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1981年に登場した6代目モデルの「スカイライン(R30型)」です。デビュー当初は「GT」スポーツとして登場し搭載していたエンジンも「L型6気筒SOHC」と「ハコスカ・ケンメリ・ジャパン」のパワーユニットを継承していました。そして、このスカイライン時代に「RS(DR30型)」というグレードが登場することとなりました。なんと「L型6気筒」から排気量:2,000ccの直列4気筒 DOHC 4バルブの「FJ20型」エンジンを搭載したモデルだったです。「S20型」エンジン以来のDOHC 4バルブエンジンはNAの自然吸気ながら最高出力150PSを誇りました。のちに、ターボチャージャーを装着した「2000ターボRS」を追加します。このターボモデルは最高出力190PSとなり「史上最強のスカイライン」と呼ばれることになります。1980年代のパワーウォーズを牽引し、その後インタークーラー付きの「RSターボC」が登場し、当時としては高出力の205PSというスペックを誇っていました。この当時の「RS」シリーズと言えば、前期型(通称:三本グリル・半魚人)の赤いクルマがテレビドラマ『西部警察』の劇中車「マシンRS」として登場し子供から大人まで人気となりました。また後期型はフロントグリルのないスタイリングで『鉄仮面』とも呼ばれていました。モータースポーツでも「ハコスカ」以来のカムバックを果たし「スーパーシルエットフォーミュラ(Gr.5シリーズ)」で活躍し「日産ターボ軍団」の一角を担っていました。
今回、カスタムマシンとして登場するのは、後期型の「鉄仮面」、「DR30型:スカイラインRSターボC」です。宮城県富谷市に店舗を構える実力派チューニングショップ「スクリーン」社がカスタマイズした個体で「DR30」の中でも最高出力:205ps仕様の「RSターボC」がベースモデルとなっています。仕様としては、ゼロヨン仕様として製作された1台ということです。
異端児と呼ばれた4気筒DOHCエンジンである「FJ20ET」型エンジンは、カムカバーの赤い結晶塗装が特徴です。このエンジンを純正2mmオーバーサイズとなる東名製の91φ鍛造ピストンで排気量を2.1Lまで拡大させています。そして同時に、パワーアップに対する耐久性の向上を狙って、コンロッドはクロワー製I断面に交換されています。
さらに、ヘッドにはIN/EXともに272度のHKSカムシャフトが組まれ、吸気系には効率アップを狙ってインフィニティ90φスロットルとワンオフサージタンクが導入されています。エンジンに組み合わされるタービンは往年の名機「K27MOJ」です。HKS製のフルコンF-CON Vプロによるシステム制御で、最大ブースト圧1.7キロ時に最高出力は450psを発揮させています。ハイパワーエンジンにあわせて駆動系も強化しており、トランスミッションをノーマルの「FS5W71B」から「R33型:スカイライン」の「FS5W71C」に換装して、パワーに対する耐久性を高めながら、同時にシフトフィールの改善も実現しているということです。さらにジャダーを防ぐためにデフマウントのリジッド化を行っているあたりも、ゼロヨン仕様ならではのカスタマイズです。
足まわりは、ドラッグ仕様の減衰力特性とされたエナペタル改車高調整式サスペンションシステムに、ベステックス(F)/HKS(R)スプリングという組みあわせています。ブレーキはパッドのみルービックスに交換されています。ホイールは、「SSR GPシータ(F8J×17+37 5mmスペーサー/R9J×17+37 30mmスペーサー)」をセットしています。
インテリアはスパルタン仕様です。コクピットはゼロヨン仕様ならではの作りで、ダッシュボードには追加メーターが配置されています。メーターパネル右側にトラストブースト&排気温計、左側にアペックス油温計とオートメータータコメーター、センターコンソールにはオオモリ水温/油温/排気温がセットされています。