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デビュー後、「L型」エンジンを搭載した「GT」から4バルブ・DOHCエンジンの復活となった「FJ20E型」を搭載した「RS」が登場し、ゼロヨンや最高速仕様のベース車として人気が上がっていった「R30型:スカイライン」。その後、ターボチャージャーを装着し「史上最強スカイライン」として最高出力:190ps、そしてマイナーチェンジを施し通称:鉄仮面となりました。最終的にはインタークーラーを装備、またプラズマスパークモデルなども登場し最高出力:205psとなっていました。こうしたパワーウォーズを牽引したモデルをカスタマイズしたのが「エスコート」社です。カスタマイズは「乗りやすくて速い」というマシンコンセプトでチューニングされています。
オリジナルのデザインを大切に変更として目立つのはホイール程度です。現在の車のデザインにはない直線基調が特徴的なシルエットです。
この個体は後期型の「鉄仮面」なので、前期との大きな違いとしては、フロントでは三本グリル(前期)、グリルレス(後期)、サイドではフェンダーのマーカーが四角(前期)、長方形(後期)、そしてリアではテールランプが後期型はスモークに三本ラインが入っているのが特徴です。
点火系は、ダイレクトイグニッション化されておりA/Fを安定させています。コイルをマウントするのは「エスコート」社オリジナルの「ダイレクトコイルプレート」です。またF-CON Vプロ制御や550ccの12ホールメインインジェクターなどを装備することによって、全域でのレスポンスアップだけでなくアイドリング時の不安定さも解消させています。そして「FJ20E」エンジン本体には、ノーマルのカムシャフトにGT-SSタービンを装備し、ブースト圧は1.2というセッティング。この仕様で最高出力:350psを発生させています。ピークパワーは500ps以上も可能という強度のエンジンブロックですが、あえて350psに抑えた仕様でノーマルカムを回すことで、全域トルクフルに仕上げられています。組み合わされているミッションには1、2速がダブルコーンシンクロとなる「R32型:スカイライン」用を流用し強度を向上させフィーリングを改善しています。
1970年代後半からインパネ周りのデザインは、絶壁インパネと呼ばれるデザインが日産車の特徴となっていきました。「R30型:スカイライン」シリーズもそのデザインを継承しておりスクエアなメーター周りです。このカスタムマシンでは追加メーターやEVCもシンプルに装着しています。
また当時のボディ剛性は強固なものではないために乗車定員の快適性を保持しつつ、ボディ剛性を高めるために補強バーを装着しています。シートは前後共にハイタッチモケットシート(ノーマル)を装着しています。
4バルブDOHCという「FJ20E型」スポーツエンジンでありながら搭載エンジンが4気筒ということで「GT-R」という称号は与えられなかった「DR30型」ですが、ハコスカ(C10型系)以来のモータースポーツの復活は歓迎され、実際レースシーンではグループ5で大活躍しました。また刑事ドラマの「西部警察」に登場する、大門軍団のエースカーに採用されたこともありました。その人気は現在でも熱狂的なファンを魅了し続けています。