う」とコメントしています。気になる落札価格は300万ポンド(約4億2600万円)近辺と見られている。つまりこれが、スムーズで高速な走りを手に入れるための値段ということです。