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「BMW M1」は生産期間わずか3年(1978-1981)であり、477台のみが製造された希少モデルです。しかも、「ミドシップレイアウト」を持つスーパーカーとしてデビューしました。実は、このモデルは車体の設計は「ランボルギーニ」社が担当していましたが、後に1978年4月に提携解消しています。また、デザインはジョルジエット・ジウジアーロが担当しているクルマで、「BMW」は「M1」開発のために大変、手をかけたモデルだったのです。
そのヒストリーとしては、1976年に「BMWモータースポーツ(現BMW M)」が、当時「ポルシェ・934」や「ポルシェ・935」の独擅場だったグループ4およびグループ5シルエットフォーミュラを制するため「E-26」の開発を始めました。
当初想定されていた自社製のV型12気筒4.5 リッターエンジンは、大きく重いだけでなく、オイルショックの時期が重なっており採用が見送られることとなりました。代わりにヨーロッパツーリングカー選手権用に開発された「M-88」型の排気量:3,453 cc直列6気筒DOHCエンジンが「クーゲルフィッシャー」社製の機械式インジェクションと組み合わせ採用されました。
このユニットは長大でありその結果ホイールベースの延長という弊害をもたらしたものの、潤滑系統にドライサンプ方式を採用することによりエンジンの搭載位置を大幅に下げ、重心を低くすることを可能としました。そのためクランクシャフトの中心は地上から185 mmに設定されています。圧縮比:9.0で最高出力:277ps / 6,500 rpmの公道仕様、圧縮比:11.5で最高出力:470ps / 9,000 rpmのグループ4仕様、排気量を3,153 ccに縮小し、「KKK」社製ターボを装備した最高出力:850ps / 9,000 rpmのグループ5仕様が用意されました。
しかし、ミッドシップの駆動方式は全く未経験であったため、「BMW」は「ランボルギーニ」に開発とシャシー関連の製造を委託することとなりました。開発は、レーシングカー関連の設計を手がけ、後にレーシングカーのシャシ製作会社を興した「ジャンパオロ・ダラーラ」が担当しています。
シャシーは角形鋼管で形成されたマルケージ製セミスペースフレームを採用し、全ての応力を強靭なフレームのみで受け止める構造となっており、応力のかからない外板は全てFRP製で、ボルトオンと接着を併用して取り付けられています。
排気量を3,153 ccに縮小し、「KKK」社製ターボを装備した最高出力:850ps / 9,000 rpmのグループ5仕様が用意されました。シャシーはランボルギーニに開発から生産までが委託され、ジャンパオロ・ダラーラがデザインしたが生産計画が遅れに遅れ、外注先を変更したものの400台を生産して公認されたのは1980年の暮れとなりました。
翌1981年からの参戦が可能となったもののシルエットフォーミュラ(Gr.5)自体が衰退し、期待された活躍もできないまま悲運の名車となったというヒストリーがあります。