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「RMサザビーズ」が開催するオークションにおいて、「ランボルギーニ・カウンタック LP400S シリーズⅡ」が登場する予定とのことで注目されています。というのも「ランボルギーニ・カウンタックLP400SシリーズⅡ」の生産台数は105台のみで、この個体はレストアに2,800万円以上を費やしている、とのことだからです。ボディには「ランボルギーニ」社の伝説的テストドライバーを務めた「バレンチノ・バルボーニ」氏のサインが入り、走行距離は35,000km、とされています。この「ランボルギーニ・カウンタック」のヒストリーを振り返ると、その当時のインパクトの強さを伺い知ることができます。
「ランボルギーニ・カウンタック」は1971年にジュネーブ・モーターショーにて発表されたスーパーカーでした。エクステリアデザインは「マルチェロ・ガンディーニ」氏で、「ガルウイング(正確にはシザースドア)」を持ち、とにかく低いウェッジシェイプが特徴のマシンでした。「パオロ・スタンツァーニ」氏による設計を持ち、スペースフレームにアルミパネルを採用するという、当時としては画期的な構造を持っています。搭載されているエンジンは、4リッターのV型12気筒で、このエンジンを縦にマウントしています。この「縦置き」をイタリア語で表記したものが「LP」ということになります。
そのドアやスタイリング、ホイールアーチの形状、エンジンマウント方式が現代の「ランボルギーニ・アヴェンタドールS」にまで引き継がれていることを考えると、いかに優れたデザインそして構造を持っていたかがわかります。実は、当時から4WDレイアウトを想定した設計がなされていたと言われているから驚きです。
では、「ランボルギーニ・カウンタック LP400S シリーズ2」とは、どのようなモデルとして登場したのでしょうか。「ランボルギーニ・カウンタック」は1971年の発表ですが、実際の発売は「LP400」として1974年に行われています。プロトタイプ発表から改良が加えられたということになります。1971年に発表されたプロトタイプ「LP500」はのちの市販車(4リッター)とは異なる、5リッターV型12気筒エンジンを搭載しており、これはカナダの石油王にしてF1チームのオーナー、「ウォルター・ウルフ」氏の手に渡っています。
そして同氏は、この「カウンタック」のパフォーマンスを向上させるために「ランボルギーニ」社のエンジニア、「ジャンパオロ・ダラーラ」氏(この方は、後にレーシングカーコンストラクターとして有名になりました)と相談し、サスペンションのジオメトリ変更と幅広タイヤの装着、それに伴うワイドボディ化がなされることになりました。
これは「LP500S」もしくは「ウォルター・ウルフ・カウンタック」と呼ばれますが、のちに「ウォルター・ウルフ」氏は自身の「カウンタック」と同じ仕様の「カウンタック」を発売してはどうかと「ランボルギーニ」社へと持ちかけ、その後発売されたのがこの「LP400S」というもモデルになったというヒストリーを持っています。その名の通りエンジンは4リッターのままではあるものの、足回りやボディは「ウォルター・ウルフ・カウンタック」と同一だとされています。なお、「ランボルギーニ・カウンタック LP400S シリーズⅢ」以降はルーフが3センチ高くなっています。ですから「カウンタック」本来のデザインを持っているのは「シリーズⅡまで」ということになります。そのようなわけで、今回の個体は相当に貴重なものであるということもわかります。
「バレンチノ・バルボーニ」氏のサインが刻まれています。
メーターは「ランボルギーニ・カウンタックLP400SシリーズⅡ」から7連(それまでは8連)になっています。
メーターはイエーガー製が採用されていました。