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「モナコ」において「RMサザビーズ」が開催するオークションへ、「10億円オーバー確実」とみられるフェラーリが出品される予定とのことです。これまでのフェラーリ・高額落札のランキングとしては下記のようになっています。
今回、出品される予定のフェラーリは、1957年製の「フェラーリ・250GTコンペティツォーネ ツール・ド・フランス(TDF)」で、72台(94台という説もあります)のみが製造されたうちの一台です。この「ツール・ド・フランス」は1956年から1964年の間にフェラーリが9回の優勝を記録した競技から命名されたもので、もちろん「フェラーリ・F12」のハードコアバージョン「F12tdf」も同様です。
パワーユニットとなるエンジンは、3.000cc V12エンジンで最高出力:258psを発生し、同じ時代の「メルセデス・300SL」が最高出力:212psであったことを鑑みるに非常にパワフルなモデルです。この個体は4つあるシリーズのうちのシリーズ3のモデルで、さらにそのシリーズ17台のうち15番目のシャシーです。
このシリーズについて下記の通りのようにフェラーリのサイトでは説明されています。
生産期間中、ボディ形状は4度変更を受けています。1956年のシリーズ1は1955年の250エウローパGTベルリネッタのデザインと非常に似通っていますが、ぴんと張りつめたラインによって少し細身にも見えます。1957年の前半、ボディは最初の変更を受けました。独立したリアフェンダーラインが水平に走り、1956年モデルでは円形だったテールライトが縦長になっています。同時にラップラウンド形状のリアウィンドウがより平面に近くなり、一回り小さいプレキシグラス製に変更されます。左右のリアクォーターパネル上にはキャビンの換気用ルーバーが14本走っていますが、後方に行くに従い縦方向寸法が短くなるよう一列に並びます。ノーズは先代とほとんど同じですが、格子パターンのラジエターグリルは奥行きが浅くなり、フロントビューが軽快な印象となっています。1957年終盤に登場した1958年モデルでフロントマスクが大きな整形手術を受けました。ラジエター開口部のデザインが変わり、フェンダーラインの変更にともないヘッドライトの位置が高くなり、その上にパースペックス製の透明カバーが付きました。リアクォーターパネル上の換気用ルーバーが3本になったことにも気付きます。多くの個体はボディ全幅にわたるバンパーを前後に付けていますが、以前は縦長のごく小さなバンパーが付いているだけでした。
「フェラーリ・250コンペティツォーネTDF」は”コンペティツォーネ”の名でわかるとおり「フェラーリ・250GT」の競技専用モデルで、ボディパネルがアルミへ変更されるなど戦闘力が強化されています。このシリーズ3モデルは、ラジエター開口部のデザインが変わってヘッドライトの位置も上方へ移動され、空力改善のためにカバーが装着されることになったモデルです。またリアウォーターパネル(Cピラー)に3本のルーバーがあるのものこの世代の特徴(前後バンパーのサイズも拡大されている)です。
またフェラーリの公式解説によると、「ツール・ド・フランス」は通称名であって公式な名称ではない、とのことです。「ツール・ド・フランス」で優勝するとその名称をモデル名の一部に使用する権利がオーガナイザーより与えられ、それによって広く「250GTコンペティツォーネ”ツール・ド・フランス”」と呼ばれるようになったようです。参加したレースの名称が車名として知られるようになった経緯としては「フェラーリ・356GTB/4(デイトナ)」と良く似たものですが、「デイトナ」はオーガナイザーより名称使用権が与えられたわけではないので、この部分はやや異なる、ということになっています。
なおデザインは「ピニンファリーナ」が担当し、架装を行なったのは「スカリエッティ」となっています。「フェラーリ・250GTコンペティツォーネ ツール・ド・フランス」の主な記録としては、ツール・ド・フランスで9度の優勝(1956〜1959年までは4年連続優勝)、そして1957年にはタルガ・フローリオ、1959年にはル・マンのGTカテゴリーで優勝するなどです。