【S30/S31型フェアレディZ】LYヘッド搭載エスコート仕様

【S30/S31型フェアレディZ】LYヘッド搭載エスコート仕様

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1969年、日本国内ではSUツインキャブレターを装備したSOHCのL20型と、当時の旧プリンス系で開発されスカイライン2000GT-Rに搭載されていたソレックスツインチョークキャブレターを3基装備したDOHCのS20型の2種類の直6 2.0 Lエンジンが設定されてデビューしました。今や世界的な日本の国産名車として知られる「ダットサン(日産):フェアレディZ」として現代でもチューニングマシンとして人気を誇っています。そして、今回登場するマシンは「240ZG仕様」のカスタムマシンです。


「エクステリアデザイン:240ZG当時仕様」

  • (出典:option.tokyo)

この「S31型:フェアレディZ」ですが、エクステリアデザインは「Gノーズ」、「ライトカバー」と「オーバーフェンダー」を装着し「フェアレディ240Z」をモチーフに、当時の走り屋スタイルに仕上げたカスタムマシンです。しかも、注目のポイントの一つは、後期型の「S31型:フェアレディZ」に希少なレース用マグホイールの組み合わせられています。

  • (出典:option.tokyo)

タイヤは255/45-15を装着しており、ブレーキシステムは当時のレース用4ポッドキャリパーに「S14型:シルビア」用のマスターシリンダーを組み合わせてフィーリングアップさせています。マスターバックの移植は、専用のアダプターを製作して強固に行っています。

  • (出典:option.tokyo)

「Gノーズ」に「S130型:フェアレディZ」用ボンネットダクト、ナポレオンのバックミラーなどエクステリアは当時の走り屋スタイルとして仕上げられています。


「パワーユニット:幻のLYヘッド」

「S30系:フェアレディZ」であれば、オリジナルは「L型」エンジン、希少な「432/432R」で「S20型」エンジンが搭載されています。しかし、このカスタムマシンのボンネットに収められているのは、レース用オプションパーツの「LYヘッド」を搭載しているのです。この「LYヘッド」というのは、ターンフローで燃焼効率のよくなかった「L型」エンジンを根本的に見直す形で開発されたもので、クロスフロー化された「LYヘッド」は、市販モデルには設定されなかった幻のレース用パーツとなっています。ボルトオンの改造キットではなくクランク・フライホイール・カムチェーンのコマ数や動弁機構も異なるために改造は大掛かりなものとなるパーツです。また、燃料供給がミクニ・ソレックスPHH50φが指定となっているために燃料ポンプの交換も必要となっています。マニュアル指定の組み込みを行ったLY28型ではSOHC2バルブのまま、最高出力:300PS/7,600rpm、最大トルク:32.0kg·m/6,400rpmのスペックを誇ります。実際に資料によれば、この「LYヘッド」というのは「L28型」エンジンと組み合わされることで、NAのままで最高出力:300psを発揮した、とされています。市販パーツとはいえ、この「LYヘッド」を組み込んだL型エンジンは生粋のレーシングユニットと言っても過言ではない性能を発揮していたとされています。ちなみにヘッドカバーにはマグネシウム、バルブは中空のナトリウム封入式とされるなど、当時の最先端の技術や素材が使われています。これほど貴重な「LYヘッド」搭載エンジンに、最先端のチューニング技術を組み合わせ、ツインターボ化されたのが今回にカスタムマシンとなっています。エンジンの製作を担当したのは、ドラッグチューンでも知られる「エスコート」社です。2バルブ、クロスフローの「LYヘッド」に合わせたターボ用のピストン製作にはじまり、エキマニを中心にした補機類のセットアップなど、内部パーツや補機類はワンオフのパーツが多数使用されています。制御システムは、「RB26型」エンジンのインマニを加工したインマニ&デリバリーにインジェクターを装着して燃料を供給、点火系もデスビを加工して装着されたクランク角センサーなど「RB26型」エンジンから移植されているということです。制御CPUはモーテックを採用しています。

  • (出典:option.tokyo)

ターボチューンされた「LY28改3.1L仕様エンジン」は、最先端の制御システムを組み込むことで、当時では考えられなかった快適で完璧なエンジンに仕上げられているということです。しかし、一方で超高価 (一説によると部品だけで300万円)であり、しかもレース用としてしか販売されなかったこともあって、実働する「LYヘッド」搭載車は世界でわずかに4台しか現存していないということも言われています。装備されたタービンはTD06-20Gツインを装着しています。エンジンのパフォーマンスからしても最高出力:600ps程度までは軽く見込める内容ということですが、駆動系のキャパシティや貴重なヘッドの耐久性などを考慮してパワーを制限しているということです。ワンオフのアダプターを製作し、「LYヘッド」に「RB26型」エンジン用のインマニをドッキングしてインジェクターを装着しています。サージタンクは「RB26型」エンジン用をボディに合わせて加工、スロットルはシングルタイプとしています。

  • (出典:option.tokyo)

点火系のパーツも信頼性の高い「RB26型」エンジンのシステムを採用しています。デスビは廃止され、「RB26型」エンジン用のクランク角センサーを移設しています。


「インテリアデザイン:シックで上品な仕様」

  • (出典:option.tokyo)

シートはレカロ製のスポーツJJを装備しています。最新のリクライニングバケットは、ビジュアルもドライブフィールも旧車の質感を大きく高めてくれるということで採用しています。ロールケージ、バッテリー移設、社外メーター、ステアリング…etc。


「S31型:フェアレディZ・エスコート仕様」:スペック

  • (出典:option.tokyo)
  • エンジン型式:L28(LYヘッド搭載)
  • 排気量:3,100cc仕様
  • 最高出力:600psオーバー(LYヘッドオリジナルスペック:300ps / 7,600rpm)
  • 最大トルク:32.0kg·m/6,400rpm
  • エンジンチューニング内容:エスコート製オリジナルエンジン、RB26型エンジンから流用加工、モーテック制御システム…etc
  • マフラー:オリジナルマフラー
  • エキマニ:オリジナル
  • ミッション:5速MT
  • エクステリア:ボディカラーレッド、ライトカバー、ナポレオンミラー、オーバーフェンダー、ボンネットダクト、リアスポイラー
  • インテリア:レカロ製スポーツJJシート、ロールケージ、ステアリング、社外メーター…etc
  • サスペンションキット:エスコート製オリジナル
  • ブレーキシステム:レース用4ポッドキャリパー、S14型シルビア用マスターシリンダー
  • ホイール:レース用マグネシウムホイール
  • タイヤ:255/45-15
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