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車好きの間では、言わずと知れた「日産・フェアレディZ(S30型)」。日本の名車として挙げられる旧車の代表格であり、漫画「湾岸ミッドナイト」によって「悪魔のZ」としても有名なモデル。現在でも日本国内、アメリカをはじめ世界中にファンが存在している。しかし、「S30型フェアレディZ」の開発プロジェクトは簡単なものではありませんでした。当時、スポーツカーの開発に懐疑的であった日産本社に対し、北米日産社長だった片山豊さんはアメリカでの販売促進にスポーツカーは不可欠と訴え続け、開発計画を支持。1969年にフェアレディZが発売されると、翌70年に輸出専用のL24型エンジンを搭載したダットサン240Zを北米日産で販売開始。ポルシェ911の価格が約1万ドルだったのに対し、約3600ドルに抑えたこともあって世界総販売台数約54万台(国内販売は約8万台で、ほとんどがアメリカでの販売)の大ヒットを記録した。今なおアメリカで最も売れたスポーツカーの記録はやぶられていないのです。その後もアメリカでは、S130〜Z32まで販売されたが、営業不振で1996年にZを販売中止。翌97年には、日産のブランド戦略で長年アメリカで親しまれたダットサンブランドが廃止された。
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しかし、アメリカでのZへの熱は冷めることなく、1998年には米国日産が独自にプロトタイプを製作。99年のデトロイトショーへ出品。S30Zを現在に甦らせるようなデザインであったことから世界中のZファンが熱狂。この動きがルノー傘下に入ったばかりの日産本社を動かし、一気にZ33フェアレディZ発売へとつながることになった。
当時の北米日産では新型Zだけでなく、ダットサン240Zへの愛情も忘れていなかった。それが、ヴィンテージZと呼ばれたZのレストレーション・プロジェクト。北米日産と片山さんとの協力によるこのプロジェクトで、全米中から探し集められたコンディションの良いダットサン240Zは、エンジン、内装、足回りまでを新車時の状態へと戻しつつ各パーツをレストアし、ビス1本1本まで新車時に近い状態へと仕上げられた。この際、多くの純正部品が再生産されたことは、世界中のZオーナーへのうれしいプレゼントとなった。販売にもこだわりを見せ、全米日産系ディーラーの中から販売店を選別し、Zショップと命名。
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Z32フェアレディZの発売中止直後の97年、北米日産によってレストアされたヴィンテージZ。わずか38台のダットサン240Zのみが再販され、そのほとんどがアメリカでの発売だった。日本に輸入されたのは3台。
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モトリタ製のダットサン用ウッドステアリング。プラスチック部品は全て制振加工。ランチャネルも交換済み。シートはオリジナルだが、中身を低反発ウレタン化。内装のランプ類も全てLED化されている。
センターコンソールにはヴィンテージZのエンブレムが入っている。
フェアレディZの伝説的チューナーであるSS KUBOで製作されたL24型エンジンへと換装。欧州輸出用カムを組み込んでいる。ラジエーターは3層へと変更。クスコ製を塗装したスチール製ストラットタワーバーを装着。ビルズ40段ショック。ドライバーで減衰が調整可能。足回りは、インシュレータからボールジョイントブーツまで全交換。米国アイバッハスプリングを装着し、アッパーマウントはピロ加工して、ショート加工したナックルアームを取り付けている。
もともと4速のミッションは240ZG用純正5速クロスミッションへと換装。OS技研のスーパーシングルクラッチへと変更し、R180ニスモLSDを装着している。
タコ足からマフラーはステンレス製のワンオフ。
●全長4136mm
●全幅1630mm
●全高1286mm
●ホイールベース2305mm
●トレッド前/後1356/1347mm
●最低地上高164mm
●室内長820mm
●室内幅1390mm
●室内高1075mm
●車両重量1066kg
●乗車定員2名
●最高速度205km/h
●エンジン型式L24型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量2393cc
●ボア×ストローク83.0×73.7mm
●圧縮比9.13:1
●最高出力151ps/5600rpm
●最大トルク20.1kg-m/4400rpm
●変速比1速3.59/2速2.25/3速1.42/4速1.000/後退3.66
●最終減速比3.36
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも175HR-14
●発売当時価格3526ドル