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毎年、1月2~3日に開催されているお正月の国民的大イベントの一つが「箱根駅伝」といえるでしょう。そして、クルマ好きにとって今回は「箱根駅伝」のテレビ中継車が話題となっているようです。それは、大会本部車として運用されているボディカラーがホワイトでカスタマイズされている「トヨタ:センチュリー」です。顧客リストには宮内庁も名を連ね、皇族の方々もお乗りになるという、日本を代表する超高級車である「トヨタ:センチュリー」ですが、2018年6月に発売された現行モデルは3代目となり、2代目から実に21年ぶりのモデルチェンジしており、まさに満を持しての登場だったのです。
5L V型8気筒ハイブリッドシステムを新搭載し、ショーファーカーに求められるスムーズで余裕に満ちた走りと、高い環境性能を両立。熟練の匠が時間と手間をかけ、防音材を隙間なく組み付けるなど、徹底的な防音対策を施した。加えて、エンジン起動時の音や振動にはアクティブノイズコントロールで対応し、圧倒的な静かさを実現。エクステリアは、日本の美意識に通じる静的な均整感を保ちながら、後席を上座とする独自の思想を造形に表した。サイドビューは、あえて傾斜を立てた重厚なクォーターピラーにより後席の存在感を強調。センチュリーの象徴であるフロントセンターの「鳳凰」エンブレムは、工匠が金型を約1カ月半かけて丁寧に手で彫り込み、躍動する翼のうねりや繊細な羽毛の表情を鮮やかに描き出している。さらに、エンブレムを彩る縦格子のフロントグリル奥に、「七宝文様」を配置し、前後二重構造にすることで、「品位ある華」を表現した。インテリアは、65mm延長したホイールベースを後席スペースの拡大に充てることで、乗員の膝まわりや足元に十分なゆとりを提供。加えて、後席のスカッフプレートとフロアの段差を従来型より縮小し、フロアマット装着時にはフラットとなり、さらに乗り降りしやすくなった。また、本杢オーナメントで前後席の空間を区切りながら「折り上げ天井様式」を取り入れ、天井には「紗綾形(さやがた)崩し柄」の織物をあしらい、後席の格の高さを表現。また、無段階に調整可能な電動オットマンや座り心地を追求したリフレッシュ機能付(左後席のみ)電動リヤシートを採用。安全装備には、「Toyota Safety Sense」を新搭載するとともに、隣車線の死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車支援する「パーキングサポートアラート」を採用。ボディカラーは「神威(かむい)エターナルブラック」、「飛鳥(あすか)ブラッキッシュレッドマイカ」、「摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ」、「精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック」の全4色を用意しています。
実は現行モデルの「トヨタ:センチュリー」には、ボディカラーとしてホワイトは採用されていません。しかし、「箱根駅伝」に登場した「トヨタ:センチュリー」はホワイトカラーのカスタムマシンでした。実は、この「トヨタ:センチュリー」は知る人ぞ知る存在で、トヨタ自動車社長専用車として運用されている「トヨタ:センチュリーGRMN」というモデルなのです。特別なのは白いボディカラーだけではなく、専用設計されたエアロパーツ類も目をひくポイントです。リアスポイラーにカーボンを使用したりブレーキキャリパーも専用品だったりとスペシャル感満載のモデルなのです。また「GRMN」という名を与えられたモデルは必ず専用のサスペンションチューニングやボディ補強なども行っており、「トヨタ:センチュリー」であってもそれは例外ではないと思われます。つまり「走り仕様」の「トヨタ:センチュリー」へとカスタマイズされているということなのです。今回の「箱根駅伝」の大会関係者使用車両は全て「TOYOTA Gazoo Racing」がサポートしており、コンパクトカーの「Vitz」から「プリウス」、「アクア」、ミニバンの「ノア」などの車両が「GRブランド」のモデルとなっています。大会関係車両のトップの位置づけとなる大会本部車に、「GRブランド」のトップたる「センチュリーGRMN」が使われているということなのです。
ちなみに「GRMN」の意味は、「Gazoo Racing Meister of N・・rburgring」で、かつて「トヨタ自動車」でニュルブルクリンクオールドコースでの車両開発に尽力した「GAZOO Racing」の「成瀬弘」氏の通り名がニュルマイスターということで、すでに故人となっている「成瀬弘」氏に経緯を表し、ニュルブルクリンクでの開発を生かした最上級のスポーツモデルということなります。そのために、現在のところ世界でたった一台のスペシャルな「トヨタ:センチュリー」が「箱根駅伝」で活躍しているということです。