【西部警察】サファリ(指令車)のスペック・改造費用・登場シーン

【西部警察】サファリ(指令車)のスペック・改造費用・登場シーン

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カーアクションで迫力あるTVドラマに「西部警察」を挙げる方も少なくありません。印象に残っている特殊車両として「フェアレディZ(スーパーZ / 130型)」、「スカイラインRS(RS軍団 / R30型)」を思い出す方も多いでしょう。しかし、今回は「鳩村英次(舘ひろし)」を隊長とする特別機動車両隊(通称・特機隊)の旗艦となる司令車として開発された「西部警察:サファリ」に注目してみましょう。このマシンは、「犯人を殺さずに逮捕」という設定で開発されたそうです。ベースモデルは1980年に登場した初代モデルとなる「日産 サファリ エクストラバン(VRG160型)」となっています。


「エクステリアデザイン」

まず、迫力のフロントマスクは、延長されたフロントバンパーに4.7トンまで耐えられる「ウインチ(劇中では未使用)」、直径40mmの「鋼管製グリルガード」、「IPF製(当時はシビエ製)」のフォグランプなどが追加されています。ボディサイドには「オーバーフェンダー」が装着され、全幅はノーマルの1,690mmから1,800mmに拡大されています。

  • (出典:blog.livedoor.jp)

そして、リア周りに注目するとリアドアは上下二分割式に変更されており、上部のパネルを上に開いてから下部のドアを開閉させる方式が採用されています。ちなみに上部のパネルには西部署管内の地図(まだお台場地区がない当時を思い出させる物)が設置されています。実はあまり知られていないそうですが、左側のリアクォーターパネルは開閉可能となっているそうです。これは撮影用に設置されたということのようです。その一方で、右側ドアとクォーターウィンドウはボディパネルと一体化されているため開閉することはできません。リアドアはノーマル同様に左右観音開きの仕様です。

  • (出典:ameblo.jp)

アルミホイールは「エンケイBAJA」、タイヤは前後共に「RIKEN LT7」が装備されていますが、前後でサイズが異なりフロントは7.00-15 8PR、リアは7.50-15 10PRを装着しています。リアが1サイズ大きいタイヤなのは、見た目はもちろん装備追加による重量増に対応するためとされています。ちなみに車両重量はノーマルが1,600kg~1,700kgに対して大幅アップの2,280kgとなっています。放送当初よりタイヤとフェンダーのクリアランスが狭くなっているのは、重量の影響によると考えられています。

  • (出典:autoc-one.jp)

ルーフはリアセクションのみハイルーフ化され、室内のスイッチにより電動で開閉が可能ということです(実際にはスライド後に支柱を立てて支える)。このルーフに設置されるのは、拳銃では対抗できない犯人を制圧するための2機の「放水銃」です。放水銃は脱着式でルーフ開閉時に装着が可能で、車両後部に設置されている給水口からルーフ部まで配管が綺麗にレイアウトされています。


「インテリアデザイン」

  • (出典:autoc-one.jp)

運転席周りは他の特別機動車両と違いノーマルを維持しています。機械式のAMラジオ、エアコンレスの空調など時代を感じさせる仕様となっています。ただ、インパネやステアリング、マットはブラウン、シートやドアパネルがブラックのカラーとなっているのは、恐らく撮影のため(映り込みや反射防止)の配慮と思われます。

  • (出典:autoc-one.jp)

ノーマルでは3人乗りの後席は1名乗車に変更されています。このシートはスイッチによりリフトアップすることが可能で、放水銃の操作はもちろん銃撃も可能ということです(足場もシッカリと設置、シートの後方にはリフトアップ用の油圧制御系も設置されている)。

  • (出典:autoc-one.jp)

ここに設置されている特殊装備やアイテムは多岐に渡ります。まずセンターには、車両周辺を監視するためのモニターが設置されています。カメラ本体はルーフを開け、各種メーター(サファリ本体や放水タンク車の情報を表示)の下にある操作パネル左端のスイッチにより最大4.5mまで伸ばすことが可能です。このポールには無線レーダーアンテナも装着されており、50km四方を探知可能なサーチレーダー(中央の丸い画面)に直結しています。車両監視モニター上部の小さなモニターには、右側に設置されたコンピューターではじき出された答えや、西部署から伝送される犯人の情報を映しだすことも可能です。

  • (出典:twitter.com)

各種メーターの上には通常の無線機、左ドアに設置される「赤い電話」は警視総監室へのホットライン(現在は装着されていないが「白い電話」は通常電話だった)、右側壁面のパネルに設置されるのは衛星中継も可能な特殊無線機(車両右リアに設置される長いアンテナがそれ用)を装着しています。モニターの右側壁面にあるのはルーフに装着されるサーチライトの操作スイッチです。

  • (出典:minkara.carview.co.jp)

また右側の壁面後方には発表当初はレスキュー工具などが設置されているとアナウンスされているますが、現在は各種制御盤がレイアウトされています。


「ドライブトレイン」

パワートレインは、排気量:3.200ccの6気筒のNAディーゼル「SD33」型エンジンで最高出力:95ps / 3,600rpm、最大トルク:22.0kgm / 1,800rpmとなっています。このエンジンに5速MTの組み合わせです。基本はノーマルですが、リアには放水用の配管が装着されているのでサイドマフラー仕様に変更されています。この「SD33」型エンジンは、3~3.5トンクラスのトラックにも搭載されていたエンジンで、規制前のディーゼルということもあり中低速トルクの強さには定評があったようですが、車両総重量2,280kg+放水タンクを合わせると車総重量:4,465kgという重さになるためにポテンシャルは低下していたかもしれません。劇中では犯人追跡時は素早くタンク部分を切り離していました。ちなみに走行距離は7,825kmと、恐らく現存する初代サファリの中では最も少ない走行距離かもしれません。


「放水用タンク車」

連結される「放水用タンク車(警視庁 特別機動 0112・日産ギャラリーでは未展示)」に2機の「放水ポンプ(片吸込1段タービンポンプ式・55ps×2)」が内蔵されており、その能力は毎分2.9トンという本格的な物が搭載されています。放水銃は1平方センチメートルあたり14kgという高圧で、最大射程距離は約100mの性能を誇ります。実際にプレハブ住宅なら3分程度で破壊する能力を持っているようです。ちなみにフロントバンパーにも「散水銃」を装備しています。これは水煙により敵の目をくらませるアイテムです。車両下部に配管が縫うように設置されていることにも緻密な設計の後を垣間見ることができます。


「改造費・登場シーン」

驚くべきは製作期間や費用で、製作期間は6カ月、製作総費用は、5,000万円だったと言うことです。そして、活躍が見られるストーリーは、「西部警察 パートI 第111話:出動命令・特車“サファリ」、「西部警察 パートII 第10話:大追跡!! 静岡市街戦」(サファリの放水攻撃を受けた犯人車輌が転落して爆発炎上!しています)、「西部警察 パートII 第18話:広島市街パニック」(ジャックされた広島電鉄の路面電車への放水!しています)、「西部警察 パートIII 第17話:吠えろ!! 桜島 鹿児島編」(敵の基地に放水→電気系統がショートして大爆発を誘発!)などが主な活躍シーンです。

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