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「ランボルギーニ」社がついに待望の「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」を公開しました。この「アヴェンタドール」にはいくつか大きなトピックがあり下記のようなポイントを抑えておきたいものです。
1:「ニュルブルクリンク市販車最速」
「ニュルブルクリンク市販車最速」というポイントの重要性については「ポルシェ・911GT2RS」が「ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ」から奪った王座を奪還し、見事王座に君臨したということです。
2:「J(イオタ)」の称号が復活
この意味は非常に大きく、伝説とも言える「J(イオタ)」を「ランボルギーニ」社が公式に市販車に用いたことは歴史的にも大きな意味を持つといえるでしょう。
3:「ガソリンエンジンのみで走る、最後のアヴェンタドール」
「ランボルギーニ・アヴェンタドール」は、すでにフェイスリフトを終え、あとはそのライフが4年ほど残るのみのモデルです。そして、その後に登場する「アヴェンタドール」の後継モデルは「ハイブリッド」になるため、この「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」は「純粋なガソリンエンジン駆動」のV型12気筒エンジン搭載としてはランボルギーニ最後のクルマ、ということになることが公表されています。
下記はトピックのまとめです。
さらに興味深いことに、「ランボルギーニ」社が今回発表したのは「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」のみではなく、「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ 63」も公開したことにあります。
この「63」はランボルギーニが創業した年である「1963年」にちなむ数字です。では、どのような違いがあるのでしょう。
「アヴェンタドールSVJ」に積まれるエンジンは6.5リッターV12で、出力は770馬力となっています。また0-100キロ加速は2.8秒、0-200キロ加速は8.6秒、最高速度は350km/hとなっており、100km/hから停止までに必要な距離はわずか30メートル、とのことです。エンジンそのものついてはチタン製のインテークバルブ採用、新設計のインテークランナー、改良されたインテークシリンダーヘッドを持つ仕様となっています。トランスミッションは「7速ISR(ロボタイズドMT)」ですが、増加したパワーとトルクに対応すべく再キャリブレーション済みとなっています。4WDシステムについても見直され、3%だけ後輪寄りの設定になっています。あわせてブレーキシステムも再調整され、「より短い距離で止まれる」つまりブレーキングにかかる時間を短縮し、そのぶんサーキットでのタイムを向上できるように改良がなされ、トラクションコントロール、ABSも当然ながら「よりスポーツ走行」に適した設定へと再チューニングされている、と公表されています。
また車体重量については、1,525kg、そしてパワーウエイトレシオは1.98となっています。この重量が1,525kg、とういうのは「アフヴェンタドールSV」と同じ数値ですが、様々なデバイスが付加されたことを考えると重量が増えなかったのは素晴らしい軽量化が図られている考えることができるでしょう。この軽量化は様々な手法で実現されていますが、とくに「アヴェンタドールSVJ専用のリアフード」も大きく貢献しているのかもしれません。重量自体は記載されていないものの、「カーボン製」だと記されており、加えて「開閉式」ではなく、エアロキャッチ(クイックリリース)を用いた「取り外し式」のようです。つまり、ダンパーやヒンジがなく、そのぶん「トータルで軽い」ということ、そして車体上部の重量を大きく軽減できている、ということも意味します。その分エンジンは「ほとんど見えない」ことになりますが、アヴェンタドールSVJだけが持つ「Yアロー」シェイプのデザインが特別感を醸し出しています。
「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」は、「アヴェンタドールS」同様にリアホイールステアリングを持ち、ダウンフォースを40%強化(フロントで最大190kg、リアで最大300kg)しながらもドラッグを1%軽減していることも特徴で、より一層「効率的になった」と言えます。エアロダイナミクスでいえば「アクティブエアロシステム(ALA=Aerodinamica Lamborghini Attiva)」が与えられたことも大きなトピックであり、これは「ウラカン・ペルフォルマンテ」同様に、必要なときにダウンフォースを強化し、不必要なときにはダウンフォースを「抜く」ことができるデバイスです。※「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」ではALA2.0に進化しています。
これによって、加速や直線など、大きなダウンフォースが不要な場合は、「抵抗」となるダウンフォースを軽減することで、より優れた加速や最高速度を実現できる、ということになります。さらにこの「ALA」では「左右でダウンフォースを調整する」ことも可能なので、コーナリング時に「浮き上がろうとする内輪」側のダウンフォースを強め、安定した姿勢を保つことも可能となっています。このダウンフォースの調整は「ダクト内に設けられたモーター」によって行われますが、システムそのものは非常に軽量で、その動作も500ミリセカンド以下、とのことです。リアの巨大なディフューザーは30%ダウンフォースを増加させている、とも紹介されています。
モデル名の「SVJ」について、SVは「スーパーヴェローチェ(イタリア語で”超””速い”の意味)」、そして「J」は競技附則”J”項に由来し、かつてランボルギーニのテストドライバー、ボブ・ウォレス氏が作り上げたクルマ、「イオタ」の由来となった文字でもあります。
「ランボルギーニ」社は今回の「アヴェンタドールSVJ」について「スーパーカーを超えた」と表現しており、デザイン、エアロダイナミクス、テクノロジー、効率性、パワーウエイトレシオ、パフォーマンスの面において、「パーフェクト・ドライバーズ・カー」と述べています。
エキゾーストシステム自体は軽量で、かつエンジンとの距離が近いために「短く」、それによる軽量化も可能になった、とのことです。エキゾーストシステムを「上に」移動させることでリアディフューザーの設計自由度も増した、と考えられます。なお、リアバンパーの形状についてはプレスリリースに「オメガ・シェイプ・デザイン」と表記されており、これが「ハの字デザイン」の正式名称と考えて良さそうです。
サスペンションにおいては、アンチロールバーが”アヴェンタドールSVに比べて”50%も硬くなり、ダンピングレートは15%も向上しています。ダンパー自体はマグネライドを採用しており、これは「ランボルギーニ」では「ランボルギーニ・マグネト・レオロジカル・サスペンション(LMS)」と呼ばれます。加えてパワーステアリングの設定も見直され、正確性と自然なフィードバックが得られるようになったようです。
「アヴェンタドールSVJ 63」は、ただでさえ希少な「アヴェンタドールSVJ」のスペシャルエディションで、「ランボルギーニ」社の創業年にちなんだ数字を持っています。
このモデルは「アヴェンタドールSVJ」に比べ、カーボンファイバーの使用面積が拡大しており、生産台数はわずか63台に絞られています。
「アヴェンタドールSVJ」に比較すると、Aピラーからルーフ、そしてCピラー、リアフード、ボディサイド、リアバンパーなどにブラックの面積が拡大しているようです。
「ゴールド」のアクセントが用いられており、スパルタンな中にも上品さを感じさせるスペシャルエディションだと言えます。こちらについては価格の公表はなく、当然ですがすでに「完売済み」だと考えられ、中古市場に出てくることもまず無さそうです。
なお、各国/地域における「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」の価格は下記の通りです。それぞれの通貨を日本円に換算したものがカッコ内の数字ですが、欧州と日本だけが「税抜き」となっています。欧州はおそらく付加価値税を入れると日本と同じか、それよりも高い価格になると思われ、「ランボルギーニ」に関しては日本は良心的な価格設定だといえるでしょう。