あわせて読みたい記事:【名機と呼ばれたエンジン】トヨタ4A-G搭載車リスト・スペック
あわせて読みたい記事:【R30スカイラインRSターボ】グループAニスモ仕様のスペック
あわせて読みたい記事:【ランキング】1980年代:人気の国産名車・旧車ーBEST10
1980年代の名車として外すことのできない一台が「トヨタ・AE86レビントレノ」。コンパクトな車体にツインカムエンジンを搭載し、リジットサスペンションでFR駆動という基本スペックに無限といえるほどの豊富なチューニングパーツによって自分の好みに仕上げることが出来るマシンとしても人気です。そして、モータースポーツで活躍したAE86は、グループAレースにおいても欠かせない存在でした。実際にはAE86はグループA規定のラリーに参戦しており、プライベーターに人気があったようです。では、市販車とグループA仕様のAE86には、どのような変更点がありチューニングされていたのでしょう。市販車のスペックを参照して、当時の仕様と比べてみましょう。
AE86のエンジンは4A-GEU型で、3Aブロックをベースとした1.6Lに16バルブDOHCヘッドが組まれたエンジン。ノーマルではグロス値で、最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpmという性能です。これにグループA用として公認されたカムシャフトやピストン、ECUなどを変更することにより、175ps/9200rpmまで出力アップされていたようです。ハイカムによって超高回転型エンジンのセッティングとなっていたようです。足回りについては、サスペンションはグループA規定なのでフロント/ストラット、リア/5リンクリジッドのノーマル形式を使用するようになっており、それをスプリングとショックアブソーバーで固めたセッティング。しかし、大きな問題となったのはリアサスペンションで、5リンクだったためにラテラルロッドの取り付けからレースのために大きく車高を下げると車軸が横にずれてしまうことになりました。グループAではピボット位置の変更ができないので対応が難しかったのです。そのために1600ccクラスではホイールが8インチとナローなサイズに規制され、接地面を稼ぐために、タイヤ大径化する方向を採っていました。しかし結果として、車高をあまり下げられなかったため対応できたという面もあったのです。大径タイヤの採用に伴ってデフのファイナルギアレシオは4.3、もしくは5.125と低められていました。
AE86は1.6L以下のディビジョン1という一番排気量の小さいクラスに属していました。プライベーターが出やすいクラスともいえ、1985年のインターTECには出走38台中9台という最大エントリーとなっていました。ここで速さを見せたのが、鈴木恵一/土屋圭市の「ケイイチコンビ」が乗るアドバンカローラだったのです。
土屋圭市氏は「1984年に富士スピードウェイのAE86フレッシュマンレースに参戦していた。TRDとヨコハマが、そこでダントツのチャンピオンを獲得したら翌年、グループAの86に乗せてやると言ってくれたので頑張ったね。たしか全7戦のシリーズで、開幕から6連勝したんだ。最終戦は出ていない。7戦走るつもりで資金も用意していたんだけど、富士スピードウェイから『最終戦は出るな。お前が走ると他のヤツがやる気なくなって出場しなくなるから』と言われてね。それで1985年は約束どおり86でグループAに参戦した」。と振り返っています。