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世界のスーパーカーの王様、歴史に名を刻む名車「ランボルギーニ・カウンタック」のデザインナーである「マルチェロ・ガンディー二」氏は、2018年8月26日(日)に80歳の誕生日を迎えておられます。これまで数々の名車のデザインを手掛けてきた偉大なるアーティストに敬意を表するとともに、ひとつの謎に迫ります。なぜ本来「ペスト(疫病)」の意をもつ言葉を車のモデル名に使用したのかということです。何年もの間、「ランボルギーニ・カウンタック」のモデル名は、イギリスのマスコミからは「クール」「最高」、「ワオ!」などと翻訳されてきました。これは感嘆詞によく使われる言葉になります。その事実を2003年のイギリスBBCで放送されている自動車番組、『トップ・ギア』のエピソードから学んだ人もいたのではないでしょうか。
司会者の「ジェームズ・メイ」氏は、この言葉の起源についてこう語っています。「イタリアのちょっとしたスラングで、おそらく『ウーア!』と解釈される言葉です」と述べています。ですがそれは、正確にはイタリア語ではなく、「ピエモンテ語」という言葉になるようです。「ピエモンテ語」は、イタリア北西部にあるピエモンテ州で約200~300人ほどが話す地方言語で、インド・ヨーロッパ語族のロマンス諸語に属しているようです。
1971年のランボルギーニ社には、ピエモンテ州出身の背の高い人物がいました。彼は「マルチェロ・ガンディー二」氏とテストドライバーである「ボブ・ウォーレス」氏とともに、のちに「カウンタック」となる黄色のコンセプトカーづくりに励んでいました。「カウンタック」のデザインは、「マルチェロ・ガンディー二」氏により1968年のパリのオートサロンで発表された「アルファロメオ・33 カラボ」にとても似ていることでも有名となりました。そして、そのデザインランゲージである「シザードア(多くの方はガルウィングと呼んでいます)」が、今後どのように「カウンタック」へと引き継がれていくのかにも注目が集まっていたのでした。
イタリアの「ベルトーネ」社のコンセプトカーは機能的なものを作りあげるため、チームの作業に多くの時間を要しており、1971年のジュネーブモーターショーでのデビュー後、「カウンタック」は生産準備にさらに4年間かかったのです。その間、「ランボルギーニ」社の創業者である「フェルッチオ・ランボルギーニ」氏は、「ジョージズ・ヘンリ・ロセッティ」氏と「ルネ・ネイマー」氏に彼の会社を売却しており、「マルチェロ・ガンディー二」氏のデザインランゲージであるその商標はずっと前から締結していたのでした。
しかし、なぜ「ランボルギーニ」社は、エンブレムにちなんで有名な闘牛に関連した車名をつけるという伝統から離れてしまったのでしょうか?「マルチェロ・ガンディー二」氏は、その多くのファンに寄せられる謎について2018年8月9日、ついに「ランボルギーニ公式サイト」において「カウンタック」の名前の由来を語ってくれていました。「私たちがモーターショーのためにこの車をつくったとき、私たちは夜まで働き、疲れきっていました。私たちはモチベーションを保つためにも、冗談を言い合っていましたね。そこには、この名前の鍵を握っていたプロファイラーも一緒に働いていました。彼は2メートル近く身長があり、驚くほど大きな手のもち主。彼はほとんどピエモンテ語だけを話し、イタリア語を話しませんでした。ピエモンテ語はイタリア語とは大きく異なり、フランス語のようにも聞こえるのです。彼が最もよく口にした感嘆語の1つは、文字通りにはペスト(疫病)、伝染病を意味する「カウンタック」でした。それは『goodness(良好)』のような、驚きや賞賛を表現するためにもよく使われている言葉で、彼はまさにその意味でこの言葉を使用していたのです。夜通し働いているなか、モチベーションを保つために、いたずら心に花を咲かせていたい気持ちもあり、冗談含みで『カウンタックと名づけるのはどうだろう!?』と言ったのです。真面目にではなく、ただ軽い冗談のつもりで…。そばには、マシーン(クルマ)を組み立てているボブ・ウォーレスがいました。私たちは常に、クルマを運転可能な状態でつくり上げています。当時はモーターショーの会場で、走りながら登場させることもできたのです、あれは素晴らしかった…。私はボブ・ウォーレスに、アングロサクソン人の耳にはそれはどう聞こえるか?って尋ねました。そこで彼も試しに、『カウンタック』と言ってみたところ…。発音は不自然でしたが、言えることができたのです。私たちはすぐにその名前を書き出しました。ですが実際に、『この呼び方で行こう!』と言ってくれたのは私の同僚であった若い男性でした。それがこの名前の由来で、この言葉の背景にある真実の物語です」
「カウンタック」― イタリア人こそ、不思議な名前だと思っていたことでしょう。日本語で見ると、真新しい斬新な単語だったかもしれません。いずれにせよ、その単語の裏に隠された物語は興味深く面白いものでした。「マルチェロ・ガンディー二」氏によりこの名称の真実が明らかになったことで、このプロセスがとても「カウンタック!」であったこともわかりました。