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「RMサザビーズ」が1963年製の「フェラーリ・275P」を販売することを発表し、大変な注目となっているようです。ちなみに「フェラーリ・275 P」については、フェラーリのホームページで次のように述べられています。「フェラーリ・275 P」は、「250 P」から始まるPシリーズの長く、成功に満ちた歴史に1ページを加えたモデルです。数字の275は1気筒あたりの排気量を、Pはプロトタイプレーシングカーを示します。排気量を拡大した目的はパフォーマンスの向上と、長距離耐久レースでの信頼性を確保することにありました。FIAが「275 P」をGTとしてホモロゲートするのを拒否したのを受けて、このエンジンは「250 LM」にも搭載されることになりました。レースから得た経験が生産車に活かされていることは言うまでもなく、生産型にもスポーツプロトタイプと同じ排気量のエンジンが用いられています。
そして、今回の「RMサザビーズ」ですが、「オークション」が有名ですが、今回の「フェラーリ・275P」は新しく始めたサービス「プライベート・セールス」経由での販売となり、これはオークションではなく個人間の売買を取り次ぐ、というものです。オークションに出品した方が高く売れそうではありますが、販売価格を知られたくないという人もいそうですし、また売却を知られたくないという人もいるのかもしれません。特に今回のようなケースは公表しない思われます。
なお、フェラーリのクラシックカーというと「フェラーリ・250GTO」がもっとも有名で、かつもっとも高値で売買されているという印象があるものの、今回の「フェラーリ・275P」は「フェラーリの車で唯一、ル・マンで二回優勝した経験がある」レーシングカーとして知られ、ともすると「フェラーリ・250GTO」より価値が高い、と考えられます。シャシーナンバーは0816です。
もともと1964年のル・マン24時間耐久レースで優勝したことが知られていたものの、近年の調査で1963年のル・マン24時間耐久レースでも優勝していたことが判明しています。なぜこれが最近わかったかというと、そして逆に「なぜ今までわからなかったのか」というと、単に書類上の問題ということで、次のような経緯があるようです。
もともと1963年のルマン24時間耐久レースにおいて、フェラーリはシャシーナンバー0814、つまり別の個体を出場させるつもりでこれを登録したことに端を発します。しかしながらこのシャシーナンバー0814の「フェラーリ・275P」はル・マンの1ヶ月前にニュルブルクリンクでのレースでクラッシュしてしまい、ル・マンに出場することが難しい状態になっています。
そのためにフェラーリは、シャシーナンバー0816(今回販売されている個体)の「フェラーリ・275P」をル・マンに出場させることにし、しかし登録(書類)上ル・マンを走ったのは「0814のまま」になっていた、というのが事実のことのようです。こういった事実が明るみに出ることによって、この「フェラーリ・275P」は、「モータースポーツ史上、もっとも重要なクルマの一台」となるようです。「フェラーリ・275P」のスペックについては、次のようになっています。
エンジンは3.3リッターV型12気筒で最高出力:320ps、エンジン搭載位置はミドシップ仕様となっています。全長は、4,610mm、全幅:1,675mm、全高:1,055mm、車体重量:755kgとなっています。