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「ポルシェ」社が極秘で開発を進め、先日開催の「モントレー・カー・ウィーク2018」において世界初公開したのが「プロジェクト・ゴールド」というスペシャルマシンでした。ベースとなるモデルは、空冷式ツインターボチャージャーエンジンを搭載する「ポルシェ・993ターボS」となりますが、この個体が僅か一台だけ今回の開発プロジェクトに採用されました。ただ、この「プロジェクト・ゴールド」は、既存の「ポルシェ・993ターボS」の復元ではありません。しかし、技術的に残っていた部品を流用し、公道仕様になるだけ近づけた2018年式の「ポルシェ・993ターボS」として発表されました。つまりは、あくまでも公道仕様に近づけただけであって、実際には公道走行することが不可能なモデルとなります。それにしても一体なぜ、公道走行ができず、「ポルシェ・993ターボS」の復元モデルとして扱われなかったのでしょうか?
今回の問題について、「ポルシェ」社のクラシックセールス及びマーティングボスの「フィリップ・サルム」氏によると、「プロジェクト・ゴールド」は現在のヨーロッパの排出ガス規制に遵守していないことが大きな問題になっているとのことです。つまりは、国が定めた規制によって一般車両(公道走行可)扱いができる国もあると思われ、例えばアメリカのように排出ガス規制のハードルが低いところであれば公道走行も可能となるかもしれません。
この規制が、違法であると認められた車両が歴史的または技術的重要性を示す場合、その国によってどのように扱われるかが大きく変わるわけですが、そういった場合は年間走行距離を約4,000km(2,500マイル)まで制限する可能性もあるとのことです。ただ、こうした世界に僅か1台しか製造されなかった「プロジェクト・ゴールド」は、間違いなく転売目的で購入するオーナーが続出すると思われるため、そもそも外で走らせるという考えは無いのかもしれません。なお、この個体は、10月27日に開催される「RM Sotheby’sオークション」において、ポルシェ70周年記念モデルとして出品されます。
予想落札価格は一切不明ですが、億越えになることは間違いないとおもわれています。「ポルシェ」社が自社のレストア部門、「ポルシェ・クラシック」においてレストア&カスタム、つまり「レストモッド」として進めていたモデルが「プロジェクト・ゴールド」だったのです。「993型」世代の「ポルシェ・911ターボ」を現代の技術をもってよみがえらせるというものですが、今回ようやく「完成」することになったというわけです。レストアにかかったのは18ヶ月で、ボディカラーは現行世代の「ポルシェ・911ターボS エクスクルーシブ」と同じ「ゴールデンイエローメタリック」ということです。また「ポルシェ・911ターボエクスクルーシブ」と同じ手法で「ブラックにゴールドのライン」が加工されたホイールも装着されています。なおエンジン本体は「新品」で、サスペンション、4WDシステム、内装、含めてすべて「ポルシェ」社が自らの手によってチューニングされ組み上げられたとされ、エンジンは当時(1996年)の911ターボSが発揮していた「430馬力」より高めの450馬力の仕様となっています。シリアルナンバーは001/001とされており、センターコンソールにあるのは「昔のラジオに見せかけた、シンプルなカーナビゲーション(純正オプション)」が装備されているようです。