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アメリカのJDMシーンと呼ばれる「日本車カスタム」で盛んになっているカスタム手法が「ワイヤータック」というものです。これはその名の通りエンジンルームの配線類を「タック(隠す)」するというもので、エンジンルームをシンプルかつ綺麗に見せたいという目的から、今や広く浸透するようになったカスタマイズです。ワイヤーを隠し、エンジンルームをスムージングしたクルマはカーショーでも評価が高く、最近はエクステリア同様か、もしくはそれ以上にエンジンルームを作り込む事例も珍しく無ってきているようです。そのような中、今回登場する「ホンダ:シビック」は、「極限のワイヤータック」を目指して製作されたカスタムマシンです。
この「ホンダ:シビック」のカスタムを行ったのは、ワイヤータック用のハーネスを開発、販売している「Rywire」社で、オーナーは「Rywire」社の代表である「ライアン」氏です。エクステリアデザインは、シンプルですがボンネットを取り外し、エンジンルームむき出しのフロントセクション。スムージングとパネルによってスッキリしており、変更点といえば、前後のスポイラー、ドアミラー、「無限」製のホイールくらいでしょう。
搭載されるエンジンは「ホンダ:インテグラ・タイプR」用の「B18C」型エンジンで、そこに55φという大径の4連スロットルを装着しています。しかも、このスロットルはドライブ・バイ・ワイヤ、つまり電制スロットル化されているというのです。さらに点火はダイレクトイグニッション化してエンジンルームで目立つプラグコードをオミット。バッテリーはレース用の小型ドライモデルをライト下に隠すように配置し、ラジエターもコアサポート内に目立たぬように設置して、エンジンルームからその存在を排除しています。ブレーキ&クラッチマスターも室内に移設され、エンジンルームにはまさにエンジン以外存在しないという「極限のワイヤータック」カスタムを完成させています。バルクヘッドに繋がっているのは、「Rywire」製ハーネスのコネクタがあるだけなのです。あえてこのハーネスを目立たせているのは、「これ1本だけでエンジンが動く」というアピールでもあるようです。
エンジンとミッション以外は何も存在しない、驚くようなワイヤータックが施されたエンジンルーム内。その中に存在感を出している「B18C」型エンジンは、HASPORTのマウントキットを使って搭載されています。電子制御スロットルはAEMのマネジメントシステムで完璧に作動させています。スロットルの電子化やダイレクトイグニッション化は、パフォーマンスアップと共に配線の減少にも貢献しているのです。ちなみにバルクヘッドはスムージングされているのに、フェンダー側は穴が開いたままになっているが、これは「これだけエンジンルームにあった物を排除したんだ」ということをアピールする為に、あえてそうしているそうです。
エンジンルームの配線をこのハーネス1本に纏めているのは驚きです。ちなみに「Rywire」のハーネスキットは、元々レースカーのシンプルな配線にインスパイアされた物で、あくまでチューニングパーツという認識のようです。カスタム専用パーツではなく、ハードユースに耐えるよう、MILスペックにも準拠したクォリティの部品を使用しています。コアサポートに隠れてしまう「タックドラジエター」もRywireの製品です。ラジエターホースとヘッドカバーの色味を揃えているのもエンジンルームのポイントでしょう。
このカスタムマシンは右ハンドルのJDM仕様です。インテリアデザインにおいてメーターパネルはカバーされ、そこにRacepakのデジタルディスプレイをセットされていっます。ステアリングとシフターを変更している以外、内装はフルノーマルをキープしているようです。
■エンジン:’98インテグラ・タイプR用B18C換装、KINSLER・55φ4連スロットル(電子スロットル化)、AEM・INFINITY EMS、AEM・ダイレクトイグニッション、Rywire・タックドラジエター、ワンオフエキマニ
■フットワーク:HeelToe Automotive・ダンパーキット、HeelToe Automotive・トーションバー、ワンオフ・ピロアッパーマウント、無限・CF-48 15インチ、GENERAL・G-MAX AS-03 (F&R:195/55/15)
■エクステリア:カスタムリアスポイラー
■インテリア:Racepak・IQ3ディスプレイ、K-tuned・シフター、ナルディ・ステアリング