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「ダットサン(日産):フェアレディZ」は、1969年、日本国内ではSUツインキャブレターを装備したSOHCのL20型と、当時の旧プリンス系で開発されスカイライン2000GT-Rに搭載されていたソレックスツインチョークキャブレターを3基装備したDOHCのS20型の2種類の直6 2.0 Lエンジンが設定されてデビューしました。総生産台数が55万台という日産スポーツの大ヒットモデルとなり、今や世界的な日本の国産名車として知られる「ダットサン(日産):フェアレディZ」として現代でもチューニングマシンとして人気を誇っています。今回のカスタムマシンは、この「S30型:フェアレディZ」の中でも特別な「240ZG」のカスタムマシンです。
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ハイパフォーマンスなECUとして、レーシングカーにも多用されるモーテック。そのパフォーマンスが発揮されるステージは、レーシングフィールドに留まらず、ストリートを快適に走るためにも、多くの機能を活用することができる。そんなモーテックの機能をフル活用して製作されたのが、ここで紹介するHS30フェアレディZ。右ハンドルなので気付きにくいが、新車当時オーストラリアに輸出され、数年前に日本に戻ってきた貴重な逆輸入モデル。
見た目は、当時からエクステリアカスタムがそのまま残されているものの、実はこの車両は超ハイテク仕様。エンジンがRB26改に換装されているのはもちろん、リレーユニットを廃止し電装系はPDMユニットとの連動で完全制御。また、オートエアコンやパワステはもちろん、旧車チューンとしては画期的ともいえるABSの移植&制御まで行われている。
“スタイルはあえて当時のまま、中身は現在のチューニングカーとして、いつでも気兼ねなく乗れ、快適で速い”そんなコンセプトで、AVOのノウハウをフル投入、みごと現在に蘇った奇跡のチューニングカーなのです。
この車両を見て、まず目に入るのは換装されたエンジンです。フェアレディZなどのL型エンジン搭載車にとっては、ある意味定番として受け入れられるようになったRB26DETTです。基本的には、オーストラリアでも開催されていたグループA仕様のRB26DETTに近いスペックで、グループA専用の純正形状ツインターボ、約650psを発揮する仕様です。1トンちょいのボディ重量しかないフェアレディZ前期モデルにとっては、申し分のない出力です。もちろん制御はモーテック、しかもフル制御に向けて最高峰モデルのM800を使用しているのです。
しかし、この車両の見どころはエンジンよりも、むしろあらゆる快適&安全装備が投入されている部分。オートエアコンや油圧パワーステアリングはもちろん、なんとABSまで移植している。また、モーテックのオプションパーツであるPDMユニットを使い、ハーネス類を作り直すことで、ウインカーやブレーキ、ヘッドライトなどの灯火類まで、リレーを廃止してコントロールされるようになっているということです。エクステリアに関しては、大きめの旧ポルシェ風ウイングや、シモーニのアルミホイールなどでモディファイ。当時気に入っていた部分とそうでなかった部分が混在しているそうだが、今ではあえて当時のままの姿を残したいと感じているそうです。
室内には高性能メーターであるダッシュロガーの装備により、各種データのモニタリングやワーニングの確認ができるし、そのロギングも可能。そのデータを解析すればトラブルの解明や、ドラテク向上、タイムアップにも活用できる。ちなみに、ECU本体とダッシュロガーはCAN通信で結ばれている。
モーテック・ジャパンの技術を証明する最強ECUによる電子制御と技術移植。見た目は当時仕様のままだが、中身は究極の激速&デジタル化を実現しているのです。エンジンはボアを広げた2.7L、オーストラリアで開催されたグループAに参戦していたBNR32の仕様に近いもので約650psを発揮。そして、モーテックや追加モジュールのPDM32などを使って電子系、電気系をフルに制御している。
ブレーキ系統はABSやキャリパーまで含めてGDBインプレッサからの移植を受けたもの。
ハブにはABS制御のためのピックアップも装着されている。今後はこれらの信号を利用したトラクションコントロールなどへの制御の進展も検討している。
ステアリングラックはロードスター用を移植し、油圧タイプのパワーステアリングとして操作性を大幅にアップしている。ワイドフェンダーや、スポイラーホイールなどは当時のまま。すべてがお気に入りというわけではないが、当時の形のまま動態保存し、気ままに乗れるチューニングカーに仕上げたかったとのことです。