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カーアクションで迫力あるTVドラマに「西部警察」を挙げる方も少なくありません。印象に残っている特殊車両として「フェアレディZ(スーパーZ / 130型)」、「スカイラインRS(RS軍団 / R30型)」を思い出す方も多いでしょう。しかし、今回は「石原裕次郎」氏が演じた捜査課長・木暮謙三の愛車「日産・ガゼール」に注目したいと思います。このモデルは、「スーパーZ」、「RS軍団」のような特別機動車両ではないものの、番組を象徴する華やかな1台といえまする。ベースモデルとなっているのは、最上級グレード「ガゼール 2000XE-II」で、日本初採用となるドライブコンピューター搭載モデルとしても有名なモデルです。
パワートレインは、最高出力:120ps、最大トルク:17.0kgmを誇る、排気量:2,000ccの直列4気筒「Z20E」型エンジンに5速MTの組み合わせた仕様です。今は亡き「ガゼール」のネーミングですが、1979年に3代目「シルビア」の姉妹車として登場したモデルです。メカニズムなどは「シルビア」と共通となっています。だが「シルビア」は「サニー」などの大衆車がメインのサニー店系列店で販売されていたのに対して、「ガゼール」は「セドリック」や「ローレル」などを扱っていた日産モーター店系列で販売する違いがありました。そんなことからか、フロントグリルやリアコンビランプによる差別化のみならず、装備面など「シルビア」よりも上位の位置づけで、高級感がプラスされていたモデルでした。ちなみに1983年にフルモデルチェンジされるものの、3年後の1986年に「シルビア」との車種統合により販売終了となってしまったモデルです。事実上の後継車は、同じくモーター店系で売られた「180SX」です。
木暮課長の「ガゼール」において最大の特徴はノーマルモデルにはない特別仕様のオープンモデルであるということでしょう。改造は当時ワンオフのオープンモデル製作や自動車メーカーの試作改造車などを手がけていたカスタムビルダー「ガレージタルガ(現在は分社化された有限会社TGRが洋型霊柩車のパイオニアとして有名)」が担当していました。オープン仕様となった「ガゼール」の出演シーンのほとんどはオープンでしたが、出演シーン以外の移動用に屋根もシッカリと用意され、パイプ状の支柱を内張りに追加された穴に刺して装着、その上に幌を被せるタイプとなっていました。
ちなみに、「西部警察 第5話:爆発5秒前」で、木暮課長が入り浸るバー「コーナーラウンジ」前に路駐しているシーンで、貴重なクローズド仕様を確認することができるようです。またボンネットに描かれた「ガゼル」の派手なグラフィックは特注ではなく、当時のディーラーオプション品だったようです。
また放送初期はノーマルの純正アルミホイールを装着していたものの、スポンサーに「共豊産業(現・共豊コーポレーション)」と「エンケイ」が加わって以降の「西部警察 59話~」は、ゴールドのエンケイメッシュに変更されています。タイヤはダンロップSP4の185/70R14を履いていましたが、現在はタイヤの経年劣化のためかフロント2輪のみ同サイズのブリヂストンBスタイルに交換されているようです。
「ガゼール オープン」には、他の特別機動車両のような特殊装備は装着されていないものの、当時では珍しい自動車電話を装着していたのが大きなポイントです。「西部警察」のオープニングで、木暮課長が自動車電話を使いながら走っているシーンに多くの人が憧れました。
また、コンソールボックスを開けると警察無線のレシーバーが格納されており、「西部警察 第39話:消えた大門軍団」で使用しているシーンが見ることができます。