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「THE SPORTS OF TOYOTA」をキャッチコピーに、A80系スープラは1993年にデトロイトモーターショーにて公開され、同年5月に販売開始されました。 1810mmワイド&1275mmローフォルムの2+2シーターボディが特徴的でアメリカンテイストなエクステリアデザインでした。パワートレインは、ストレート6(シックス)直列6気筒3Lのみというエンジンに自然吸気のDOHC(2JZ-GE:225馬力/29.0kgm)と同ツーウェイツインターボ(2JZ-GTE:280馬力/44.0kgm)の2ユニットを設定していました。それぞれ4速AT、もしくはツインターボは6速(ゲトラーグ社製)、自然吸気は5速マニュアルの選択が可能で、装備充実の「GZ」とスポーティな「RZ」、それに自然吸気「SZ」の全3グレード設定していました。前後異サイズのタイヤに、RZはビルシュタイン社製ショックアブソーバーを採用。採用されるサスペンションは4輪ダブルウイッシュボーン。前後ブレーキはもちろんベンチレーテッドディスクで、トップモデルのRZには17インチ対応の大径タイプとスポーツABSを標準装備していました。1995・1996年にスープラLM-GTでル・マン24時間レースに参戦したほか、SUPER GTのGT500クラスに参戦。「日産:スカイラインGT-R」や「ホンダ:NSX」と戦いを繰り広げ、2002年の生産終了後も2006年に「レクサス:SC」に交代するまで第一線で活躍し、1997年トムス、2001年セルモ、2002年チームルマン、2005年セルモの4度チャンピオンに輝いています。
「東京オートサロン 2018」の初日に併催されたオークション「BH AUCTION」に、トヨタの名車ともいわれる1994年型「トヨタ・スープラ」のカスタムマシンが出品されました。しかも平凡な改造車ではないのです。日本のメジャーなチューニング・ショップ、「トップシークレット」が手掛けたマシンでゴールドカラーのJZA80型スープラには、ボンネットの下に換装されたV型12気筒エンジンが搭載されており、驚異的なスピードで有名な1台です。単純にエンジンのシリンダー数は2倍に増えているわけですが、ボンネットの下に積まれているV型12気筒エンジンはフェラーリやアストンマーティン製ではなく、日本市場専用の高級セダン「センチュリー」に搭載されていた、トヨタ自社開発による排気量:5.0リッターV型12気筒エンジンなのです。
チューニングショップ「トップシークレット」の改造は、単にエンジンを載せ換えただけではなく、エンジンの内部にまで手が入っています。ピストンやコンロッドなどを強化パーツに交換した上で、片バンクに1基ずつのHKS製GT2835タービンを装着しています。さらに「N2O(亜酸化窒素)噴射システム」を追加することで、最大ブースト圧時には最高出力:943psと最大トルク:103kgmを発揮するポテンシャルを備えているのです。これを後輪に伝えるトランスミッションは純正のゲトラグ社製6速MTではあるものの、レクサス用のファイナル・ギアを組み合わせてハイギアード化されているということです。パワートレインのアップグレードに加え、エクステリアには「トップシークレット」のSUPER G-FORCEワイドボディフルキットが装着されているので、正面から見ると「トヨタ・スープラ」とは認識し難いが、グリーンハウスとテールライトにベース車の面影が残っています。
以上のように、パワートレインだけを見ても特別な1台と言えますが、素晴らしい最高速度もこの「トヨタ・スープラ」の価値を高めているのです。「トップシークレット」代表の「スモーキー永田」こと「永田和彦」氏は、2008年に同車をイタリアのナルド・テストコースで走らせ、最高速度:358.22km/hを記録しているのです。
そして、「BH AUCTION」におけるオークション落札価格は下記の通りです。
1994 Topsecret TS8012V(JZA80改) … 900万円