【FC3S型RX-7】Gr.5の後継JSSレース車両のスペック

【FC3S型RX-7】Gr.5の後継JSSレース車両のスペック

あわせて読みたい記事:【トミーカイラ・M20】現存数は5台前後の希少R31のスペック

あわせて読みたい記事:【スカイライン スーパーシルエット】サーキットの軌跡・スペック

あわせて読みたい記事:【マツダ・RX-7フォーチュン】ワイルドスピード仕様のスペック

パワーウォーズと呼ばれた1980年代の半ばとなる1985年10月に、モデルチェンジを行って2代目モデルの「マツダ・サバンナRX-7(FC3S型)」が発売されました。従来の573cc×2の「12A型」ロータリーエンジンから排気量をアップ、654cc×2の「13B型」のロータリーエンジンにターボチャージャーを装着して最高出力:185PSと高出力化を図っています。1983年2月に『史上最強のスカイライン』というキャッチコピーで発売された最高出力:190PSの「日産・スカイライン2000ターボRS」や同年の9月に3リッターターボエンジンで最高出力:230PSを誇り『較べることの無意味さを教えてあげよう』と謳いデビューした3代目モデルの「日産・フェアレディZ(Z31型)」には数値上で劣るものの、最高出力:185PSを発揮したことで激化する国産スポーツカーの戦いに加わりました。

そして、比較対象とされたクルマたちとは、明確に目指すものが異なり、コンセプトに『理想のスポーツカーとは、それを思う人の心の中にある。自由な感性を持つ大人のためのスポーツカーをつくろう』と掲げ、高出力で速いだけではない“スポーツカー”を目指したモデルとして開発されていたのでした。初代モデルから大きく進化したのは、リアサスペンションを車軸懸架からセミトレーリングアーム マルチリンクの独立懸架としたことや、『ハンドルを切り始めた横Gが低いときは回頭性を高め、横Gが高くなると安定性を高める』という仕組みを作り従来と異なる操縦性を実現しました。ほかにも、ブレーキや足回りに当時としては『レーシングカーでは?』と思われるような装備を市販車に投入したことからも、この車に対する「マツダ」社のこだわりを知ることができます。

また、2代目モデルの「サバンナRX-7」には『∞(アンフィニ)』というグレードが台数限定で追加されています。輸出仕様の2シーターモデルと同様にリアシートをなくして荷物スペースとし、専用のサスペンションチューニングが施され、BBS社製ホイールを装着したモデルです。その後、マイナーチェンジにより標準仕様でも最高出力:205PSまで出力向上していますが、「∞」はさらに上の最高出力:215PSまでパワーアップさせています。市販車としては、ハードな設定のサスペンションやMAZDASPEED製のリクライニング機能を持たないフルバケットシートを左右に装備するなど、単に速い車ではなく『運転を愉しめるスポーツカー』を欲する層に対して強くアピールしました。2代目の「サバンナRX-7」は、発売当初からポップアップとスライドの機能を持った2ウェイサンルーフを装着した「GT-Limited」がありました。元々、ルーフ面積が小さい車で、室内高を確保するため外側にスライドする方式のために開口面積は小さかったのですが、1980年代から国内でも増えていたサンルーフ仕様車は、若者のみならず運転中の開放感を求めるドライバーたちに好まれていました。そして、1987年8月に「マツダ」は、2代目モデルの「サバンナRX-7」にオープンボディの「カブリオレ」を追加設定しています。

「サバンナRX-7カブリオレ」は、2シーター化され、電動のソフトトップを開ければ頭上には何も残らない仕様でした。スポーツカーをベースにしたオープンボディは、ヨーロッパの自動車メーカーが多く製造していましたが、それらのように美しいフォルムを持っていました。オープンでの走行時にも、風の巻き込みを抑える空力を後方部に施したり、音量を上げなくてもオーディオが聴こえるようにヘッドレストにスピーカーを埋め込むなどさまざまな工夫がされたクルマです。この時に、得たさまざまなデータが、その後のマツダ「ロードスター」に活かされているといわれています。その後、1991年に3代目モデルの「マツダ・RX-7(FD3S型)」が発売されたあとも、「サバンナRX-7カブリオレ」だけは1992年10月まで販売され続けました。


「マツダ サバンナRX-7 ウィニングリミテッド」:スペック

このモデルはル・マン24h総合優勝記念の1000台限定特別仕様車で、「サバンナRX-7 GT-R」をベースにエアロパーツ、BBSアルミホイール、ストラットタワーバー、momo製本皮ステアリングを装備し、シェイドグリーンとブレイズレッドを設定したモデルです。

  • 型式:E-FC3S型
  • 全長 × 全幅 × 全高:4,335mm × 1,690mm × 1,270mm
  • ホイールベース:2,430mm
  • トレッド(F/R):1,450mm / 1,440mm
  • エンジン型式:13B型
  • エンジン形式:水冷 654cc×2ローターICターボ
  • 最高出力:205ps / 6,500rpm
  • 最大トルク:27.5kgm / 3,500rpm
  • トランスミッション:5MT
  • 駆動方式:FR
  • サスペンションシステム(F/R):ストラット / マルチリンク(セミトレーリング)
  • ブレーキシステム(F/R):ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
  • 車両重量:1,250kg

「モータースポーツの活躍」

あわせて読みたい記事:【FD3S型RX-7】13B改4ローターコンプリートのスペック

初代モデルの「サバンナRX-7」がそうであったように、2代目モデルの「サバンナRX-7」もモデル末期までレースの世界で高い評価を得ました。国内のレースシーンにおいても、「ハチロク」こと「AE86型:カローラレビン/スプリンタートレノ」をマニアたちに広めたと言われる「土屋圭市」氏も、90年代前半に2代目モデルの「サバンナRX-7」でレースにエントリーし、その派手なパフォーマンスでレース好きの若者を虜にしていきました。そのレースとはジャパン・スーパースポーツ・セダンレース(JSS)の開催です。富士スピードウェイで、GCのサポートレース的に開催されていたから、あまり知名度は高くはありませんでした。しかし、フルチューン市販車がスリックタイヤを履いて激走するシーンは、当時のマニアックなファンを魅了。ベースは市販車ながらエンジンや足回りはフルチューンが許され、DOHCは3500cc、SOHCは4000cc、ロータリーは係数計算で3000ccまで許されていた。さらに外装もグループAなどと違い、派手なオーバーフェンダーやリアウイングなどというレギュレーション。


「FC3S型RX-7 JSS仕様」:スペック

あわせて読みたい記事:【マツダ・RX-7シルエットフォーミュラ】 IMSA仕様の軌跡

そのJSSに参戦していたマシンとして現存する個体が、今回紹介の「RX-7(FC3S型)」。

REOMというレーシングガレージが製作した車両で、タイヤが生産中止となってから倉庫に眠っていた個体。筑波サーキットを1分3秒台でラップするセッティング。

エンジンはREOMでオーバーホール。その後ミッションのオーバーホール、足の組み直し、配線のやり直し、ボディの修復など。クワイフ製のミッションは試作品でドグミッション。

純正ペリフェラルポート仕様の13B型に装着されるキャブはダウンドラフトのウエーバー48IDA。ベンチュリーをφ51mmに加工してある。

エンジン搭載位置も低く中央寄りに変更。オイルクーラーはノーズ下回りにもある。

タイヤは当時のダンロップレーシングのバイアススリック。すでに生産中止されているため、走行の場合はSタイヤなどに変更する。

ホイールはSSRメッシュでフロントが9J、リアが10Jとなる。

cimashimashimanchu