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名車、そしてポルシェのヒストリーに欠かすことのできない存在といわれる「ポルシェ・911カレラRS 2.7」が「ポルシェ創立70周年」を記念して行われる「RM Sotheby’sオークション」に出品されるということです。しかも、このモデルというのが「ポルシェ」社が唯一4台のみ製造した1973年式の「ポルシェ・911カレラRS 2.7・プロトタイプ(テスト走行用)」モデルということで注目されています。出品予定となっているこの個体は、生産台数4台の中の2台目に製造されたもので、シャシーナンバーは「9113600012」として登録されています。そして、製造年月日は未だ不明であるものの、1972年4月に生産されたと考えられています。
では、このプロトタイプと量産モデルのどの部分が異なっているのか?この最大の違いといえるのは、「1973:カレラRS2.7(ナナサンカレラ)」のエクステリアで大きな特徴となっているダックテールのリヤスポイラーが無いということです。しかも、85Lの燃料タンクやターンシグナルの周りのクロムトリム、および黒塗りのエンジンベイが含まれているということです。
この個体のボディカラーは「シグナル・イエロー」と呼ばれるレトロなカラーを採用しており、1973年モデルの販売パンフレットに掲載された一台となります。実際この個体は、ポルシェのエンジニアやテストドライバ、ジャーナリストによってテスト走行のために使用されていたと伝えられています。
パワートレインは、排気量2.7L 水平対向6気筒SOHC 12バルブエンジンを搭載し、最高出力210ps/6,300rpm、最大トルク255Nm/5,100rpmを発揮するポテンシャルを備えています。
駆動方式は、もちろん「ポルシェ・911」の後輪駆動(RR)です。また量産モデルと比較すると、車体重量は僅か1,075kgと非常に軽量ですが、このプロトタイプモデルはもう少し重いといわれています。
今回、「RMオークション」に出品される個体の予想落札価格は約1.42億円~約1.71億円と驚異的なプレミア価値を持っています。